2008/2/12 編集追記

 ■ テーマ説明

 ◆「イマージング」の研究レポートとして

 (繰り返しになりますが、) このサイトでは「イマージング」という言葉(私が勝手にそう呼んでいる用語)を使っています。
 「フローティングかタイプⅠ(intermediate)のラインで、小さ目のフライを、少し沈ませて、水面直下をリトリーブして釣る釣り方」です。
 →用語説明としては、
FAQ (よくある質問) を参照して下さい。
 エキスパートの方が言うところの「水面直下の釣り」、「水面直下の引っ張り」、「ミッジの引っ張り」などに相当すると思います。

  

 エキスパートの方は、この釣りも充分に熟練されていると思いますが、修行中の私としては、まだまだ習得できていません。
 そこで、主に自分の釣行経験から学んだイマージングのツボ(もちろん、本当にツボかどうかはわかりません。)を
 研究(修行)のレポートとしてまとめてみることにしました。(まだまだ中間報告的位置付けです。


 私の拙い経験(もちろん、我流)ですが、
 「イマージングって、どんな釣り?」「水面直下の釣りをやってみたい。」という方の参考になれば幸いです。
 一般論ではなく、独断的な内容ですので、 エキスパートの方は読まないで下さい。(笑)
 あくまで、「ヒント」としての個人的な考え、極端な例示ですので、念のため。

 ■ お気楽イマージング

 未熟にもかかわらず、私が目指しているのは「お気楽イマージング」なので、「Easy Emerging」というコンテンツにしました。
 ※このコンテンツは、最初に書いた
管理釣り場 研究ノートの「NO.2 イマージングの戦術」の改定版(お気楽編)として書いています。

 一般的な釣りの常識として、「渋い時は鉤(フック)を小さくする。」というのがあると思います。
 フックサイズを小さくして(フライの場合、ミッジ)、ティペットも細くして、スローなロッドにして・・・。
 その結果、スッポ抜け、バラシ、アワセ切れ、ライントラブル・・・私は、そうゆうデリケートな釣り方が苦手です。
 (デリケートなというのは、私がそんな気がするだけかも知れませんが。)
 私はお気楽な釣りを目指しているので、できるだけ大きいフライ、できるだけ太いティペット、池でも使える中番手くらいのタックルで
 釣りたいと思っています。
 しかし、そうゆうややラフなセッテイングにして、釣れなくなっては本末転倒にもなります。
 デリケートな釣りとお気楽な釣りの境界線はどこにあるのか が今の私の課題でもあります。
 ある程度釣れる、でも比較的簡単なセッティング。そのバランスはどのへんか?
 適度なバランス、つまり、
 大きめのフライ、太めのティペット(スッポ抜けない、バラシが少ない、アワセ切れがない、ライントラブルも少ない)で、
 そこそこ釣れる。・・・というイマージングの釣りができたらいいな と考えています。

 「お気楽イマージング」の具体的条件としては、(今のところ)
 ①ミッジ(#20より小さいフライ)は使わない。
 ②あまり細いティペットは使わない。(7Xまで)
 ③簡単なフライパターンであること。
 そして、
 ④そこそこ釣れる。
 という目標で考えています。

 ■ タックル、ラインシステム

 ◆タックル

 通常の池型タックル、4〜6番程度。

 ◆ラインシステム

 
フライライン
 ラインは主にタイプ1。高活性ならば、フローティング。タイプ1を使う理由は、
   ①アタリがとりやすい。
   ②沈下させて、タナを探ることができます。
   ③フローティングの引っ張りでは、引き波が起きるので、魚が警戒するかな? と思っています。

 私としては、タイプ2以上を使った場合は、「イマージング」(水面直下の釣り)と呼ばないことにしています。

 
リーダーとティペット  参考→■ティペット
 リーダー、ティペットは5X〜7X程度。
 リーダーは沈めるためにフロロにした方がいいのかも知れませんが、私はナイロンを使っています。

 ■ フライ

 フックサイズは#14〜#20。メインは#16。
 大きいフライ(#14、#16)は、春〜夏〜秋。
 小さいフライ(#16、#18、#20)は、冬と渋い時。 という感じの使い分け。

 ノーウェイトのソフトハックル系が基本。ボディ細め、ハックル少なめ。 ハックルなしのボディのみでもよい。
 白系とダーク系が基本カラー(「イマージングフライは白だ」という説もあるようです。)

