金八先生マニアックス

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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第1シリーズ 16話 「入試十日前心得」

夜中だというのに、金八(武田鉄矢)の元へ生徒たちから次々と電話が掛かってくる。みな受験が近づき不安で眠れないというのだ。翌日、学校では模擬面接が行われる。B組の生徒は自由奔放な受け答えが多く、国井先生(茅島成美)に「3年B組は酷すぎる」と言われてしまう。

教室に戻った金八は「お説教をしてやる」と言って受験に臨む上でのアドバイスを贈り、生徒たちの鬱々とした気分を晴らそうと街へ連れ出す。

途中で出会った浅井雪乃(杉田かおる)に「頑張れ頑張れ雪乃」とエールを贈る生徒たち。荒川の土手に座り金八のスケールの大きい話を聞くと、みな清々しい気分になるのだった。

80年2月8日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 生野慈朗

視聴率: 24.9%

DVD: 第6巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 「彼も人なり、我も人なり」がここで初登場。「元気が出る課外授業」もこの回ですね。
○ 最初の電話のシーンからいきなり面白かった。
● 次々に電話がかかってくるんですよね。梶浦がギター弾いて聴かせたりして。
○ 金八先生、最初は「はい、池内でございます」と応対していたのに、あんまりひっきりなしに続くものだから、だんだん「お前は誰だ!」になって、ついには「はい、坂本です」と出るようになった。
● 可笑しいですよね。翌朝の醜態にも笑いましたよ。湯のみ1杯の熱燗で、ああもグデングデンになっていたなんて。
○ 金八も作業疲れしていたところに酒が入ったから、効いたんだねぇ。雪乃もビックリ。
● 模擬面接でも、B組の生徒はやっぱり期待に応えてくれましたよね。作法がなってない清、しゃべりまくる正枝、もっとしゃべり倒す美智子。
○ そして過緊張から一転して大胆に拳法の型を披露する弥市ね。ひどいクラスだ(笑)。教頭が怒るのも無理はない。
● 安恵美智子役は小林聡美さんですよね。お調子者役をすごく自然に演じていて好きだなぁ。もっとクローズアップされる回があってもよかったと思うんですが。
○ そのことは武田さんも仰っていたよ。出番が少なくて勿体無かったと。
● あまりにもみんな礼儀がなっていないということで、金八先生がお説教をするんですよね。この時期にはもう金八先生は自信満々で、「金八和尚がありがたいお説教をしてやるから心して聞くように」」なんて言うんですよ。
○ その割には「言葉使いを直す」「早く寝る」程度のことしか言っていないという(笑)。でもまぁ「諸先生方も怒っていらっしゃったぞ、真面目にやりなさい!」というような言い方をしないところがいい。
● 「達観」を強調していました。ここまできたらメンタル面の失敗が一番恐いですからね。実力を100%出せるようにしようということでしょう。
○ そして「彼も人なり、我も人なり」と教えるんだよね。名言登場。あいつにできることが自分に出来ないわけはない、という。出典は韓愈(唐後半期の文学者)らしい。
● 国語の先生らしい引き方ですね。というかこの時、国語の授業なんです。それでちょっとみんなで外の空気を吸おうと「元気が出る課外授業」へ出かけるんです。
○ 気分転換という意味と、校舎という仕切られた屋根の下から広々とした屋外へ出ることで、人間たるものもっと視野を大きくとるべきだというスケールの大きさが感じられる。最後は荒川の空撮だしね。名シーンだよね。
● 清が、いつの間にか途中から犬を連れてるんですよ。
○ (放送を見直す)あっ、本当だ。跨線橋のシーンでは犬はいないのに、看板を英訳するシーンではいる。この間に何かあったみたいだね。よく気づくなぁ。
● 雪乃を励ます3Bの面々…というシーンも感動的です。
○ 雪乃は受験こそしないけれど、もうすぐ出産を控えるという意味ではクラスメイトと変わらず試練に挑もうとしている。その雪乃を励ますということは、生徒たちに他人を励ます心の余裕が生まれたということだよね。効果てきめんの課外授業だった。
● 大森巡査はこの課外授業が歴代で一番心に残ったシーンだと振り返っています。
○ 大森さんが金八の説教を聞けたのはこの一回きりだからね。
● ホント、見ているこちらまで清々しい気分になりました。
○ 数学の授業ができなかった乾先生には迷惑だっただろうけどね。

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