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アイダホ州ボイジー地域情報

リキャットのアイダホ便り 第1集

理花 トーレス

Freezing Fog

(1999年12月28日)

寒い!とにかく、寒いです。最低気温がマイナス6℃で、最高気温がマイナス4℃って、どーゆーこと?ってしみじみ思いますよ。私、寒さに弱いんです。

クリスマスイブの夜からこちらは霧が非常に濃く出て、10m先あたりは見えないくらいでした。気温は零度以下なのに霧が出ている、まさに "Freezing Fog"ですね。この霧の水分が氷点下の気温によって冷やされ、翌朝は銀世界だったんですよ。外に存在する全てのものに霜が降りた状態ですね。まるで雪が降った後のようです。ちょっとイミは違いますがホワイトクリスマスでした。庭の木々を観察してみると、小さな霜のツララが枝のように延びていてとても不思議です。この現象は山の上の気温がここよりも高いために霧が発生し、空気を閉じ込めてしまうのだそうです。でもこの現象が長く続くと街で発生する排気ガス等の汚染された空気が閉じ込められて、イヤなにおいがしたりするんですって。このお天気、木曜日まで続くとのことでしたが、今日は霧が晴れています。うちの屋根には小さなツララ(これは氷です)ができています。さむ〜い!

ミレニアムカウントダウン

(1999年12月28日)

大晦日の夜に国営放送でタイムゾーンごとに新年を迎える様子を放送するのですが、それにボイジーが選ばれたのをご存じでしたか? リバーフェスティバルを経験された方々は「ナイトグロウ」を見に行ったことがおありでしょうね。 夜、気球に火を灯すとても美しいショーです。 大晦日のお昼2時頃からキャピタル大通りは閉鎖され、気球が60コ並べられます。 これが1999年の最後の1分で、1秒間に1コずつ火が灯されるんです。 バルーンカウントダウンです。 これが国営放送にウケたんでしょうね。 ソルトレイクシティー、デンバーを出し抜いてここボイジーがピックアップされたわけです。 この日はダウンタウンでバーやレストランに入るのに前売りのチケットが必要です。 それだけ多くの人を見込んでいるってことですね。 人出は3万人とも5万人とも言われています。

みなさんはどのようにミレニアムをお過ごしになるのでしょう? 2000年も素敵な年でありますように。 良いお年を!

A Jeep Ride

(1999年12月31日)

おととい夫とジープで山に登ってきました。 この濃い霧の上はまぶしい太陽と新鮮な空気が充ち溢れていましたよ。 山頂の方が気温も高かったですしね。 しかし夫のジープはフロントガラスしか窓がなく、もちろん暖房もないむか〜しのジープなんです。 私はスキーウエアーに身を固め、その上にセーターやらマフラーやらを着込んでのチャレンジでした。 途中スノーモービルで遊ぶ人達にも出会いました。 ボイジーっ子はアウトドーが大好きですよね。

明けましておめでとうございます。

(2000年1月4日)

明けましておめでとうございます。
楽しい新年をお迎えになられたでしょうか?
本年もよろしくお願い致します...ね!

さて、ボイジーは新年から雪が降ったり止んだりしています。 雪道に慣れていない私は恐る恐るのドライブです。 古いキャデラックに乗っているのですが、なんせ車体が重いので交差点のずいぶん手前からスピードを落としてもなかなか思ったところで止まってくれません。 こちらは昨日からハイウエイでの事故報告や事故に対する警告なんかがテレビで流れています。

大晦日は朝早くから起き出して、日本が新年を迎える様子をテレビで見ることから始まりました。 奈良でのコンサートの様子、どこかの海辺での神前結婚式の様子なんかが流れていましたよ。 私は夫と2人で静かに初めてのお正月を迎えました。 バルーンカウントダウンの様子は日本の両親に見せるため、ちゃんとビデオに撮りましたよ。 三が日は遅ればせながら年賀状に取り組んでいます。

アイスホッケーの熱き戦い

(2000年1月9日)

