■ キャスティング 


 いよいよキャスティングですが、その前に、

  タックルの再確認

  1. ロッド
    ロッドはシングルハンドロッド。  ※私の場合 #5または#6の9ft
    少し長めがいいですが、いつも使っているロッド、普段の(自分の身長やキャスティング感覚に合った)長さでも問題ありません。
    アクションもお好みです。シューティング系ロッドである必要はありません。
    ただし、フェルール(繋ぎ)にビニルテープを巻きましょう。これを怠ると最悪の場合、ロッドが折れます。

  2. ライン(シューティングヘッド)  ※私の場合 フローティング
    ランニングライン側に重量が集中しているバランスのヘッドがいいです。→第3章参照
    なお、私は基本的にヘッドの長さは<身長+ロッド>を基準に決定できるのではないかと考えています。→後述ステップ3参照。

  3. ランニングライン ※私の場合 フローティング
    ブレイデッド、モノコア、モノフィラ、これもお好みです。飛ばそうと思えば細くて軽いもの。巻き癖が気になる場合は、少し太くて張りのあるものを。

    例1: 
フローティングモノコア020

    例2: 
バリバス バーマックス磯(フロートタイプ) 8号

   またヘッドの接続もループでもスプライスでもどちらでもいいです。  参考:
私の接続方法

  4. リーダー、ティペット
    特別に、このシステム用というものはありません。 

  5. フライ
    ※私の場合、基本的にBFフライですけど(^_^)

  というわけで、ラインシステムを1本追加するだけで、普段のシングルハンドロッドで楽しめると思います。(^_^)



 第4章 エッセンス オブ シューティング・ターボ・スペイ・キャスティング 
(また、大げさだね〜)

 それでは、ステップ順に私のメモを説明します。あくまで個人的な意見であり、正しいキャスティング理論とかではありませんので、念のため(^_^)


 1.ロールキャストでヘッドを伸ばす

  ライン(ヘッド)を前の水面に伸ばします。
  これはキャスト準備の「引き寄せ」のために伸ばすので、キレイにロールアウトしなくても構いません。
  むしろ、完全にロールアウトしてラインが伸びると、そこで釣れてしまったりします(笑)
  ここではまた、オーバーハングをとる(ランニングラインをティップから出す)ために、ヘッドを出し切ります。
  ロールで全部出なければティップを振って出します。

    

  なぜ、ロールキャストするかというと、オーバーヘッドキャストできない場所でのキャストですから(^_^)
  練習でもオーバーヘッドでラインを出さないことを心がけましょう。


 2.オーバーハング長さを決める

  キャストの最後でホールしますので、ホールのストローク+α(余裕)の長さをオーバーハングとしてランニングラインを出します。
  ティップから80cm〜1m程度。

     

  ロッドハンドの高さよりも少し上の位置でランニングラインを持ち、シュートして離すまで同じ位置を持ち続けます。


 3.ヘッドを引き寄せる

  軌道面の底辺に。→第2章参照
  ロッドを高く上げて、ヘッドを引き寄せます。
  後の折りたたみ動作をすると少し手前に動くので、ヘッドの長さの1/2強が水面にある状態という長さでいいと思います。
  ・・・ということは、ヘッドの全長は、

  
      

   (これは例ですし、参考です。ヘッドの長さはキャストフィーリングの好みによると思います。)
 

 4.ヘッドを折りたたむ

  アンカー(ループの支点になる部分)の位置を決めつつ、少ない力でバックキャストできるようにするために、前面の水面にヘッドを折りたたみます。
  引き寄せの際に持ち上げたロッドを、自然に外側から前に降ろすと、逆「の」字になります。
  特別に意識して折りたたみの形を作る必要はありません。降ろす時にロッドグリップを下げると置きやすいです。



     


  
  ヘッドの位置は、降ろしたティップの真下よりも少し遠くになるように手を伸ばす感じ、または軽く放り投げる感じで置きます。
  これはピックアップの最初の始動からラインを張りロッドを曲げるためです。

 
 ↓2009/2/11 追記
  この時にロッドグリップは横にして、手の平側が上を向いた状態にするのがポイントです。
  後のピックアップからバックキャストで、そのままの向きでロッドを振っていくとラインの負荷がよくわかります。


 5.ピックアップする

  折りたたみと逆向きに水面のヘッドを剥がし(ピックアップ)ながら、バックキャストへ移行します。
  折りたたみの最初の部分は横向きなので、低く抜くと水面からの引き抜き抵抗が大きいため、


      

  一旦上へ持ち上げるイメージでスタートします。


    


  ピックアップの後半はヘッドの重量バランスをイメージして力加減して下さい。→第3章参照
  アンカーが水面に残っていることを見ながらキャストするといいと思います。

  ピックアップの補助としてダブルホールする場合はオーバーヘッドキャストのような強いホールをすると、
  アンカー(水面に残って抵抗となる最後の部分)がすっぽ抜けてしまいます。
  私はバックキャスト側のホールはあまり必要ないと考えていて、ホールは弱めまたはなしでも十分だと思います。


 6.バックキャスト〜フォワードキャスト

  横U字形に一気にロッドを回します。→第1章参照。
  ラインはティップに追従してDループになります。実際にはティップの動きの外側に膨れる感じになり、またロッドに負荷を与えるためには
  そうなる必要があります。
  
