自然流栽培のススメ Q&A



Q1.なぜ土をなるべく耕さないの?

自然流栽培(自然農)では、土を耕すのは人ではなく、野菜や雑草の根、ミミズなどの小動物、あるいは微生物なのです。こういった小動物や微生物の働きが活発になればなるほど土はフカフカとした団粒構造になります。
ですから、人が土を耕す必要がほとんどなくなるわけです。
人が土を耕すことによってそれらの住み処が失われ土壌生態系のバランスが崩れてしまいます。




Q2.なぜ雑草を抜かないの?

雑草が多いとある程度土中の養分を吸収するのは事実です。しかし、本文のとおりその吸収量は野菜のそれに比べるとそれほど多くはありません。まして雑草が養分を横取りして全く野菜が育たないということもありません。それよりもむしろプラスになる効果のほうが多いのです。

第一に雑草を抜かないことによって地上では天敵の住み処となり、自然界が作り出す巧みな食物連鎖によって害虫の多発を知らないうちに防いでくれます。

第ニに雑草の細かい根は雨が降った時でも土中の養分やミネラルの流出を防いでくれるのです。そして雑草の葉は土の表面部の水分の蒸発を防いでくれます。特に夏場、昼間の急激な温度上昇や乾燥によってキュウリなど根を浅く広げる野菜はダメージを受けることが多いので非常に助かります。

最後に土中では複雑に張り巡らされた植物の根にさまざまな微生物が住みついていることをご存知でしょうか?これらは野菜の生育には欠かすことの出来ないものなのです。もう少し具体的に言うと、微生物は植物の根から出る有機物を食べ、微生物が作り出した生長ホルモンなどを植物に与えるという持ちつ持たれつの共生関係にあるのです。またこれらの微生物は、病原菌などが植物の根から侵入するのを防ぐ役割も持っているのです。



マメ科の根に共生して窒素分を供給する根瘤菌




Q3.なぜ完熟肥料なの?

化学肥料を使うと確かに効果は早く一時的に生育がよくなります。しかし急激に栄養を与えることによって植物が本来持っている抵抗性が失われたり、生育のバランスが崩れたりして病気にかかりやすくなるのです。
では、有機肥料ならば何でも良いかというとそうではありません。油粕や鶏糞、牛糞といった未熟肥料を直接土に入れたり追肥したりすると、その匂いで必ず虫が集まってきます。時には異常に発生することもあります。
完熟肥料とは完全に発酵した肥料のことです。完熟堆肥や完熟ボカシ肥などがそれに当たります。
それらは土中で徐々に分解して穏やかに効くので、化学肥料のように野菜に急激に無理を与えることもありません。





Q4.施肥の方法は?

これは私のやっている方法ですが、初めて畝立てをする場合なるべく植付けの1、2ヶ月前に畑の中に完熟堆肥や腐葉土、カキ殻などを中心に漉き込み、よく土と馴染んだ上で苗を植え付けます。施肥はなるべく元肥一発で、というのが病虫害を最小限に押さえるコツでもあるのです。
また石灰散布はよほどの酸性土壌でない限り必要としません、最初のカキ殻で十分です。土が酸性に傾くのは雨が原因だといわれていますが、それ以上に化学肥料、特に硫安や尿素などを使うことにあると考えられています。堆肥中心の有機物に富んだ畑では極端に酸性に傾くことはありません。石灰過多は土中のミネラルを流出させ、土が固くなるばかりか新たな生育障害を生み出す原因ともなるので控えめにしましょう。
またナスなどの一部の果菜類を除いて、追肥なしでも十分に生育することができます。どうしても追肥する必要がある場合は未熟肥料を避け、完熟ボカシ肥などを株元から離れた場所に施す程度にしましょう。





Q5.害虫はいなくなるの?

いいえ、完全にいなくなることはありません。
しかし野菜が害虫によって全滅させられるということは、まずなくなります。
雑草を適度に生やし昆虫や小動物が住みやすい環境を維持することによって天敵が現れある特定の害虫だけが繁殖することができなくなるのです。つまりアブラムシが葉の汁を吸い尽くして枯らしたり、ニジュウヤホシテントウなどが葉を食べ尽くしたりということがなくなるわけです。


ナス科の害虫、ニジュウヤホシテントウを食べるクモ

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