ボイジーはこの2、3日良く晴れていたのですが、今日は朝から雪がシンシンと降っています。 夫がドライブウェイの雪かきをしてくれたんですが、出かけるときにはもう真っ白でした。

夫のジープをストーレッジに入れたので、私の車はガレージで嬉しそうです。 外に置いておいた間は窓にこびりついた氷がなかなか溶けなくて大変でしたが、もう心配はいりません。 それに加えてクリスマスプレゼントにガレージオープナーをもらったんです! わ〜い! これで寒い中わざわざ車外から出てガレージの扉を閉めなくてすむんですよ。 義理の父はホントに気が利くのです(笑)。

昨日アイスホッケーの試合を見に行ってきました。 ボイジーステイトのバスケットボールはよく行くのですが、プロホッケーは初めて。 思っていたよりも面白かったですねえ。 ホッケーは喧嘩もゲームのうち。 殴り合いも、手袋をはずしてならレフェリーも止めないんですよ。 知っていました? そんな熱い戦いの中アイダホ・スティールヘッズは勝利しました。

あやしい2つの影

(2000年1月21日)

この週末は3連休だったので、ポートランドに遊びに行ってきました。 夫の親戚が数多くいるので、いつも家族訪問に追われちゃうのですが、今回は「丸1日はダウンタウンを徘徊することにしよう」と決めて出陣しました。 それを聞いた義理の父が私たちのためにホテルをとってくれて大感激。 義理の父は本当に気が利くのですよ。 オホホ。

ポートランドでは土曜日の夜に記録的な暴風が吹き荒れ、倒れた木で民家が真っ二つなんてことが起きました。 停電した地域も多数ありましたよ。 そんな風にも負けることなく、ダウンタウンを突き進む2つの影。 夫はもともとこの近辺出身。 ポートランドにはこれが必需なんだ、と断固として譲らず、ゴアテックスのレインジャケットと同色のレインハットに身を固め、傘を持たずに街を歩いていたわ。 ちゃんとゴムをアゴの下にしてね(笑)。 大男が緑の帽子をかぶって歩くその姿のあやしいこと! それでも美術館へ行ったり、ショッピングをしたり、ライトジャズの生演奏を聴きながらワインをすすったりと盛りだくさん。 その間ホテルでお昼寝という贅沢なイベントも盛り込まれ、ホント楽しい週末でした。

アイスフェスティバル

(2000年2月2日)

先日McCallで行われていたアイスフェスティバル行ってきましたよ。 お弁当持って、熱いコーヒーと紅茶の入ったポットを2つ持って。 この日は素晴しいお天気で、気温も上がりマイナス5℃位はあったかな〜。 すごい厚着をして行ったのでそれほど寒さは感じませんでした。 突然ですが、私は手袋が嫌いなのです。 しかしマイナス19℃にもなるらしいと脅かされ、いそいそと探しに行ったんですよ。 でも結局いいのが見つからず、「素手」でしのぎました。 ヘーキ、ヘーキ。

人口1001人の小さな街がこの時とばかり賑わっていました。 とはいえ、やはり小さな街のやることには制限があるらしい。 街のいたるところに小さな雪像が立ち並び、札幌雪祭のちっこい版ってカンジでしたね。 ここに来ている人達が札幌の雪祭を見たらどう思うんだろうな〜、なんて一人で考えてました。 この雪像を見て札幌の雪祭にどうしても行きたくなりましたねー。 で、さっそく雪祭の公式サイトをチェック! 北海道ってものすごく寒いところだから冬に行くなんてとんでもない! と思っていたけど、考えてみたらこことあんまり変らないんですよね。 俄然行けそうな気がしてきました! 私と夫は生の鶴も見たいんです!

温泉に行こう!

