江戸の町に盗賊一味が出現し、被害は増えるばかり。
盗賊を警戒し見回りをしていた南町同心北出角之進は、その最中に一人の女性を助けた。
しかしその間に、北出の巡回コース上にある成田屋の土蔵が盗賊に破られてしまう。

北出が助けたおふじは、札差坂井屋の妾であり、実は盗賊一味のメンバー。
ある夜、北出は盗賊一味を発見、逃げる一味を追ってくうちに坂井屋にたどり着いた。

坂井屋こそ盗賊のリーダー格だった。
坂井屋は、北出がどれだけ盗賊一味の情報を得ているか確認するため、おふじに北出との接触を指示する。
そもそも北出とおふじの最初の出会いも偶然ではなく、おふじが管轄する同心北出とお近づきになるために仕組んだことだった。
おふじからウソの身の上話を聞かされた北出は、ウソ話を信じておふじを助けようと坂井屋と会談。
その席で坂井屋が盗賊一味のアジトであるとの推測を明かした北出は、坂井屋の用心棒に化けた盗賊一味に殺害される。その様子は、主水の指示で坂井屋を見張っていた半吉がすべて目撃した。

灯籠流しの夜、一つの灯籠が川を下り、おとわの元へと流れ着いた。
その灯籠には「哀しきは　初盂蘭盆の燈籠に　つもる怨みを　誰れぞ晴らさん」と書かれていた。
主水の入れ知恵で北出の妹志乃が作ったというその灯籠。恨む相手は坂井屋とおふじ、そして盗賊一味。

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