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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


◆ 第5シリーズ 14話 「入試前は恋の季節」

塩沢好太(森雄介)はなおもつきまとう落合加奈恵(中島由香里)に困惑していた。相談を受けた金八(武田鉄矢)は加奈恵を呼び出し忠告するが、思い込みが激しくなかなか聞き入れてくれない。本田先生(高畑淳子)が「離れて心で祈る愛し方が加奈恵に合っている」と言いきかせ、金八が鳩のエサやりに例えて噛み砕いて教えると、加奈恵はようやく納得する。

また、遠藤先生(山崎銀之丞)が乙女(星野真里)と小田切先生(深江卓次)の仲を勘違いしたことに端を発し、乙女の希望進路が看護婦から小学校の教員に変わったことが判明。仕事の厳しさを知る金八が猛反対すると、勝ち気な乙女はそれを上回る猛反論を見せ、ついに「今後一切プライベートに踏み込まないで下さい」と金八に言い放つ。

一方、兼末健次郎(風間俊介)はクラスから孤立し、心の傷は限界に近づいていた。花子先生(小西美帆)を待ってひとり教室に残っていた放課後、忘れ物を取りに戻ってきた安井ちはる(岡あゆみ)が「まだいたの?」と何気なく声を掛けると突然激昂。ちはるをウザったいと罵り大暴れし、教室をめちゃめちゃにして飛び出してゆく。心配する花子を「もういいです。さようなら」と振り切った健次郎は、やり場のない苦悩を校庭で絶叫するのだった。

金八は健次郎を呼び出し、ちはるの言った「人は辛い時、弱いものに当たる」という言葉を踏まえ、どんな辛いことがあったのかと尋ねる。はじめは黙っていた健次郎だが、「決して一人で思い詰めるな」と優しい声を掛けられると心に響いたような表情を見せる。翌日は都立高校の推薦入試日。会場へ向かう生徒たちの中に、健次郎の姿もあった。

00年1月27日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 今井夏木

視聴率: 17.9%

DVD: 第5巻

 みどころ&勝手な解説
● 笑えるシーンあり、グッと深刻なシーンあり、まあ忙しい回でした。
○ 前半はコミカルさを強調している感じがあったね。ストーカーのマインドを持つ加奈恵に「コココ好太〜」って、金八のエキセントリックな説明は最高だった。隣の本田先生も笑っちゃってたくらいだし。
● 金八先生とデラが「はい」とシンクロ返事する場面とか、ヒノケイのボディ・ランゲージとか、和やかな雰囲気を演出しようという意図を感じましたね。
○ それから、進路を教職に変更した乙女と、それに反対する金八の言い合い。これもまたよかったよね〜。はじめは「夜遅いんだから騒がないで」なんて言ってた乙女がいつの間にかスゴイ剣幕になっちゃって。金八も驚いてたけど、乙女の弁の立つこと!
● マシンガンのように止まらないんですよね。親離れの意識が強くなってきた表れでもあって。でも、いつも明るい乙女ちゃんがあんな思いを溜め込んでいたなんて意外でした。
○ そうだよなぁ。そういう悩みを吐き出せる環境があるというのはホント大事だってことだよ。健次郎はその全く逆で、悩みを吐き出せないままついに耐え切れなくなっちゃったんだんだから。
● その健次郎の悲しみの暴走で後半は一転して深刻な雰囲気になるわけですけど、ついに決壊しちゃいましたね。前回の感想で「家庭の鬱積を吐き出せる唯一の場所だった学校でも居場所がなくなって、健次郎はどうなるんだ」というようなことを言ったと思うんですけど、弱いちはるに当たって、好きだった花子先生にも「もういいです。さようなら」って…。
○ 「思」にツノと尻尾が生えて「鬼」になるという金八先生の解釈、これがものの見事に健次郎の状況に当てはまるということだよね。
● でもちょっと話の腰を折るようで恐縮なんですけどね、健次郎が暴れたシーンで、ちはるちゃんがまた天然の魔性ぶりを発揮したのを僕は見逃せません。幸作を電話で呼び出しておきながら、泣きつくでもなく「内緒にしてて」はないですよねぇ。幸作をまた悩ませる。
○ あはは。確かにそうだ。でもさ、もしちはるちゃんが幸作を呼び出してなかったら、健次郎が教室で暴れた話は幸作から金八先生へ伝わらなかったんだから、健次郎を保健室に呼んで悩みを話させることに繋がらなかったかもしれないよ。
● なるほど…魔性ぶりもあれはあれで話に貢献してるのか。
○ 幸作にとってはまた「女って残酷」な出来事だったかもしれないけどね。
 小ネタ/周辺状況拾い読み
◆篤のモジャモジャ頭に鉛筆が刺さっているのを発見! 見直したところ、かなり以前の回から何かしらのペン類を刺している模様。
◆小田切先生が面接対策にと英語のみで授業を進める。小田切の授業シーンが見られるのは貴重だ。
◆デラ、将棋の学校に行きたいと言い出す。
◆今回の金八漢字講座は…「一人で思い詰めると、思という字にツノが生えて尻尾が出てくる(鬼という字になる)」と言って健次郎を諭したシーン。また、乙女へアドバイスしてくれた小田切先生を捕まえ、「親切とは親を切ると書く。行き過ぎた親切はご遠慮願いたい」と小言をいうシーンもあった。
◆センターのお年寄りに感化された3B、自発的に折鶴を折りだした!
 他のシリーズでは
■池内先生
…冒頭、調査書を作成する金八が「池内先生の嘆きを思い出しますねぇ」と言っているが、池内は第1、第2シリーズに登場した家庭科の先生で、調査書の書き方ひとつで生徒の一生を左右するかもしれないと頭を痛めノイローゼ気味になったことがある。地域協議会のシーンや金八宅の新年会のシーンで今作にも登場している人。

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