(2000年2月18日)

先週の金曜日、夫はお昼でさっさと会社を切り上げてきました。 温泉へ行こうって決めていたからです。
アイダホ州はワシントン州、オレゴン州、モンタナ州そしてブリティッシュ・コロンビア(カナダ)のノースパシフィックにある温泉を全てかき集めたよりも多くの温泉があるのだそうです。
目的地はここから2時間ほど車を走らせたところ。 今回はまだ踏み入れたことのない温泉に挑戦です。

ハイウェイ21は山越の道路。 30分も走っていない辺りから雪がうっすら積もっています。 『良くない兆候だ』と夫は山越の道路の状況をちょっと心配。 あぁ、でもなんて綺麗なんでしょう! 標高がどんどん高くなるにつれて空気がツンと冷たくなり透き通っているカンジがします。 針葉樹は雪の重さで枝は垂れ下がり、すっかり細くなったその姿は山に「パラソルチョコレート」を無造作に植えたようです(笑)。 途中除雪車に出会いました。『良くない兆候だ』夫はまた心配を募らせます。 ノロノロと進む除雪車は後方の私たちに気が付き、道をあけてくれました。 彼等に手を振って、私たちは目的地に急ぎます。

キャンプ地の近くの駐車場に車をとめて、いざ出発! これまでキャンプやハイキングを大のニガテとしていた私でしたが、夫の買ってくれたハイキングブーツをしぶしぶ履くようになったんです。 『400mぐらいだから』となだめられ、今回も承諾したわけです。 しかし、1mほど積もった雪はすっかりトレイルを消し去り、どちらの方向に進んでよいのかさえも分かりません。 う〜ん、と唸った末、春になるまであきらめようという結論に。

今回が3度目のこの温泉は川を挟んでハイウェイが通り、道行く人が見物していきます。 小さなピクニックエリアがあって、前回は持参したワインやベーグルを楽しんだのですが、そのエリアも今回は雪で閉鎖され車は入れません。 ザクザク、と雪音をさせながら進んでいくと急に夫が人さし指を口元にやり『シーッ』。 その人さし指の行方を追うとそこにはエルクの群れが前足で雪を掻き分けて餌を探しているのです。 20mも離れていません。 私は初めてエルクという動物に出会ったのですが、鹿によく似た、けれどひとまわり鹿よりも大きく、首の周りにフカフカのマフラーをしたような動物です。 彼等を脅さないよう、彼等と平行して歩きます。 向かって歩くと彼等は敵だと判断するんですね。 6頭ほどの群れでしたが、ボスだけは私たちをニラんだまま決して視線を外そうとはしませんでした。 自然界の愛情を垣間見た気がして感動しました。

周囲の山々は雪をかぶり、ヒンヤリした空気が水着に着替える時鳥肌を立たせます。 はぁ〜、でも湯加減はちょうど良く『い〜い湯だな〜』と頭にてぬぐいを乗せたい気分でしたね〜(笑)。 ここの浴槽は岩が作る自然のもの。丘の上から小さな滝のように温泉が流れ落ちてきます。 夏はもう一段下にある、川の水が少しだけ入り込む浴槽でないと熱すぎたくらいだったのを思い出しました。 すぐ横を流れる川は夏でも3秒と手をつけていられない程冷たく、湯だってしまったので頭を浸けたら、しばらく頭が痛かったほどです。 ちょうどアイスクリームで頭がツーンって痛くなるみたいに…。

車に戻る時、あのエルクの群れはまだそこにいました。 すっかり陽が暮れてしまってからが彼等の時間です。 ハイウェイにまで出てきてしまっている彼等に注意しながら、比較的平坦な道を選び2時間半掛けて家路に急ぎます。
アイダホの自然を満喫した1日でした。

ラスベガスの雨

(2000年3月8日)

先日夫と3泊4日でラスベガスに行ってきました。 ここボイジーからラスベガスまでは直行便で2時間弱。 すごく近いんです。 アメリカはドデカイですからね。 西海岸から東海岸へ行こうと思ったら飛行機で5〜6時間掛かります。 こちらは飛行機での移動が当り前。 もちろん飛行機会社も便数も非常に多いですね。 成田の1本しかない滑走路で離陸するまで1時間も掛かるのとはワケが違うからとても便利です。

