イカナゴの不思議

まずは、黙って下の写真をご覧いただきたい。
思わず、「な、なんだーこれっ!?」とビックリされる方も多いのではないだろうか。

(写真:玉野海洋博物館にて2001年5月撮影)

この魚の名前は、「イカナゴ」。瀬戸内では春を呼ぶ魚として有名で、くぎ煮(佃煮)などにして食卓に上ることが多い。

まず簡単に、イカナゴの紹介をしておくと、分布は北海道以南の日本各地で、体長は成魚で15cmくらい。(北海道付近では25cmくらいになるものもいるらしい。)体は細長くイカナゴという名前は「糸のように長い小魚」からついたともいわれる。
場所によって、コウナゴ(幼魚)、オオナゴ(成魚)、カナギなどと呼ぶ地方もある。
瀬戸内海の生態系で見ると時期的にも、魚ヘンに春と書く「鰆(サワラ)」が外海から入り込んでくるときのエサになることが多い。一時は、獲れて獲れて仕方がない、とまで言われたイカナゴだが、近年、海砂の採取やダムの設置、山からの土砂の流失による環境の変化でその漁獲量は激減しているという。昨今よく指摘されることだが、海の環境悪化は山や川に起因する、ということがここにも当てはまるのだ。


(山陽新聞社発行 「瀬戸内の魚」2000年カレンダーより)

さて、このイカナゴ、昼間は中層を遊泳してプランクトンを食べているのだが、夜になると砂や砂礫の中に潜って生活する。また夏期には完全に砂の中に潜って、「冬眠」ならぬ「夏眠」をするという珍しい習性を持っている。
で、その様子が、上の写真というわけだ。

もう一度、写真をよ〜く見ていただきたい。
砂の中から頭だけを出して、まるで指宿の砂湯状態(笑)になっているものや、頭から砂の中に突き刺さっているものまで、その姿は実にさまざまでユニークだ。

2月になれば毎年、下津井から車でやってくる元気な「魚売りのおばちゃん」が新鮮なイカナゴを運んでくる。その日が今から待ち遠しい・・・。

2002.1.26

 
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