  この部分のキャストバリエーションとして、下から上に回しこむ横U字形を、斜め上に上げる横V字形に変形する(オーバーヘッドキャスト感覚の)キャストも
  あるようですが、角部(折り返し点)があると、ラインがティップを追い越してティップが無負荷になるタイミングができてしまいますので、
  最初は横U字形だけをイメージしてキャストした方がいいと思います。つまり、バックキャストとフォワードキャストが点で反転しないように。

  なお、バックスペース(背中から後ろの空間)は4〜5m必要になると思います。


 7.ホール(シュート)する

  ターボスペイはホールすることが最大のポイントです。ホール(シュート)がうまくいかないと、キャスト距離が伸びません。
  ロッドに負荷が掛ったままの方がホールしやすいので、バックキャスト始動からホールまでロッドを曲げ続けるように心がけましょう。

  オーバーヘッドキャストの習慣が残っていると、サイドスローになるスペイキャストではロッドが遠いのでシュートのストロークがやりにくいです。
  この対策として、ラインハンドをロッドハンドに追従させて移動し、オーバーヘッドキャストと同じ位置関係を維持すると効果的です。

    

  また少しロッドハンド側に体を傾けるとオーバーヘッドキャストとほぼ同じ感覚でホールできます。

    

  ティップが軌道面の中である状態でホール(シュート)します。
  振り降ろしてしまうとヘッドが失速しますので注意しましょう。→第2章参照

  私はホールには2通りのタイプがあると思います。
  ①短くピシッとバンチに効いたホール
  ②ストロークの長い加速する感じのホール  どちらにするかは個人の趣味だと思います。

  どちらにしろ、ラインの進行方向が決定してから力をかけることが重要であり、方向決定のために直進性の高い長めのロッドが有効になります。
  長めのロッドの方がティップの描く弧が大きく直線に近く、また直線部が長ければホールのパワーゾーンも長くなります。
  ・・・スペイのダブルハンドは「長いロッド」という見方もできると思います。


 8.ターンオーバー

  シュートしてしまえば基本的にはラインの飛行、着水を待つだけですが、シューティングヘッドはターンオーバーしにくいので、
  ターンオーバー性を向上させたい場合は、ランニングラインを再び掴んで少しブレーキをかけて、ターンオーバーのための逆ベクトルをつくります。
  または、ロッドティップを動かしてブレーキをかけてもいいと思います。


   


  ヘッドを飛ばそうと思えば、軽いランニングラインがいいわけですが、そうするとターンオーバー性が悪くなるのでライン選択が難しいところです。


 9.着水〜アタリ〜アワセ

  (フローティングのラインシステムで)ドライフライをキャストすると、着水と同時に魚のアタックがあることも多いです。
  シューティングヘッドシステムではランニングラインがどうしてもオーバーランするので、
  着水と同時にラインにテンションをつけてアワセるのが少し難しいですが、少なくとも心の準備はしておきましょう(^_^)

  オーバーヘッドでアワセてバレた場合には後方にヘッドが飛びますから、ロッドを強く振り上げてアワセないように注意しましょう。


 10.取り込み

  シューティングシステムでは取り込みの際、ヘッドとランニングのジョイントがロッドガイドを通過する時に引っかからないように接続を工夫しておきましょう。
  熱収縮チューブの使用、ランニングとヘッドの間に中間の太さのライン(古いラインの短い切れ端)を入れて段差が少なくするなどの工夫があります。
  ヘッドを交換したい場合はループトゥループも便利ですが、ガイドでの抵抗は大きくなります。


 11.打ち返し

   魚をリリースしたら、ティップを振ってヘッドを再び出し、1.ロールキャストのステップに戻ります。



 ・・・脱線して能書きばかり言っていると怒られそうなので、キャスティング手順をまとめました(^_^;)


 新しいキャスティングを習得できるのは楽しいですが、釣り場でキャスティングの練習をするのは精神力が必要です
 釣りをせずに、魚を無視して練習しなければ効率的に時間が使えません。

 ライズの嵐の中、ハリを付けずにキャストを繰り返したり。
 向かい風の強風の中、何度もラインを押し戻されたり。
 ロッドのつなぎが回転してしまい、強い締め力でフェルールが抜けなくなりロッドを1本ダメにしてしまいました。

 なんとか短期間でシュートまで到達でき、そこそこのキャスト距離がでるようになりました。
 しかもこうして練習と同時にコンテンツを制作してみました。
 ・・・最近釣行記もサボッテいる私としては「よくガンバリました」というところです。

 これからさらに練習してわかったことをコンテンツで修正すると思いますので、予めご了解下さい。(^_^;)


  ひとまず、完。

 ◆SPECIAL THANKS

 このコンテンツは下記の皆さんのご協力をいただき作成しました。本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。

 キャスティング指導 /
yossy.Kさん

 映像資料、情報提供/
ビッチーさん
 情報交換/
川越水上公園"波プ"オールスターズの皆さん(^_^)
 ラインシステムに関するアドバイス /
「フィッシング・ショップ・レインボー」 さん (埼玉県新座市) Flyshop Online



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