私は今回が4回目。 夫と一緒の旅はそのうち2回です。 前回は2年前に行ったのですけれど、まぁ、また素晴しく変わっていましたね、あの街は。 ホント、街全体がアミューズメントパークのようで歩いているだけでも楽しいんです。 今回はホテルの予約をしたのがとても遅かったのと、ちょうどアメリカの祝日と重なっていたことで、オン・ストリップのホテルには宿泊することができませんでした。 しかしですね。1泊$21というホテル価格をインターネットで探し当てたんです。 ラスベガスはお客様にカジノでお金を落としてもらうことが第一の目的ですから、こうした破格のホテル料金での宿泊が可能です。 タクシーで移動したとしてもおトクですよね。

ラスベガスに着いたら雨でした。 この街は砂漠の中にそびえたち、気候もボイジーなど問題にならないほど乾燥しています。 今回も4ヵ月ぶりの雨だとタクシーの運転手さんが言っていました。 「ここに雨が降る」なんてことは誰も考えが及ばないようで、この砂漠の街には雨が地下の下水に導かれる排水溝がありません。 だから道路が川のような状態になってしまうんですね。 それから雨が降っているときの運転に慣れていない! だから事故がそこら中で発生します。

さて、話をオン・ストリップに戻しましょうか。
ダウンタウンと呼ばれる辺りはもうちょっと古くなりすぎ、昼も夜も閑散としています。 代わってこのストリップと呼ばれる地帯が新しいラスベガスですね。 行かれた方も多いかと思いますので、今回は新しくできたホテルのみご紹介しましょうか。

まずは何といっても「Bellagio」。 この数兆ドルを投資したといわれるこのホテルは、それだけのお金をつぎ込んだだけあります。 巨大なガラス細工の花をはめ込んだ天井を持つロビーが特に素晴しいし、その横に作られた庭園は季節の花々が甘い香を漂わせています。 ここのプールを見渡す景色は異国にさまよい込んでしまったかのような錯覚さえおこします。 実際プールに入ることができるのは宿泊者のみですが、この景色を見なければソンです。 このホテルの前にある池(とはいっても、フットボールのフィールドぐらい大きい)での噴水ショーがこれまた素晴しい! 音楽に乗ってまるで水がバレエを踊っているかのようで、うっとりしてしまいました。
「Venetian」というベネチアをテーマとしたホテルも素敵です。 ここのホテルはサービスがとても良いのですって。 モールには運河が流れていて、ゴンドラに乗ると船頭さん(日本っぽいとどうしてこうヤボったいのでしょうねー)がカンツォーネを歌ってくれます。 正面の入り口を入ったらぜひ上を見上げてみてください。 この天井絵画がとても美しいのです。
「Paris」もいいですよ。 ここのランチバッフェはフレンチペイストリーも充実しているし、お料理もバッフェとは思えないほどクオリティーが高く、グーでした。 なんといってもパリの街でお食事をしているようなロケーション作りが、凝っていて素敵です。 イチオシです。 モールにはアコーデオンを奏でながらおじさんが歩いていて楽しくなってしまいます。

ギャンブルは少し当たってはその分スッて、とトントンでしたが、バッフェでお腹いっぱい美味しいものを食べたり、ショーを観たり、マジックショー(ハラスホテルの『マック・キング』のいう人のショー。お薦め!)ではステージに上がらされたり、と本当に楽しい旅行となりました。 夫と「ラスベガスは毎年恒例旅行にしたいね」って話しているくらいです。 ボイジーの冬をラスベガス旅行で乗り切る、これグッドアイデアです。 近々「アラジン」というホテルができますから、次はまた新しいラスベガスを楽しめそうです。

おかしな我が家

(2000年3月13日)

