2007/11/20 更新
リーダーレス(ティペット直結)ラインシステムの説明(特にシンキングの場合) ■効果(これが目的) ティペット直結ラインシステムの第一のメリットは、最後までリトリーブできることです。 一般的に手返しのし易さから、リーダーリンクがトップガイドにきたところでリトリーブを止めますが、リーダーを使用していると、 リーダーの長さだけリトリーブが短くなります。小さな池ではこの長さは少なからず釣果に影響します。 ルアーがリトリーブの最後でヒットすることが圧倒的に多いことを考えると、この差は重要です。 第二のメリットはフライライン終端とフライの間を、まるで無関係のように演出できることです。 管理釣り場のように回遊せず定位している魚が多い場合、魚の視界内を、ラインシステムが、 フライライン→リーダー→ティペットの順に通過し、最後にフライを認識します。 フライライン終端とフライの間で、リーダーは「連続」「延長」を暗示して、ラインシステムの存在を見切られる大きな要因となります。 リーダーを使用せず、ラインにティペットを直結することで、この「連続」を断ち切るシステムが有効と考えられます。(たぶん、きっと。) ■問題点 リーダーレスの問題点は、当然ターンオーバー性が低下することです。 フライラインのキャスティングパワーの伝達メカニズムから考えると、パワーを伝達するラインの断面積が、フライライン終端で 急激に 変化するため、滑らかな伝達が行われず、ターンオーバー性が著しく低下します。 また、ターンオーバーしないと、フライはフライラインの延長上の点ではなく、ティペットの乱れた形のまま着水するため、 着水直後のアタックには合わせられない不具合もあります。 ■そこで対策 結論から言えば、リーダーレスでもターンオーバーさせることはできると思います。 まず、ターンオーバーのメカニズムから解析すると、・・・ ターンオーバーはプレゼンテーションのフォワードキャストのポーズの後、停止したロッド側フライラインと、飛行し続けようとするフライ側フライラインの相対関係、 すなわち、ループ先端をはさんで対向する逆向きのベクトルによって生まれます。 ここでキャスティングパワーが不十分な場合や、長いティペット、短くなったリーダー、リーダーレス、大きめのフライ使用等の、 必然的にターンオーバー性が低いシステムでは、このターンオーバーのパワー不足を補う必要があります。 ノーマルライン、シューティングラインいずれも、プレゼンテーション(シュート)によって、ライン全体がループを解きながら前方へ飛び出します。 ラインハンドに残っているラインも送り出されます。 この時に、本来(パワーが十分なとき)ターンオーバーするタイミングの直前で、ラインハンドでラインをつかみ、軽く手前に引きます。 この言わば"ターンオーバーのためのホール"の操作により、ループを先頭に飛行する上下のラインのうち、ロッド側(下側)のラインが引き戻されます。 その結果、再び逆向きのベクトル差が生まれ、ターンオーバーさせることが可能となります。 リーダーレスの条件ではダブルホールに次ぐ、この"第3のホール"が有効となります。 なお、このホールにおいては、強く引き過ぎるとオーバーターンとなり、フライが水面にたたきつけられるように着水するので、 軽くブレーキをかける感じ程度にすることが必要です。 また、(無意識に使用されるていますが)一般的なテクニックとして、シュート後すばやくロッドを下げることでラインを着水させ、 ロッド側ラインの飛行にブレーキをかけるキャスト方法も、ターンオーバー性改善のための上記メカニズムに通ずるものと云えます。 ターンオーバーの乱れは、一般的にライントラブルの要因ですが、ラインシステムの1要素としてのリーダーがないため、 意外にトラブルは少なく、あまり短所にはなりません。 ■波及効果 リーダーを使わないのなら、リーダーリンクを使う必要もありません。 参考: リーダーとラインの接続 また、糸よれ、ティペットのねじれ防止には、より戻し(サルカン、ローリングスイベル)を使用するのもいいでしょう。 ライン先端に付けます。ただし、重さと色に注意、極力小さく黒いものを選ぶこと。 ●接着剤で固定後、熱収縮チューブでカバー ティペットを交換する際、金属なのでラインカッターをラフに当てても、OKなのが気楽です。 より戻しを使うか使わないかは別として、フライのチエックを兼ねて、時々はフライを水から揚げてティペットのねじれをとりましょう。 |