山の金掘りたちが、厳しい金の採掘命令の件で勘定奉行林玄蕃頭に直訴に及んだ。
船遊びの最中だった林はその訴えを拒絶、そのうえ林の愛人で芸者小糸が金掘りたちを追い払った。
小糸の正体は金掘り吾平の娘お糸であり、夫が金山で生き埋めになって死んだことから、小糸は山や金掘りたちを逆恨みしていた。小糸はその恨みを晴らすべく異常なまでの金の採掘を林に催促する。

今回の過酷な採掘が小糸の逆恨みによるものだと知った金掘りたちは、六蔵に林と小糸の殺しを依頼する。

一方、林は金掘りたちの暴挙を懸念し小糸の元へ警護役を送り込むことにした。
林の用人板野小兵衛は、八丁堀で一番の役立たずのはずの主水をその警護役に指名。
小糸のような気の強い女はどうも…そうは言っても勘定奉行から直々の大仕事、主水は小糸の屋敷に赴く。

小糸は山から金が掘り尽くされるまであくまで採掘を続行しようとするが、逆に林は消極的になっていた。
林は大老職に就くための幕閣にバラまく財源が欲しいだけで、"今までの強行採掘で得た金が林の希望額に達したのでマネー成立"になっていた。林にとって今が採掘の潮時というわけ。
そこで林は板野と用人江川と組んで、邪魔になった小糸を消すことにした。警護役を昼行灯の中村主水に選んだのも、小糸暗殺をスムーズに行うためだったのである。
そして林たちは、小糸の説得を試みる吾平ともども小糸を抹殺した。

この殺人事件は小糸vs金掘りの図式を明確にし、金掘りたちを奉行所に捕らえさせる結果になった。
板野と江川は勘定奉行代理として金掘りたちを取り調べ、金掘りたちが仕事人に小糸殺しを依頼したことを知り、六蔵の人相書きまでも手に入れた。

いきなりピンチに立たされる仕事人。しかし仕事人の中で誰一人、江戸を発つ者はいなかった。
主水たちは、六蔵の手配書が出回る前の晩に勘定奉行一味殺害を決行し、見事人相書き奪還に成功する。
その夜、加代が着火した人相書きがゆらゆらと川を流れていった。

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