我が家は国際結婚家庭です。夫はアメリカ人。私は日本人。
当然の成り行きで、夫は日本の歴史・文化に傾倒しています。
今、彼の読んでいる本は『47 Ronin Story』。いわゆる忠臣蔵ですね。
いえ、難しい話をしようと言うのではありません。

私たち、1999年の8月にポートランド(オレゴン州)にて結婚式を挙げました。
日本から友人も多数出席してくれまして、それはそれは楽しい想い出となりました。
その友人のひとりに、漫画家さんのアシスタントをしているコがいまして、まぁ、当然なのですが絵が非常にうまいのです。 その彼女、結婚式の時に私たち夫婦の絵を描いて持ってきてくれました。 『寿』って金文字があって、富士山に昇る太陽。夫と私は結婚式の着物を着ています。 紋付き袴に打掛け、そして文金高島田、ですね。 これが妙に私たちの特徴を掴んでておかしいんですよ。 これをお見せできないのは残念なのですが...。

しかし、今日のお話の中心はその絵ではないんですね。 その絵にあった『寿』です。 これがどうもアメリカ人にはかっこいいらしい。 文字としてと言うより、デザインとしてでしょうね。 これを夫の高校時代からのお友達が見て、思いついたもの。 それがガーデン用アクセサリーでした。 アメリカ人の男の人の中には信じられないほど器用な人がいます。 この人もその中のひとりです。 夫がクリスマスに毎年作るキャンディーも彼のレシピですし、なんでもクリスマスにフリースの生地でみんなにぼうしを作ってあげたり、皮のジャケットにフリースで防寒用裏地を作っちゃったりするらしいのです。 それもちゃんとポケット付きで。 うちのガレージオープナーを取り付けてくれたのも彼です。 その彼、この「寿」を夫から絵のコピーをもらいまして、拡大し、鉄板に写して、レーザーのこぎりでくりぬいた! それを鉄の棒にくっつけただけなのですが、こういう発想は日本人にはなかなかできませんね。 最初は『これをフロントヤードに刺すの?』とフト不安になったのですが、刺してみるとこれがなかなかかっこいい。 国際結婚の家庭にふさわしい庭だ、と当の本人達は思っているのですが、どうでしょう?

「寿」のガーデンアクセサリー

ちなみに私の両親には不評です(笑)。

ハヤブサ飛来!

(2000年4月6日)

ナント、我が家に『Falcon(隼)』がやってきました。 それもツガイでです。

我が家はボイジーのサウスイーストにあたる場所に位置します。 コンピューターのマイクロンのすぐ近くです。 ここを少し東に行ったところには、猛禽類の好みそうな断崖絶壁が広がり、日本人が興味をそそられない乾いた丘が果てしなく続きます。 夫は以前、この丘をジープで徘徊している時に、ゴールデンイーグル(イヌワシ)に出くわしたそうです。 スゴイところだなー。

うちには今のところ「ペット」がいません。 夫は中・大型犬が大好きなのですが、去年の春に親友だった黒いラブラドールを亡くしてから、まだ新たに犬を飼おうという気持ちにはならないようです。 それに大型犬にはうちの庭は狭すぎてかわいそうですし。
『あなたは犬派?それともネコ派?』と聞かれたら私、迷わず『そうねー。やっぱり鳥かしら。』と答えます。 私、鳥がとても好きなんです。 どんな鳥でも好きです。 大抵の鳥とはお友達になれます(笑)。 そんな私にとって『ハヤブサ』を目のあたりにしたことは、夢のような出来事だったワケですね。

我が家の裏庭にプラムの木があるんです。 ちょうど今、ピンク色の花が1分咲きというところでしょうか。 ハヤブサが来たのは今からひと月ほど前。まだ肌寒い風が吹いているお昼時でした。

