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第50話 嘘技無用試し斬り
松前藩への仕官を賭けた立ち会いが行われた。すでに多額の金を仕官のために費やし、妻を松前藩江戸屋敷留守居役矢部盛正に差し出していた浪人瀬戸口左近は、松前藩出入り商人高田屋の用心棒津山玄造の剛剣に打ち負かされ、仕官に失敗する。 長家に戻った瀬戸口は妻と共に心中した。 松前藩への仕官を巡る失敗例はそれ以前に何度も起きており、ましてや不景気なこの御時世、浪人が仕官しようなんてこと自体、夢のまた夢のはなし。 世間話程度に今度の一件を話した主水に対して、左内は元浪人としてフクザツな心境。 そして左門は独自に高田屋を探ることにした。 高田屋と津山を追う左門、それを追跡する秀、またそれを尾行する加代。この一行は、浪人篠崎幹之介が住む長家に到着した。 篠崎も松前藩への仕官を夢見ている浪人の一人。矢部との面接も結果は上々で、あともうワンプッシュあれば仕官は確実という状況だった。 高田屋から「ワンプッシュ=金を差し出すこと」と言われた篠崎は金策に奔走する。 そんな篠崎に左門が声をかけた。仕官に躍起になる篠崎を冷静にさせようとする左門だったが、その思いやりは初対面の篠崎に届かなかった。 篠崎は己の刀を50両で手放した。しかし50両でもワンプッシュには及ばないと高田屋手代の仙吉は言う。 篠崎の娘田鶴は晴れ着や簪を売り払うが、それでもワンプッシュの不足を埋めることはできなかった。 高田屋に連れてこられた田鶴は、一晩矢部の相手をすれば篠崎の仕官は叶うと告げられる。 田鶴は決意を固め、矢部に体を捧げた。 後日、篠崎に衝撃的な知らせがもたらされた。矢部が田鶴を側室に迎えたがっている、と。 高田屋は、田鶴が矢部の側室になれば、篠崎は仕官せずとも矢部からの手当てだけで暮らしていけると、篠崎にこの話を持ちかけた。 仕官の夢を踏みにじり、娘の操をも奪うこの一味に怒りを覚えた篠崎は、津山に立ち会いを申し出た。 文武両道の篠崎が、いままで数多くの仕官志望の浪人を倒して来た津山を追い詰める。しかしこの立ち会いを高田屋と仙吉が妨害、篠崎は津山に刺殺された。 父の葬儀を終えた田鶴も、焼香に訪れた左門の前で自害した。 左門は矢部と高田屋一味を始末しようとするが肝心の依頼人がいない。 しかし運良く、六蔵に別口から同様の依頼が舞い込んできた。主水たちはこれ幸いとこの仕事を引き受ける。
【篠崎幹之介の一言】
「娘を生け贄にして何の仕官、何の侍だ。立ち合っていただこう。これは仕官のためではない。儂と娘の血の吐くような思いがどれだけのものか。」 【次回予告】 幼い子供を犠牲にすることも顧みず、のし上がろうとする男。出世のためにと一心に尽くして来た女が、その正体を見たとき、哀しい償いが始まる。『必殺仕事人』御期待下さい。 【キャスト】
中村主水/藤田まこと 畷左門/伊吹吾郎 秀/三田村邦彦 加代/鮎川いずみ おしま/三島ゆり子 涼/小林かおり 同心早川/早崎文司 美鈴/水本恵子 津山玄造/佐藤京一 高田屋弥兵衛/高木二朗 矢部盛正/波多久夫 田鶴/田中綾 仙吉/山本弘 瀬戸口左近/野口貴史 古道具屋の亭主/伊波一夫 浪人池上/丸尾好広 大家/松尾勝人 篠崎幹之介/新田昌玄 せん/菅井きん りつ/白木万理
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