貢が働く見せ物小屋市松座で爆破事件が発生、子供が１人被害にあった。貢は不審者として役人に捕らえられるが、高野長英門下で蘭学を志したかつての学友である講武所助教須貝内記の根回しで無事釈放される。
須貝は貢を講武所に取り立てようとする。須貝に案内されて講武所を訪れた貢は、火薬製造室に通されて例の爆破事件が須貝の指図によるものと知った。須貝は開国を迫るアメリカに対抗しうる兵器を作り上げるための些細な犠牲に過ぎないと貢に告げた。
糸井夫婦の知り合い与之吉が父弥三郎の罪を肩代わりして寄場に送られることになった。ところが与之吉をはじめとする囚人たちが送られた先は講武所の射撃訓練場だった。須貝が人間を標的にした大砲の発射実験を行うのに協力するため、北町同心岩井十蔵が囚人を須貝に売ったのだ。その囚人の中には、インチキ商売の現場を押さえられ逮捕されていた半次もいた。
囚人たちの悲痛な叫びに聞く耳を持つ者は講武所の中にはおらず、大砲が囚人めがけて発射される。多くの人の命が一瞬にして奪われた。半次だけがなんとか一命を取り留める。
与之吉の死を知った彼の許嫁おつゆは、あやに作ってもらった花嫁衣装を持って闇の中へ消えていった。弥三郎の依頼を受けて仕留人が殺しに乗り出す。
その夜、貢は水商売に身をやつしたおつゆの姿を目撃する。なんともやり切れない表情でその場を立ち去る貢であった。

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