夜の江戸に、空飛ぶ巨大な天狗面と無気味な怪人が出没した。
それ以来江戸は夜になると外出する者が激減、ひっそり静まり返るようになる。
それを機に江戸を脱出しようとする一団があった。若年寄田代から３度の工事を強制されたために財政がひっ迫していた唐津藩の一族である。
その工事は唐津藩主大野忠清が側用人中根からの賄賂の要求を断った件に対する中根の報復であり、大野は国元に引き返した上で事の非がどちらにあるのかを問うことにしていた。
江戸を出るためには夜に人が出歩かないようにしなければならない。天狗面と怪人はそのために唐津藩が仕組んだ物だったのだ。
唐津藩の一族は静寂に包まれた夜の江戸から旅立つが、待ち伏せていた中根・田代率いる弓矢隊の攻撃を受け全滅させられてしまった。
ただ一人の生存者である福姫は、身を売った金で仕事人に中根一味殺しを依頼する。

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