ある晩、主水はお冴から仇討赦免状の発行を求められた。
父三郎兵ヱの仇を討ちたいと言うお冴の仇敵は、吉原の花魁あづまぢ太夫。

あづまぢ太夫は、三郎兵ヱに大金を貢がせたあげく、結納金まで受け取りながら結婚の約束をフイにした。
結婚相手には捨てられるわ、そのことで親戚から縁を切られるわ、三郎兵ヱはもう踏んだり蹴ったり。
思い詰めた三郎兵ヱは、あづまぢを射殺しようとして失敗、さらし首の刑に処されてしまった。

主水に仇討ちを諦めろと言われたお冴だったが、結局吉原に身を売りあづまぢと同じ玉屋に身を置いた。
そんなお冴の客になったのは半吉だった。
半吉はお冴があづまぢを殺そうとしているとも知らず、そのアリバイ作りに協力する。
しかしお冴はあづまぢの抹殺に失敗、半吉と共に心中に仕立て上げられ川に捨てられてしまう。

なんとか死なずに済んだ半吉からがありかを知っていたおかげで、お冴が密かに隠しておいた依頼状と頼み料を手にした仕事人。
しかしこの仕事には難関があった。
あづまぢの周囲は黒衣組というボディガードが固めていて、三郎兵ヱの発砲事件がきっかけで吉原に武器が持ち込めなくなったのだ。

あづまぢからかんざしを注文されていた秀はそのかんざしを研ぎすまし、左門は美鈴のために買った筆を刀で斬り切り口を鋭くした。これで吉原の検問を突破できる武器の用意は出来た。

おとわが吉原の居酒屋で酔客たちを煽動し、あづまぢ太夫の行列になだれ込ませる。やがて始まる大喧嘩。
この混乱に乗じて、左門が黒衣組の男たちを斬り、秀があづまぢを刺殺、主水が玉屋を倒す。
かくして『大難関吉原花魁殺し』は幕をおろした。

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