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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


◆ 第5シリーズ 4話 「僕のエッチな過去」

一学期の末、市村篤(内田祐介)に不運な事件が起きていた。プールの授業の移動中に、平吹有里子(金井愛砂美)のブラジャーを手に取ったところを兼末健次郎(風間俊介)に見つかってしまったのだ。それ以来、弱みを握られた篤は健次郎の言いなりにならざるを得ず、葬式花を届けさせられることになったのだ。

大森巡査(鈴木正幸)は夜の巡回で、息を荒げながら路地を走る異様な男を発見、追跡するも見失う。その男は兼末邸の二階の一番奥、汚れ放題の部屋へと帰っていく。どうやら健次郎や母親もまたその男の言いなりになっているらしく、顔色を窺いながら日々を恐々と送っているようである。

朝のHR中に、入船力也(西原幸男)は持参したガラス代11万円が入った封筒を落としてしまう。健次郎が抜け目なく拾い黙っているのだが、力也はそれに気づかずなくしたと思い込みパニックを起こす。健次郎はそれを尻目に子分の深川明彦(亀梨和也)らに封筒を渡し、頃合をみて見つけた演技をするよう指示してほくそ笑む。

その日の数学の時間、お喋りを止めようとしない太田アスミ(森下加奈)と落合加奈恵(中島由香里)は乾先生(森田順平)から席を離れるよう命じられるが、二人はそれを無視して教室を出て行ってしまう。また、理科の実験用具に落書きしてしまったデラ(香川佑太朗)が遠藤先生(山崎銀之丞)に「漢字一つ書けないで」とバカにされると、金八は「卒業までに名前を漢字で書けるようにする」と約束する。

放課後、健次郎は花子先生(小西美帆)に例のブラジャーを見せ、花子先生から持ち主に返して欲しいと頼む。お気に入りのブラジャーが手元に戻ると有里子は一瞬喜びの表情を見せるが、男子が肌身離さず持っていたかもしれないと気づくとショックを受けその場から走り去ってしまう。

金八(武田鉄矢)は不登校を続ける篤のもとへ本と手紙を送る。中学生がある事件の真相に一人で立ち向かった本で、「君自身の問題も、なぜこんなことが起きたのか、この本と同じように考えてみないか」というのだった。

有里子は翌日学校を欠席する。責任を感じた花子が金八と話し合っていると、そこへ健次郎が顔を出す。健次郎は自分が花子に頼んだのだと白状しつつ、口を滑らせたふりをしてブラジャーは誰かが盗んだものだと事実を捏造。事を大きくしようとし、金八の対応を窺うのだった。

99年11月4日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 福澤克雄

視聴率: 15.3%

DVD: 第2巻

小説本: 第15集

参考文献・挿入歌

 みどころ&勝手な解説
● 健次郎が篤の弱みを握っているその理由が明らかになるんですが、ブラの臭いを嗅いでいるところを目撃され…って。一番見られちゃいけないところじゃないですか。篤は迂闊でしたね。
○ それを見逃さず脅しを掛ける健次郎もつくづく悪質だよなぁ。有里子のブラにしてもここにきてわざともう一度持ち出して篤を不登校にさせてるでしょ。
● どうして皆を陥れるような真似をするんでしょう…?
○ でもその一方で兼末家に異様な人間の影があって、健次郎もまた何かに怯えている立場であるようだ、という新たな事実が明らかになって。
● あれ、びっくりしましたね。あまりにも唐突な展開で。やたら汚らしいおデブちゃんという印象でしたけど、家族の誰かなんですかねぇ?
○ そういうことになりそうだよなぁ。家庭環境からくるストレスが健次郎を卑劣な行為に走らせる、と。そういう流れになりそうな感じがするね。気になったのは北先生が職員室で「健次郎の兄貴は東大に現役合格した」と言ってたこと。そんな家の雰囲気じゃなかったから。
● いやぁ、それにしても今回は、その他にも出来事が多すぎましたよ。力也の「返せよ金!」のセリフがやけにリアルだったガラス代紛失事件でしょ。それからアスミと加奈恵が授業中に二人で出て行ってしまったということもありました。
○ 金八が「卒業までに、デラが自分の名前を漢字で書けるようにします!」なんて約束するシーンもあったよね。
● あっ! ブラとデラって字面が似てますよ。
○ こらこら(笑)。何を言い出すのかと思ったら、何だよそれ。
● これが意外に重要なポイントに…なるわけないか(笑)。えーと…コホン。次回からおそらく文化祭ネタなので、それまでに提示するところはまず提示しとかないと、てな感じでこのようにギュウギュウ詰めになったのではないかと。
○ うん。兼末家のあの薄気味悪い男の正体は何だろうとか部分的に興味をそそられるところは大いにあったけれど、全体的に詰め込み過剰だなという思いがちょっとしちゃって、話にイマイチ夢中になれなかった気がする。
● かと思えば、金八先生が篤に送った本のところではだいぶ時間を割いて丁寧な説明がありましたけど、あれは…。
○ あぁ、持つべき大切な意識について伝えようとしてるんだろうけど、うーん…違和感があったよね。ドラマをフィクションとして楽しんでるのに不意に現実に引き戻される気がどうしてもしてしまうから。現実のあまりにも具体的すぎる事例とリンクさせるのは、うん、ちょっと好きじゃないな。
● それで本筋が駆け足になってしまうのは、どう考えても変ですもんね。
○ まぁそもそも今回はイントロダクションが多い回だったと思うから、次回に期待ということで。
 小ネタ/周辺状況拾い読み
◆デラの答案はイラストだらけ!
◆金八の吸うタバコの銘柄はセブンスター。
◆金八が竜馬の写真に向かって語りかける、懐かしのシーンあり。
◆ケンカする力也と三郎に対して金八が「ここはサファリパークか?」の後に言った「ホントにホントにライオンか?お前らは」の部分は、アドリブだったかもしれない。そのセリフを聞いた力也が笑っちゃっているので。
 この回の参考文献
◇ 四人はなぜ死んだのか—インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」 (三好万季著、文藝春秋)
◇ 日本の苗字読み解き事典—先祖を知り歴史を知る (丹羽基二著、柏書房)
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