 ◆こんな感じです。
 

 ◆研究実釣で、意外に釣れたシンセティックパターン

 
 フックは、TMC 900BL #14
 この素材は正式にはなんというのでしょう? 私は「レインボー糸」と呼んでいますが。
 それにしても、カンタンなパターンです。

 その他のパターン 参考 → ■
イマージングフライ  ■NO.59 アルファ

 ■ 釣り場の状況(イマージングの釣り方ができる条件)

 マッディな水質、濁りがひどい時は、イマージングの釣りは通用しないことが多いようです。
 小さめのフライが魚から認識されにくいので、ある程度透明度があることが必要です。

 ライズがあれば無理せず、ドライで釣る。ライズがない時にイマージングで釣るのが基本。(当たり前ですね)
 逆に言えば、イマージングはライズはなくても可。もちろん、魚が表層に興味を示しているという状況は必要ですが。
 さらに言えば、表層に魚がいなくても可。透明度がありフライが見えれば、深い場所から表層にアタックすることは多いようです。

 ■ 第4の釣りに拘ってみる・・・

 ついつい、いつもの釣り方をしてしまうというのは、よくあると思います。
 フライフィッシングは、順番から言えば、①ドライ、 ②マーカー、③シンキングという順番で習得するのが一般的だと思いますので、
 どうしても「第4の釣り、イマージング」は機会が少なくなります。
 したがって、ある程度積極的に選択(練習)しないと、なかなかマスターできないと思います。つまり、「決心」が必要です。
 「普段は、マーカー釣り」 という人なら、「当分、マーカー釣りはしないぞ」という感じでしょうか。
 まあ、どんな釣り方でもそうですが、ある程度結果が出るまでガンバリましょう!(^.^)

 ■ 釣り方

 ◆キャスティングとフライ、フライラインの着水

 シンキング、マーカーよりもドライ風に「出る」確率が高いので、キチンとターンオーバーさせて、ソフトにフライを着水させることが大事です。
 ターンオーバー&ソフトな着水のためには、フォルスキャストでラインスピードをある程度上げて、シュートでは力を抜く感じがいいと思います。
 シュートした後に、「こりゃ、うまくターンしないな」と思ったら、ラインハンドでラインをチョンと引くと、
 ターンする回転力を補う(増加させる)ことができます。

 フライラインを水面にたたきつけないように注意しましょう。

 ◆スラックをとる

 ライン着水後、すぐにラインスラック(たるみ)をとります。この動作で(フライが動いて)釣れてしまうこともよくあります。
 手早く、キャスト後のラインスラックをとるには、ロッドをスーと立てて、ラインを引き寄せてしまうのが便利です。
 これでもバイトしてしまうことが多いです。


 ◆
 カウントとフォール(タナ取り)

 ラインを馴染ませる程度に、少しだけ待つ(カウント)。

 
◆水面直下って、どのくらいの深さ?

 私の感覚では、30cm以内という感じ かと思います。逆に言うと、この範囲くらいに収まるような速度でリトリーブします。
 もちろん、狙ったポイントのリトリーブする範囲で という意味であり、手前まで引いてきた時には、30cm以上沈んでいるも多いです。

 最初はフォーリングさせてタナを探ることも重要です。そのためにも最初は沈下するタイプ1を使うのがいいでしょう。
 フォーリング中のアタリのとり方は、
Positive Sinking のコンテンツを参照して下さい。
 (できれば、このイマージングのコンテンツの前に、
Positive Sinking のコンテンツをお読み下さい。)

 
◆フローティングラインでのイマージング(タイプ1=インターミディエイトとの違い)

 タイプ1は、もちろん時間とともに沈んでしまいます。
 水面下数センチを狙いたい。長く待って釣りたい。ゆ〜〜っくりリトリーブして釣りたい という場合は、フローティングラインを使うことになります。
 もちろん、フライも狙いのタナ(=水面直下)より深くフライが沈まないことが肝心になります。
 ドライフライまたはフロートフライを「少しだけ沈ませて」使います。

 フロートフライでは、「浮いている間はドライの釣りをして、沈んだらイマージングをする。」という柔軟な考え方もいいですね。

 このセッティングの弱点としては、・・・
 フローティングラインで、沈めるフライを使うと、ラインシステムが直線にならず、「くの字」(「への字」?)に曲がって、
 伝達ロスがあるため、アタリが出にくい傾向になります。

 

 激シブでアタリが小さい時、魚がフライを瞬時に吐き出すような時は、ヒット率が悪くなります。
 もちろん、タイプ1でも直線にはなりませんが、テンションのかかり方が違うので、はるかにアタリの感度はいいです。
 ですから、フローティングラインを使用した場合は、特にテンションを維持することが肝心だと思います。