私はその数日前にスーパーで「お素麺」を見つけたので、喜び勇んでそれを茹でていたところでした。
なにげなく窓辺に視線を移したその時、彼等がプラムの枝に止まっているのが見えたんです。 彼等は猛禽類の中では比較的小さい方に入りますが、それでも他の鳥達とは比べたら、一目瞭然。 見間違えるはずがありません。 凍り付いたようにその場に立ち尽くし、視線を凝らして彼等を見てみると、ツガイのうちの1羽の足にはなにやら黒いものが..。 どうやら彼等もランチタイムだったのでしょう。 食事の場所を探している途中でうちに寄り道したらしいんですね。
「アワ食っちゃって」ってこのときの私のような状態を言うんでしょうねー。
この辺にはいわゆるワシ・タカ類がたくさん生息していますが、さすがに住宅地では見かけません。
近くに『Birds of Prey』という猛禽類を保護し飼育している場所があり、私はそこによく勉強に行きます。 アメリカ国内ではこの猛禽類を個人で飼う許可を持っている人達が3人だけいるらしいのですが、そのうちの1人の方がこのアイダホに住んでいらっしゃるということで、その方を交えたプレゼンテーションなんかも拝聴したりしました。 彼等の視力の良さはよーく知っていたはずなんですね、私。
それなのにじっと観察していられず、ついカメラ探しに行っちゃったんです。 すばやく戻ってきたときには彼等の姿はどこにもありませんでした。
本当に美しい鳥でしたよ。だからカメラに収めたかったんです。

最近ボイジーは気温がぐんぐん上がって、本当に良いお天気です。 4月4日火曜日はTシャツと短パンといういでたちでオッケーでした。 なんでも最高気温が78度(30度近い)まで上がって、今までの過去の4月4日の記録を破ったとか。 こちらは先週末から夏時間になったので、9時半頃にならないと完全に陽が暮れませんしね。 ジープのシーズン到来です。 ゴールデンイーグル(羽を広げると私よりも大きい)を生で見るため、どろんこになって丘を走ってきまーす!

ハヤブサ

(写真: falcon(ハヤブサ)/World Center for Birds of Preyにて撮影)

シアトルの春

(2000年4月17日)

今年のボイジー冬は暖冬だったのだそうです。 電力会社に勤めている夫は『よろしくない』とさかんに言います。 山に雪がないと水がダムに溜まらない。 水力発電をしているアイダホパワーにとっては非常に大きなダメージなワケですね。 しかしそんなことは寒さに弱い私にとって問題であるはずがなく、体感温度が高ければ高いほど有難いわけです。 そんな私にとって唯一の楽しみは月に1度のボイジー脱出小旅行。 前回はラスベガスの模様をお伝えしました。 今回はシアトルです。

シアトルは1年のうち曇りか雨の日が多いことで知られています。 お天気男の夫、ラスベガスではしてやられましたが、今回はしっかり太陽を呼んだようです。 ラッキーですね。 晴れました。 金曜日の夕方到着の便でこちらを発ち、月曜日の夜には帰宅するという3泊4日の旅です。 ねぐらは夫の高校時代の友人宅。まったく、うちは夫婦でズーズーしいのです。

シアトルといえば海から坂を登ったところにあるマーケットが有名です。 そのマーケットの中でもとりわけ目立っているのが『魚屋』。 何軒かあるのですが、ブタの彫刻が前にある魚屋がひときわ有名です。 なんでかと言いますと、外にディスプレーしてある魚をお客様お買い上げの度に、『外担当』がそのデッカイ魚をまるごと中の店員に向かって放り投げるんですね。 その時店員みんなで節をつけて何か大声で叫ぶのですが、これはアメリカ人の夫にも解明不能でした。 そして、無造作に投げる! それを薄紙を手にした店員がキャッチ! うまいぞ。 これ、ほとんどミスしないから驚きです。 それを見ているのがおかしくて、長々とお店の周りをウロウロしていたら、『外担当』に「お嬢ーちゃん。決まったかい?」とついに声を掛けられてしまいました。 ハハハッ。 でもね、おじさん。 私「オジョーチャン」なんかじゃないのよ。 ホラ、結婚指輪もしているでしょ。 30過ぎてんだから。 それでも懲りずに「アンコウ」を指差しながら『これをお鍋にすると美味しいのよー』なんて夫にウンチクをたれてましたら、「アンコウ」があの大きな口を開けたまま、私めがけて襲いかかってきた。 ギャアアアア! 私の悲鳴はみごとマーケット中に響き渡ったのでした。 中で笑っているのはあの『外担当』のオヤジ。 彼はコッソリ中へ忍び込み、アンコウの氷で隠れた尾びれを掴んで動かしていたんですねー。 まんまとひっかかった日本人の子娘に周囲は大満足。 大笑いでした。 あのオヤジったら、ロクでもないことを企んだものです。 シアトルに行ったらブタの彫刻を手がかりに、ぜひこの魚屋へ行ってみてください。 でもね。 アンコウの前では要注意! オヤジが狙っています(笑)。

