タンチョウ(丹頂)といえば北海道の釧路湿原というイメージがありますが、岡山でもタンチョウを見ることができるのを御存知ですか?
しかも、岡山県内には現在なんと40羽(2000年6月現在)ものタンチョウがいます。そのうち26羽が、佐伯町にある岡山県自然保護センターで暮らしています。ここではタンチョウを単に孵化、飼育するにとどまらず、近い将来岡山県内の河川流域を中心に自然に帰すことを最大の目標にしています。今までにも、吉備路や後楽園などで実際にタンチョウを放し、幾度となく行動調査等をされています。
再び私たちがその大空を舞う優雅な姿や子育ての様子を見れたら、どんなにすばらしいことでしょう・・・。
先日、同センターで開催された自然観察会「タンチョウを観る」に参加してきましたのでそのレポートをお届けします。 |
岡山県自然保護センターは広さ約100ヘクタール、周囲はなだらかな山並みに囲まれています。
センター内には自然に親しみ、多くの生き物たちを観察することができるよう虫の原っぱ、昆虫の森、湿生植物園、野草園、自然観察の森、そしてタンチョウ飼育施設などのフィールドが設けられています。中でもタンチョウ飼育施設は広い敷地を確保し、ツルが住みよい自然環境に一歩でも近づけるためさまざまな工夫がなされています。飼育棟の外での飛行訓練や人工孵化などの試みも行われ、例年ひなも誕生しています。
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今回、我々の案内とお話をして下さったのは、飼育担当の坪井さんと井口(いのくち)さんのお二人です。井口さんのお父さんは、井口萬喜男さんで、前釧路市丹頂鶴自然公園園長、高橋良治さんの直弟子で「岡山に井口あり」といわれる方です。また坪井さんはその萬喜男さんの愛弟子に当たる方です。
なお当日の参加者は15名程でしたが、お二人とも我々参加者のさまざまな質問にも笑顔で答えてくれました。 |
左の写真ですが、僕が手に持っているのはナント!本物のタンチョウの卵です。
といっても実はこれ「無精卵」なのです。今年は全部で13個の卵が産まれたそうですが、何と残念なことにこのうちの11個が「無精卵」だったそうです。これほど有精卵の確率が低いとは僕もはじめて知りました。手にしているのがそのうちの1個ですが、重さは226g、ニワトリの卵の約5倍もあり、これが有精卵だと約32日で孵化します。
この写真の卵の場合、親のタンチョウは「無精卵」であるにもかかわらず、かわいいわが子の誕生を夢見て、大事そうに抱いて温めていたそうです。少し可愛そうな話ですね。
ちなみに、有精卵だった2個からは無事ひなが孵り、現在、高梁川の中洲にて親鳥と共に元気に暮らしています。今度はぜひそのかわいい姿を見てみたいものです。 |
次に、タンチョウはどんなものを食べているのでしょうか?ここ自然保護センターでは、アジ、オキアミ、ドジョウ、トウモロコシといった餌を与えているそうですが、他の動物園などでは写真のような固形飼料、その名も「ツルペレット」を与えている所も多いそうです。これ以外にも飼育棟内でバッタやクモといった昆虫類を好んで食べているということです。また、他の鳥類と同様に消化の働きを助けるため石コロもかなり食べているとか...。 |
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