貢は高野長英門下時代の同輩新島欣吾と再会する。新島は貢に50両あれば異国へ行ける算段がつくと言い、自分もオランダへ行こうと考えていた。それに誘われ貢も仕留人から足を洗いオランダへの渡航を検討する。
主水は貢の足抜けを認め、渡航資金50両を餞別にと考える。かねてから主水は廻船問屋三州屋に抜け荷の疑いで目を付けていて、その三州屋から目こぼし料を強請ることで渡航資金を稼ごうとした。大吉とおきんに反対され一人だけで三州屋を探ることになった主水は、三州屋の配下に捕らえられ三州屋邸内の井戸に放り込まれてしまう。
50両の捻出に難儀していた新島のため、妻の八重は売春に身を染める覚悟を固めた。質屋の番頭善助の仲立ちで八重はさる大店の旦那に身を売り50両を調達する。八重を抱いたのは三州屋の主人隆右衛門だった。
八重から50両を手渡された新島は、その金を持って三州屋隆右衛門の元へ駆けつける。三州屋こそが海外渡航の手引きをしていたのだ。新島が50両を三州屋に渡したことで、三州屋は買春行為の代金をそっくりそのまま回収する。
いよいよオランダへ旅立つことになった新島のあとを尾行した八重と貢は、国抜けの現行犯として北町与力大門弥三郎に斬られる新島の最期と、海外渡航の手引きとは名ばかりで実は異国行きを願う者から大金をせしめる三州屋の真の正体を目撃する。
失意の中自ら命を絶つ八重。彼女から頼み料を託された貢は大吉と共に三州屋へ乗り込む。大吉によって井戸から救い出された主水も合流し、仕留人が新島夫婦の恨みを晴らす。

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