2010/ 3/ 7 UPDATE
■ テーマ説明 |
大きい池型管理釣り場ではシングルハンドでは届かない遠いポイントへ魚が逃げてしまいます。 シングルハンドでは飛距離の限界でもダブルハンドなら届くかもしれませんね。 ダブルハンドは湖や本流というイメージですが、湖や本流に行かなくても管理釣り場メインで使ってもまったく構わないわけですし、実際に使っている人も多いです。 私もたまたま勧められる機会があり、ダブルハンドを使ってみましたが、あまり構えて考えずに新しい遊び道具という感じで始めてもいいと思います。 フライフィッシングの楽しみのひとつであるキャスティングという視点で(魚が釣れなくても)楽しめると思います。 ダブルハンドを振れる管理釣り場もありますし、お手頃な値段のダブルハンドロッドもでてきました。 管理釣り場ですからディープウェーディングしません。スニーカーでダブルハンドでもいいわけです。 管理釣り場ならではのダブルハンドキャストというのもあると思います。 さて、遠投となるとオーバーヘッドキャストではバックスペースが必要になりますから、 スペイ(シングルスペイ)やシューティングスペイがバックが狭い位置からでも遠投でき有効です。 私の場合、シングルハンドでシューティングスペイキャストを練習してきたので、とりあえずダブルハンドでもシューティングスペイでキャストしています。 ・・・ということで、またまた自分の練習過程をコンテンツにしてみました。 スペイやシューティングスペイについては、本やDVDなどたくさんの情報がありますが、 当然、このコンテンツは個人的な考えによる独断的な内容、我流ですので念のため。 |
■ ロッド |
当然、ダブルハンドロッドが必要になります。(^_^) シューティングスペイならシューティング系のロッドが向いていますが、スローなアクションのロッドでも問題ないようです。 (ただし、少しキャスティングで調整が必要になります。) 最近はスペイブームのようで、ダブルハンドのロッドも手頃な価格になってきました。低番手〜中番手ということで、#5〜#8のクラスがいいでしょう。 私が使っているロッドは SHIMANO BROOKSTONE 1389 13ft #8/9 です。 |
■ ラインシステム |
スペイキャストでは、ロッドとラインシステムのバランスがとても重要になります。 ダブルハンドロッドは長くて重いですからバランスが合わないと苦労します。バランスが合わないために挫折してしまう人も多いようです。 とラインシステムをいろいろ組み合わせるのも楽しみのひとつですが、最初は何がなんだかわかりませんね。 私のオススメは Rio AFS Head です。これはスペイ系のシューティングヘッドです。 ヘッドだけではなかなかキャストフィーリングがピッタリ合いませんので、長さや重さをティップやRioのバーサリーダーなどを足して調節するのがいいと思います。 ランニング(シューティング)ラインは、バリバス バーマックス磯(フロートタイプ) がオススメです。 ランニングとヘッドの接続は、テーパー形のウキ止めゴムを使うとガイドにゴツゴツ当たらなくていいです。 (ループの結び目にテーパーゴムを被せて瞬間接着剤で固定) ノッテッドリーダーはループ接続を容易にするために使っています。私はナイロン糸の6号+3号+1.5号+0.8号を各3ft(0.9m)の4段にしています。 通常のテーパーリーダーのバットよりも細くカンタンにループを作れて、また部分的各段を交換できるので楽です。 |
■ キャスティング |
書き難いのでイラスト図はあまり書けませんでした。写真かな? スペイの専門用語はよく知らないのであまり使っていません。 このコンテンツは直線移動(キャスティングワンポイントメモ)と軌道面(SHOOTING TURBO SPEY CATING)の考え方を基にしていますので、 そちらも参照していただくとわかりやすいと思います。 ①グリップとスタンス 肩幅より少し長い程度の間隔でロッドを持ちます。 右足を少し前に出してシュート方向にほぼ正対して立ちます。 ②オーバーハングとラインのホールド 最初はロッドティップを振ったり、水面の抵抗を利用してヘッドをトップガイドから全て出します。 ランニング(シューティング)ラインをトップガイドから50cm〜1m程度出します。 (このオーバーハングの長さは最終的にはキャスティングのバランスで調節して決めるといいと思います。) オーバーハングをとったら、シューティングラインを両手の人差し指で固定(ホールド)しながらロッドをグリップします。 ③ロールでヘッドを伸ばす (最初のキャストでヘッドを出してから、または1つ前のキャストのリトリーブを終了してから) ラインをなるべく空中に浮かせながら、高い位置でロールキャストし、ヘッドを伸ばします。 ③引き寄せ ロッドティップを上げて、伸びたヘッドを水面から引き剥がします。 ロッドを右サイド(右利きの場合)へ倒しながら引き寄せます。 ラインは空中を飛行して、右方向にふわりと飛んでくるようにします。 ヘッドを引き寄せる時は、ロッドティップを後ろに大きく移動させることが必要になりますので 左手を前や上に出してロッドを傾けます。左手を固定してしまうと右手と一緒に腰を捻らなければならなくなるので注意しましょう。 ④アンカー部の着水 自分よりもロッド長さ分右側の、自分よりも1mほど前の位置に、ヘッド(ティップ含む)の先端から3mほどが着水するようにします。 (ヘッドを飛ばしてきて、狙いのポイントに着水させるのは練習あるのみです) 着水したヘッドの先端は直線状になるようにします。この直線がラインの飛行軌道面の底辺になります。 ④折りたたみ 「ペリーポーク」というみたいですが意味は知りません。最初はラインのベリーのベリーポークかと思っていました。 ラインを前方に折り返しながらロッドを降ろして、後方に行き過ぎた分のヘッドを折りたたみます。 ラインシステムのどこが折りたたみの折り返し点になるといいキャストができるのか をいろいろ試してみる必要があります。 これはシステム構成によって様々ですから試すしかありません。 そして、実はこの折りたたみの場所が最も重要です。 私はここを確実に位置決めするために、引き寄せ時に一旦ロッドを停止させ、ラインをペタッと後方に落としています。 折りたたみのやり直しをする時もあります。 これは実際のフィールドではなかなかできませんから、足場がクリアな管釣りならではのキャスト方法ですね(^_^;) ⑤バックキャスト 基本的なバックキャストは下図のような感じですが、いくつか注意すべき点というか工夫すべき点があります。 図の赤い線はロッドティップの移動軌跡です。オレンジ色がループ(ライン)です。 そこで・・・ ロッドティップを一旦軌道面の直線の前に突き出すようにしてから 右後方の上空へ向かって急上昇するようにロッドをバックキャストします。この動作によりヘッドをループ状に膨らませます。 ループ形成を待ちながら、ロッドティップを少しだけ後方へ送り込み、すぐに反転してシュート方向への助走を始めます。 この往復動作のどこかでループが形成されるタイミングになります。 ただし、この動作はそういう意識で振るというイメージに近い動作であり、実際はあまり大きく動作する必要はありません。 ゆっくり振って、大きなループを作ることを心がけましょう。 (速く操作するとロッドは曲がるがラインがついてこない状態になります。) バックキャストを右後方ではなく、(軌道面から外れて)自分の後ろにロッドを回しこんでしまうと、ヘッドが自分に巻きつくように移動してしまうので注意しましょう。 こういうロッドを回すような動作の時はティップの進行方向の反対側にガイドやリールがなるように注意しましょう(ロッドは正しい曲げ負荷の方向が決まっています) バックキャストの後半では、アンカー部が水面から出てくるところをよく見て、シュートのタイミングと方向を合わせます。 ⑥シュート 自分の目の前、70cmくらいの距離に壁があると思って、そこに柄の長い両手持ちの金槌でクギを「ドーン」と打ち込むようなイメージでシュートします。 ロッドティップを直線的に、力強く前方に移動させます。 シュートのパワーゾーンは「ドーン」とクギを打ち込んだところで終わります。決してロッドを振り過ぎないこと、振り降ろしてしまわないことが重要です。 この時のロッドグリップの位置、操作は ①左手を右脇腹に巻きつけるような動作 ②左手で腹(ヘソ)を打つような動作 ③空手の右正拳突きの時に左手で反力を生み出すような動作 がありますが、私は③をオススメします。この正拳突きの引き手(左)の反力効果はいわば「アンダーハンド」です。 そして、③の動作ではグリップの位置によりロッド全体が傾きます。 シュートの時、どうしてもロッドを振り過ぎてしまう場合は、上体を少し仰け反るようにすると、自然に打ち込める感覚になります。