さてもうひとつのイベントは旧ドームの爆破取り壊しのはずでした。 新しいドームの完成で旧ドームを爆破するので、それを夫の伯父が所有するセールボートの上から見ようという試みをお伝えするはずだったのですが、海上が非常に混雑すると予想されたため取り止めにしました。 残念。 これはテレビで観た方も多いはず。 結局私たちもテレビ組でした。

シアトルは日本でもお馴染みの『スターバックス』誕生の地。 それこそ1ブロックに何軒も軒を連ねています。 友人夫婦と坂を登ったところにあるスターバックスで朝食を取った日のこと。 その界隈は築7、80年という古い家並みが続く閑静な住宅街です。 お庭も綺麗に手入れされているお宅が多く、その日も様々な花が咲き乱れていました。 水仙、チューリップ、こぶし、もくれん、そして椿。 あれ? 椿って冬の花じゃあなかったっけ? そうなんです。真冬に咲く花から春の花までが同時に咲くんですね、シアトルでは。 なんだか日本の2つの季節をまたがってしまったようなカンジでちょっと得した気分でした。 そめいよしのの大木にも出会い、日本を静かに偲びます。 やっぱり日本人は「そめいよしの」に恋こがれるんですよね。 来年は日本で桜を見たいわー。

人口69人の町

(2000年4月24日)

4月15、16日イースター前の週末は友人のスキップとアンと4人で遊びにStanley(スタンレー)に行ってきました。 ここから車で3時間ほど山をいくつか越えたところにある、人口69人という小さな町です。 (2年前に行った時の人口は71人だったんですけどねー。どなたか引っ越しされたようですねー。)

親友スキップとアンが我が家にやってきたのは、土曜日の朝9時。 大きなアイスボックスにはすでに彼等愛飲のポップが入っていました。 そこに前日買ってきたシャンペンと朝急いで作ったベーグルサンドウィッチを要領良く詰め込みます。 チップスも持ったし、ぶどう・リンゴ・オレンジ等のフルーツも持ったし、準備万端! 私たち愛用のピクニック・バッグパックはプラスチックのワイングラス、ワインオープナー、小さなカッティングボードにナイフがセットされている優れもの。 これは途中ピクニックランチを取るときの必需品です。 これもトランクに詰め込んで、いざ出発!

ハイウェイ21は先日お伝えした温泉に続きます。 山を越えてスグのところにあるロッジでおトイレ休憩。 私はどうしてもピクニックエリアにある「ボットン式」がニガテです。 はっきり言ってコワイのです。 なのでこのロッジは日本の高速道路にあるパーキングエリアのようなもの。 熱いココアとマフィンをいただきました。 安らぎますねー。

サンフランシスコ出身のアンはボイジーに来てまだ1年。 まだアイダホをよく知りません。 温泉も彼女にとっては今回が初体験。 はしゃぐ。はしゃぐ(笑)。 ランチョンマットを広げて、お弁当にしましょう。 美味しい空気がなによりもご馳走です。 あれ、岩場にwoodchuck(マーモット)が出てきましたよ。 そーっと近づいて写真をパチリ。 撮られた本人は「あんた、なにやってんのさ?」って顔で私を見てます。 うん。かわいい。