 ◆タナが深い場合(フライ、ティペットの沈め方)
 どうも今日はタナが深いぞという場合、または
 水面直下ではなかなか当たらないので、
イマージングをやめてタイプ2に変更する前にちょっと沈めてみる という時は、
 小さいガン玉(7号程度)、または粘土おもり。
 シンキングリーダーでもいいですが、タナの変更にリーダーの交換が必要になります。

 ◆リトリーブ

 同じ引っ張り系の釣り方でも、もうストリーマー系を追わないような魚に対する戦術ですから、
 リトリーブは基本的には「ゆっくりと」。ただし、状況によっては例外もあります。
 大きいフライは少し速いリトリーブ、小さいフライはスローなリトリーブがいい という傾向があります。
 いずれにしろ、 ストロークは短め(10cm程度)が基本。ソフトハックルパターンではアクションさせるために、
 シンキングの長〜いリトリーブはあまり使わないです。

 「シェイク」 ロッドを小刻みに振って、フライを躍らせるようにリトリーブさせる釣り方もあります。


 
◆「トリガーリトリーブ(引き金リトリーブ)」 Trigger Retrieve

 イマージングの研究実釣の模索の中で、気づいたリトリーブを紹介します。
 気づいたと言っても、前からやってはいたので、「イマージングに適しているな」と気づいたという意味です。
 でも、もしかしたら、このリトリーブ方法はだれもが知ってる「常識」的な方法なのかも知れません。
 私はあまり釣りの雑誌や本を読んでいないので知識不足であり、ひょっとしたら、すご〜く恥ずかしいコンテンツを
 書いている可能性もあります。 (こんなHPを作っていて、イマサラ ですが^^;)
 しかし、自分としては、本当に「気づいた」のですから、しかたありません。

 「トリガーリトリーブ(引き金リトリーブ)」と名づけました。
 trigger: 引き金。 retrieve: 取り戻すこと。本来「引く」という意味はないが、フライフィッシングでは、キャストしたラインを引き戻すこと。

 もう、名前だけでわかってしまうと思いますが・・・

 ①ラインハンドはゆっくり、長いストロークで「ツー」とリトリーブします。
 ②ロッドハンドの、ラインを掛けている指でラインを滑らせながら、繰り返し「引き金」を引くように指を動かします。
  ラインを滑らせている支点(曲がり角)を移動させる感じです。

 ◇下の画像はロールオーバー(画像切り替え)になっています。画像の上にマウスポインタをのせたり、外したりしてみて下さい。
   (クリックするとページの先頭に戻ってしまいますので、クリックはしないで下さい。)

 


 注:「引き金」を引く動作の時に、「バキュン、バキュン」と声を出す必要はありません。(^.^)

 ・・・これだけです。

 なお、私の場合、ロッドハンドでラインを掛けている指は人差し指です。ちなみに、右利きなので、ロッドハンド=右手、ラインハンド=左手。
 ロッドハンドは手の平が少し上を向くように傾けた方がやりやすいと思います。
 ラインを掛けている指の滑りをよくするには、
Positive Sinking で紹介した「ストリッパーガード」というグッズが効果的です。(私は自作)

 このトリガーリトリーブ(引き金引き。ん?、「山本山」みたい。)により、
 全体的には、ゆっくりリトリーブしているラインに、2、3cmのピッチで、脈動が生まれます。
 その結果、先端のフライの動きとしては、小刻みに「くいっ、くいっ、くいっ」という感じになります。
 連続でなくてもいいので、長いストロークのリトリーブの中に、任意のタイミングで、小さな変化を付けることができます。

 普通のシンキングのリトリーブと同じように、ラインハンドの「引き」だけでは、どうしてもピッチが大きくなってしまう傾向がありますので、
 ソフトハックルなど「アクション」するタイプの小型フライを使うイマージングに適したリトリーブとして、効果的かなと思います。
 (もちろん、タイプ2以上のシンキングのリトリーブでも使えます。)

 
◆引き波

 例えば、ドライフライの場合、フライの着水後の数秒間が最もアタックがあると思いますが、
 しばらくフライを浮かせておいて、アタリがない場合は、ビックアップして打ち返すか、
 少し、誘いのリトリーブでチョンチョンと引いたり、ポイントを変えるためにスーッとリトリーブするのが一般的な釣り方だと思います。
 ピックアップするのしろ、チョンと引くにしろ、スーッとポイントを変えるにしろ、フライは浮いているので、水面を走り、引き波が生じます。
 イマージングの場合、フライとティペットは沈めているので、似たような動作をしてもフライの引き波はでません。
 さらに、タイプ1を使ったイマージングでは、ラインごと沈めているシンキングのリトリーブと同じになります。(ラインの引き波がない)

