旗本永久保典膳・榊一角・水谷弥一郎が、老舗の主人と丁稚を無礼討ちにした。
その現場に居合わせた豆腐屋の定七は永久保たちにたてつくが、反撃を食らい窮地に追い込まれる。
それまでこの一件に関わるまいと身を伏せていた主水だったが仕方なく姿を現わし、なんとかその場を納めて定七の危機を救った。

永久保たちの悪事は日常茶飯事。恨みに思った人の数は知れず、遂には六蔵の元にも何人からか永久保殺しの依頼が舞い込んで来た。旗本相手の仕事は荷が重いと言う主水は、とりあえず加代に探索を任せる。

永久保たちを尾行する加代の目の前で、また事件が起きた。
永久保たちが北出藩藩士金坂東馬と槍持ち川辺権助に因縁をつけた。そこへまた定七が割って入り、またまた定七はピンチに陥る。
加代の機転でなんとか無事に済んだものの、定七はまるで自分が永久保たちを追っ払ったと思い込む始末。
おまけに定七は東馬の槍持ちになりたいと懇願する。定七は、侍が町人を蔑む世の中だからこそ自分が侍になろうと決心していた。それ以来、定七は金坂家に住み込み、妹のお民が豆腐屋を引き継ぐことになった。

そんなある日のこと、東馬と定七は永久保たちと遭遇した。永久保に敵意むき出しの定七。
しかし「藩士が旗本と張り合えば北出藩は取り潰される」という現実が、定七に突き付けられた。
そして東馬は永久保たちにこの一件で脅迫されてしまう。

東馬は母世津に相談し、世津の言う通りに書いた手紙と二百両を持たせ、定七を永久保の屋敷へ送り込んだ。
その手紙には、素直に脅迫に応じる旨と定七の身柄を如何様にしてもかまわないことの二点が書いてあった。
永久保の屋敷に連れ込まれた定七は、永久保たちになぶり殺される。

定七の死が旗本三人組と金坂親子の共謀によることは、永久保を探っていた加代の目撃によってすでに明白。
六蔵からの新たな指示を待ちながら、主水たちは怒りを募らせる。

その間にもまた被害者が増えた。兄の死の真相を知ろうと金坂・永久保両家に足を運んだお民である。
お民は、永久保たちに暴行されながら事件の全貌を知らされ、金坂家に乗り込んで世津を殺害、逆上した東馬にめった刺しにされた。

恨み雨降る夜の出陣…仕事人は豆腐屋兄妹の恨みを晴らす。

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