(後傾すると反射的に両手が前に出る) さて、シュートのティップの位置(高さ)とヘッドの重心の位置(高さ)の関係によって、飛行ラインが上に打ち出されたり、下に打ち出されたりします。 つまり、シュートする時のパワーゾーンのティップの高さに対するDループ状態のヘッドの重心高さが、キャストしたラインのターンオーバー性に反映します。 ①ティップよりヘッド重心が低い →ラインは上方向に打ち出されて、大きなループのターンになる ②ティップとヘッド重心が同じ高さ →ラインは水平に打ち出される。パワーが乗っていれば矢のようなループになる ③ティップよりヘッド重心が高い →ラインは下方向に打ち出されて、水面に突き刺さるようなオーバーターンになる この関係ではDループの大きさやDループの重心の高さが重要な要素になります。(シュートのパワーが十分な場合) また、シュートでどれだけ力を入れても、その前のループ作りがうまくできていないとラインはうまく打ち出せません。 ◇ティップを横方向に移動させるだけでは、ラインはティップの下に垂れ下がり、ティップよりも高い位置にヘッドの重心を持ち上げることはできません。 ティップを下から上へ縦方向に振り上げることでループを上方向に投げて膨らませ、ヘッドの重心を上げることができます。 これがシューティングスペイの場合のループの特徴だと思います。 ◇ダブルハンドのキャスティング、シューティングスペイのキャスティングに限らず、すべてのフライキャスティングにおいては、 「ラインはロッドティップによって動かされる」ということがポイントになると思います。 例えば、「ロッドアクション」は「グリップの操作でティップがどう反応するかを表すこと」と言い換えられます。 「自分はラインをどうキャストしたいか」ということは「自分はロッドティップをどう動かしたいか」という意味になります。 したがって、いつもロッドティップを意識することが大事で、ロッドティップを自分の人差し指の指先のようにイメージするといいと思います。 ビギナーの頃は、自分の頭上3mのことは意識せず、目の前のグリップをどう動かすかに注意が集中してしまいますね。 ◇ところで、なぜスペイキャストではDループができるのでしょう?・・・ということを一度考えてみるとキャスティングにとても役立つと思います。 どうしてもオーバーヘッドキャストと同じように肩の上でロッドを立ててシュートしたいという欲求はありますが そのためにはヘッドがアンカー部から上昇と同時に自分側に横移動しなければならず、大きなパワーロスになります。 またターンオーバーが捩れてしまいます。 なるべくアンカーの真上でシュートを打ち出すのが効率的です。そのためにもロッドを傾けられる空手型シュートが合理的です。 折りたたみで下げたロッドの角度に対して水平対称な角度を基準にイメージするといいでしょう。 もちろん、実際はかなり自分寄りに横移動してキャストしますが、それはシュートの振り易さとパワーロスの妥協点ということになります。 ⑦フォロー まず、シュートしたらラインのホールドを離して下さい(^_^) シュルシュル〜とシューティングラインが全て伸びて、リールがギッと鳴れば完璧です。(^_^) シュートした後のラインシステムはシューティングラインがガイドの中を走るため、ラインとガイドの抵抗が少なくなるようにロッドの向きをラインの飛行方向に合わせます。 ロッドティップを軌道面の中で前方へ突き出すように、ロッド全体を送り込みます。 ただし、シュートの時にこの分も振ってしまうと振り過ぎになります。シュートはあくまでビシッと止めることがポイントです。 ターンオーバー性が落ちている場合(ターンオーバーしないなと思った場合)はシューティングラインにブレーキをかけて、逆ベクトルを作り出しターンオーバーさせます。 具体的には、ラインに対してロッドの角度をつけて抵抗を増やしたり、シューティングラインを掴むなどです。 ただし、これは調整手段であり、いつもこれをやってはいけません。 あくまでシュートまでのキャスティングパワーでキッチリとターンさせることを目指しましょう。 応用編? |
■動画 |
・・・といろいろ能書きをこいていますが、私のキャスティングはまだこんな程度です → 動画(近日撮影してアップ予定?) |
■最後に・・・ |
「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。」 by 宮本武蔵 ・・・鍛錬、・・・練習あるのみですね。(^_^;) |