さて、4人はさらに山の中へ車を走らせます。 道路は乾いているんですけど、景色はどんどん雪深くなってきます。 SawTooth(のこぎりの歯)と呼ばれる一連の山々がスグそこに見えてきました。 圧巻です。ギザギザの岩山。日本にはないタイプの山ですね。 さあ、うわさの『スタンレー』に到着です。 え? ここ? 多分日本から初めて訪れた人はきっと驚きますね。 人口69人。 レストランが1軒。 ガソリンスタンドが1軒。 スーパーマーケットよりも小さいけれど、コンビニよりは大きいお店が1軒。 メイン通りも数10メートルでしょうか。 でもこれが『スタンレー』のいいところ。 そうです。 人がいないこと。

プライベート温泉を持っているメイン通りに面したモーテルを予約したんです。 前回ここに泊ったとき、その温泉が非常に素敵だったから。 だけど、思ったより旅行客(釣人とハンター)が多くてその夜の温泉の予約が取れなかったんですよ。 4人で非常にがっかりしていたら、ホテルの人が見かねて、川岸にある自然の露天風呂を教えてくれました。 『さがしてみな。行く価値あるぜ。』大きな身体を揺らして、おじさん目から笑っています。 ここの人達は本当にみんな親切なんですよ。 せっかく温泉目当てにここまでやってきたのに、温泉に入らずには帰れない! 4人の顔つきは真剣そのもの。 外はすっかり日没あと。道路にはライトもありません。 『湯気の上がっているところを見逃すんじゃないゼイ。』おじさんの声が4人の脳裏に焼き付いています。 『確か、おじさん2マイル行ったところって言ってなかった?』『水が溜まっていることろがある!チェックしよう!』『湯気あがってないから、違うなー。』 本当に、あるの? 温泉なんて? ありました。 道路の路肩のすぐ脇で、湯気が上がっているのを発見しました!

月明りだけを頼りに川岸に下りて行きます。 誰が作ったのか、木でできた丸い桶がポツンと置いてありました。 4人で入るにはちょうど良い大きさの浴槽です。 栓をキッチリはめてお湯を溜めますが、流れ出てくる温泉はかなり熱い! しかし、よく見るとバケツが。 用意がいいですね。 だれかがバケツまで置いていってくれました。 雪解けの刺すように冷たい川の水を男性2人が汲んでくれます。 頼もしいぞ! さていいお湯加減になったところで、4人は静かに肩まで浸かり、ゆっくり周りを見渡します。 月が明るい夜でした。 目が慣れると、川が月の光りでキラキラ光って、雪が眩しいくらい。 どこまでも静かで、たまに車が通りすぎる音がするくらいです。 4人が自然の美しさを学んだ夜でした。

次の朝、温泉を教えてくれたおじさんが声を掛けてくれました。 『あんたら、昨日はあれから行ってみたかい?』 おじさん、ありがとー! 本当に良かったわ。 はしゃぐ女の子ちゃんの黄色い声で、おじさんの目が笑います。 『そうだろ?言ったじゃねーか。行く価値あるぜって。ワッハッハ。』 おじさんの話によるとこの冬は暖冬のせいで、川の水量が例年より増えているんですって。 なのでこの夏、桶が流されずにいられるかどうか、ちょっと心配なのだそうです。 『でもよ。夏は自分で川岸に穴掘って入るのがいいぜ。川の水入れて、湯加減調節すんだよ。』

たった1泊の週末旅行。 でも私たち、相変わらずワイルドライフを楽しんでいます。 ホント驚き、この私がです。 そうそう帰り道、コヨーテに遭遇しました。 コヨーテですよ。 アイダホは自然がとても美しいところです。 これを読んでくれた誰かが「行ってみたいな」って思ってくれたら、大成功なんだけどなー。

スタンレーの街並み

(写真: スタンレーの街並み)

リキャットのアイダホ便り / 理花 トーレス

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