田舎暮らしのABC

1.田舎のイメージ

はじめに、いったい「田舎」とはどんなイメージだろうか?
これには2通りの解釈、つまり、よいイメージと悪いイメージがあるはずだ。

・よいイメージ。
自然環境が豊か、田んぼや畑がいっぱい、土地が広い(家が少ない)、近くに海・山・川など遊び場が多い、空気がうまい、親切で気さくな人々、ゆったりと流れる時間・・・など

・悪いイメージ。
とにかく不便(店・学校・通勤・病院・交通など)、仕事がない、給料が安い、人間関係が複雑(排他的・閉鎖的)、インフラが整っていない(何もかもが遅れている)など。

ざっと、こんなところではないだろうか。
しかし、貴重な時間を割いて、このページを読んでくれているあなたは、きっと頭の中で前者の方が後者より勝っているはずである(と勝手に解釈させていただく)。 あるいは今の暮らしに取り立てて不満はないけれど、田舎暮らしに多少なりとも興味を持ちはじめている方なのかもしれない。
そんな「田舎志向」とでもいう考え方は、世間一般的に言うと少数派なのかもしれない。しかしここ数年、田舎暮らしをしたいという人たちが着実に増えてきているのは事実なのだ。


2.田舎の定義?

では、それぞれが持っているイメージではなく「田舎」を一般的に文章で定義するといったいどんなところなのか?
というわけで早速、国語辞典を使って調べてみた・・・

●「田舎」(いなか)
(1)都会から離れた地方。在郷。在(ざい)。
(2)人家・人口が少なく辺鄙(へんぴ)な所。「ここは東京の—だ」
(3)本人の生まれ育った故郷・郷里。また、親や祖父母などの出身地。在所。「正月には—へ帰る」
(4)(他の語に付いて)粗野で、洗練されていないことを表す語。「—くさい」
【大辞林第二版より】


まず、(1)(2)を見るとかなりアバウトな表現である。どういうことかといえば、(1)は都会からどれくらい離れたところが田舎なのかがわからない。(2)は人口が少ないとは何万人以下ならそういえるのかがわからない。(4)にしても同様、尺度がわからないのである。それに対して、(3)は非常に明確だ。生まれ故郷というのは本人であれ、両親(祖父母)であれ1ヶ所しかないわけだから、それに該当する地は田舎といえる。ただ、都会生まれの人にとっては東京や大阪が「田舎」になる、という矛盾が生じてしまう。(笑)

結論を言うと、「田舎」という言葉はそもそもその人の主観に頼る部分が非常に大きい。つまり今まで暮らしてきた所、あるいは現在住んでいる所に比べて、本人が田舎と感じるかどうかで決まってしまうのである。私の場合もそれが当てはまる。今現在住んでいるのが倉敷市児島地区というところ。このホームページをはじめた当初、児島に暮らす人から「児島は田舎じゃないよ、一応倉敷市なんだから」とか「あんまり児島を田舎、田舎と言わないで欲しい。」などというお叱りを受けたものだ。しかし、大阪で生まれ育った私自身から見れば、児島は十分田舎ということになる。(失礼) またお叱りのメールが来ると困るので一応断っておくが、これはあくまでも私個人の主観ということでご理解いただきたい。


3.私が田舎暮らしを始めた理由

どうして私が田舎暮らしを始めたか?自分なりに年代順のキーワードで振り返ってみることにする。
まず10代のキーワードは、「旅」
プロフィールにも書いているのだが、私は10代半ばの頃からずっと、日本全国旅をしてさまざまな土地を歩き、そこに暮らす人々と接してきた。今思えば、知らず知らずのうちに旅先で見た田舎の風景や人情に惹かれていったのかもしれない。

そして20代のキーワードは「食」
ここに引っ越してくるまでの約10年間、いわゆるフードビジネス業界で働いていた。そこで使う食材の大部分は、虫食い一つない旬を無視した野菜、保存料や着色料、香料、化学調味料が当たり前のように使われている調味料や食材・・・。そういった食材で作った料理を出すことに疑問を抱きかけていた頃、ふと出会った本が、有吉佐和子さんの「複合汚染」。この1冊の本をきっかけに食の安全性と本物の食を意識するようになった。それから何十冊も本を読んでは、食・農・環境のことを自分なりに考えたものだ。将来は自分で野菜を作り半自給自足の暮らしがしてみたい・・・と思い始めたのもこの頃だ。

最後に、30代のキーワードは「子供」
自分が父親になって、子供の時代に一番大切なものは何だろう?と考えた。それは身近にある自然と、都会ではなかなか得ることの難しくなった知恵、ではないだろうか。具体的には海・山・川で草木や生き物たちに触れ、畑や田んぼで学ぶこと。そして、暮らしの中で昔ながらのさまざまな知恵を身に付けること。子供の思考や行動の根底にはこういった経験があって欲しいと思うのは私だけだろうか?


4.家族や周囲の理解を得よう!

まずは家族で話し合う(もちろん子供にもそっと尋ねてみよう)。私の場合、幸いカミさんが田舎育ちだったので(笑)理解に時間を要しなかったのだが、長年連れ添った奥さんが都会の便利さ・快適さに慣れきっていて何の不自由も感じていないケースや、今の生活(所得や生活レベル)を崩されるのは絶対にイヤだといったケースもあるだろう。そんな時は、真っ向から真剣に自分の考えを伝えることよりもむしろ、田舎の(あるいは自然の)楽しさを少しずつ共有しあう期間を持った方がスムーズにいく。例えばいっしょに山歩きやキャンプに出かけてみたり、野菜やハーブの収穫や、手作りクラフトなどで日常味わえない楽しさを教えてあげよう。これでもダメなら、自然派の、あるいは旅好きの主人や奥さんがいるペンションや宿を探し旅行に連れて行く。そして彼らの口から田舎暮らしの楽しさを(もちろん苦労話も多少・・・)大いに語ってもらう(笑)。 
旦那に言われるより第三者に言われると受け取り方も違ってくるものだ。何度かそんな経験をさせてあげてから時間が経たないうちに、同意を求めるようにして切り出してみてはいかがだろうか。
次は、仲のよい友人や仕事場で話がわかりそうな人達にそれとなく相談する。これは、意外にすんなり賛成してくれるはずだ。
最後に親。これは繰り返し説得あるのみ。感情に走らず喧嘩になりそうになってもそこはグッと堪えて・・・。遠くに行っても連絡や付き合いを欠かさずコミュニケーションが取れれば、真の意味での子供の自立に反対する親は少ないはず。ただ親が病気がちだったり、どちらかが亡くなっている、あるいは親類兄弟が近くにいないといった場合には、やはり同居という選択肢も考えておこう。




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