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◆ 第3シリーズ 6話 「先公なんか信じない!」
数学の時間、田原先生(室井滋)は野本今日子(林佳子)の高価なネックレスを校則違反だとして没収する。父親からの大切なプレゼントだからと抵抗する今日子に、山田裕子(浦明子)が「その素敵なパパは昨日私のお尻を撫でたんだ」と罵声を浴びせ、教室は騒然となる。その夜、金八(武田鉄矢)が裕子の家を訪ねると、へべれけになった父親の太吉(前田吟)がいるばかり。母親はずいぶん前に家を出て行き、裕子は日銭を稼ぐため学校に内緒で毎晩遅くまでアルバイトをしているのだった。
ある夜、裕子父娘が自宅で掴み合いの大喧嘩をし、近所の人が集まる騒ぎになる。太吉が裕子の卒業アルバムのお金に手をつけたのが原因だった。病院に運ばれた太吉はアル中と診断され、健康が回復するまで入院することに。しかし金八が着替えを届けに行った頃には病室を抜け出し、自宅で酒をあおっていた。金八は病院費用をひとりで支払った裕子がよからぬ手段でお金を稼いでいるのではと心配し、その出所を尋ねるが、鼻で笑われたうえ「先公なんてもの信用してねえんだ」と言い放たれてしまう。
金八はアルバイト先で直接話を聞くしかないと判断、目星をつけた小料理屋へ乗り込む。すると女将は色気で売る店ではないと弁明、真面目だった太吉が他所のあおりで工場を倒産させて以来人変わりしたこと、裕子が自分の意思で太吉のもとに残ったことなどを話し裕子をかばう。しかし話が学校不要となると金八は反論。今後もし裕子が他に進みたい道を見つけた場合、学校に行っていなければ不利になる、と熱弁をふるうと、女将はその熱心さに感心するのだった。
翌日、金八は裕子に対し「お前がかばい続ける限り、お父さんは立ち直ることができない」と一喝。裕子はしぶしぶ生活保護申請の相談に向かったものの、それ以上金八が深入りすることを拒否する。「親父があんなことになったのは他人を信用しすぎたからだ。私は絶対にその手は食わない」と吐き捨てるのだった。
- みどころ談義
- ● んー、久しぶりに第1、第2シリーズの雰囲気がある熱いストーリーでした。
- ○ 第1話からずっとツッパった雰囲気を醸し出していた山田裕子が、ようやくここでフィーチャーされたね。
- ● 誰とも打ち解けようとせず、とげとげしいところのある裕子なんですが、本当は辛い中一生懸命働いている、父親思いのいい子だという。
- ○ 私服が常にGジャンとGパンという1着きりでさ、よく頑張ってるよなぁ。
- ● 酒におぼれる父親を口では邪険にするんですけど、余ったお酒を貰ってきてやったりするんですよね。
- ○ でも金八先生はそれが甘やかしなんだと容赦なく言うんだよ。金八先生久しぶりに全力で吠えたよなぁ。素直にならない裕子に、「だったらなんでお母さんと一緒に逃げなかった!」。
- ● 並のエピソードならこれで改心して落着するんですけどね。それでも金八に寄り掛からなかったところをみると、裕子の心には根深いものがありそうです。
- ○ 今作でははじめてラストで解決しなかったケースってことになるね。
- ● そうですね。金八先生が悩むシーンを最後に、次回に続きました。
- ○ 第1シリーズでは「十五歳の母」、「第2シリーズでは腐ったみかんの方程式」が全編を通じた大きな柱になってたけど、今度はこの裕子の話が軸になっていくわけだ。
- ● そういえばこの回、金八先生が里美先生のことをいろいろと例えて褒めることが多くて笑っちゃいました。
- ○ あったねぇ。ナイチンゲールと言ってみたり、菩薩と言ってみたり。
- ● アドリブっぽく「ヴィヴィアン・リーに似てる」と言ったシーンもありましたよ(笑)。
- ○ 映画「風とともに去りぬ」の主演女優さんだね。アカデミー賞の主演女優賞を獲った人だよ。
- ● 里美先生はこの作品のラストシーンから「明日は明日の日が昇る」という言葉を借りて金八先生を励ますんです。子どもをある方向へ導くという大変な仕事ですから、そう思って心を強く持たないとやっていけないのかも…。
- ○ でもさ、アマゾネスは「久々に取り組み甲斐のある子でうれしいくせに」とも言っていたよ。今後起こるドラマに期待していきたいね。
- ○ 第1話からずっとツッパった雰囲気を醸し出していた山田裕子が、ようやくここでフィーチャーされたね。
- 小ネタ/周辺状況
- ◆ 冒頭、金八にビックリさせられ、翌朝そっくりそのまま仕返しをするお茶目な大森巡査。
- ◆ 今日子は、父親が「野本商事」を経営しているお嬢様。父は町会の役員も務めている。
- ◆ 裕子がアルバイトをしている小料理屋の名前は「ぼたん」。
- ◆ 裕子父娘が住んでいるアパートの名前は「第二柳原荘」。
- ◆ 暴れる太吉を思わず柔道技で投げ飛ばしてしまった金八。昔取った杵柄。
- ◆ 里美は冷蔵庫の中にへそくりを隠している。
- ◆ 今日子は、父親が「野本商事」を経営しているお嬢様。父は町会の役員も務めている。
- 参考文献/挿入歌/BGM
- ◇ 【音楽】 恋する蝶ちょ (五月みどり)
- ◇ 【映画】 風とともに去りぬ
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- ◇ 【映画】 風とともに去りぬ