 ◆ラインに常にテンションをかけ続けるために

 タイプ1でも、フローティングラインでも、テンションを維持することが肝心なのですが、
 リトリーブの釣り方の弱点として、ラインから手を離す瞬間があります。
 ロッドを脇に抱えて、「両手リトリーブ」という方法もありますが、なかなかめんどうです。
 それには、「フィギュアエイト」などの「ハンドツイスト」ができると効果的です。
 ・・・でも、私はうまくできません。^^;

 ◆アタリ
 シンキングと違って、水面直下をリトリーブするので、アタリの際は、水面が盛り上がったり、スプラッシュするので、
 見てわかることが多いです。 (アタリの見えないシンキングとは、そのあたりが少し違います。)
 時には、背びれが出ることもあります。近くでヒットする時は、急に魚が浮き上がってバイトするのも見えます。
 しかし、ドライとは違って、ギリギリ水面にフライがない限り、魚の口が水面を突き破ることはあまりありません。
 もちろん、活性が高ければ、バシャと来ます。

 フローティングラインでイマージングをする場合は、フライラインにテンションがかかりますので、それでアタリをとることもできます。

 ◆アワセ

 繊細な釣り方(ティペットが細く、フライが小さい)場合、強くアワセられませんが、
 「お気楽イマージング」のセッティングなら、多少の強いアワセは可能です。
 でも当然ですが、油断すると、スッポ抜け、バラシ、アワセ切れ、ライントラブルはあります。

 魚の位置(深さ)、向きからすると、スッポ抜けやすいので、ロッドを高く掲げる(角度を付ける)方がいいと思います。

 ◆再びキャスト

 アタリがなくリトリーブを終えたら、再びキャストします。後は、この繰り返しですが、
 フライ、狙いのポイント
タナ、リトリーブ(スピード引き方)・・・などの組み合わせを試してみましょう。

 ●なぜ、周りでマーカー釣り、シンキングの釣りが釣れなくなっても、イマージングはコンスタントに釣れ続けるのか?

 (まあ、それがわかれば苦労はないですが)

 基本的には、表層近くにいて、水面に興味はあるが、ドライフライに飛びつくほど活性は高くない魚を釣る釣り方だと思います。
 活性が低いというよりも、スレていると言った方がいいかも知れません。
 スレるということは、プレッシャーがかかっているということですから、プレッシャーの少ない釣り方が効果的なわけで、
 シンキングのストリーマーやウェット(大型フライ)、ルースニングのウェイテッドニンフ(中型フライ)などのフライよりも、
 イマージングで使う、小さめフライの方が魚にかけるプレッシャーが少ないからかも知れないですね。
 また、重いシンキングラインやマーカーの着水音の影響(プレッシャー)がないという点もあるかも知れません。

 ・・・と、わかったようなことを書いていますが、イマージングで爆釣したことは、まだ少ないのでよくわかりません。^^;

  てなわけで、課題はまだまだ、たくさ〜んあるので、研究続行中です。(^.^)

 ■SPECIAL THANKS

 私にとっての「イマージング」の原点は、リンクサイト 
ebiのFLYFIGHINGさん でした。 (残念ながら今はHP閉鎖)
 ebiさんのサイトで初めて、ドライでもない、マーカー(ルースニング)でもない、シンキングでもない、フライの釣り方・・・「イマージング」を
 知りました。 (ebiさんのサイトでは、「イマージング」という用語が使われていました。)




 ■
釣り方紹介 目次

     第1作 ■ シンキング 編  「
Positive Sinking 」 (シンキングラインの釣り)=このページ

     第2作 ■ イマージング 編 「 Easy Emerging 」 (水面直下の引っ張りの釣り)=このページ

     第3作 ■ リーダー釣り 編 「
Leader Fishing 」 (リーダーでアタリをとる釣り)

     第4作 ■ 2段釣り 編    「
2 Step System 」 (「リーダー釣り」+「マーカー釣り」)

     第5作 ■ バックフロートフライの釣り 編  「
Back Float Fishing」 (BFフライの釣り)

     第6作 ■ <補足> 
Zone Fishing について考える

     第7作 ■ マーカー釣り 編   「
Marker Fishing」 (「マーカー釣り」) 

 



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