
| ホームシアターの誘惑 |
| ホームシアター。何とリッチな響きだろう。この言葉だけでカッコイイではないか。映画好きなら誰だって一度はあこがれるのではないだろうか。我が家で映画を上演するという夢。オーディオが音楽を所有する喜びなら、こちらも映画を所有する喜びである。自分の手元に映画があるという喜び。 ホームシアターが注目を集めているのには理由がある。その一つがDVDの急速な普及だ。これはにはからずもSONYのPlayStation2が大きな貢献を果たした。DVDプレーヤーが普及すると、当然作品も増えてくる。最近は旧作の映画もどんどん増えてきているし、新作映画のDVD化も一年を待たないものが出始めた。古い映画のDVD化ではマスターテープから再度記録しなおしたり、古いフィルムの傷などをデジタルで修正したり、音声をサラウンド化したりしてリメイクされたものもある。さらに、DVDは小さなディスクにもかかわらず記録容量が多いから、映画本編の他にも映画のメイキングやインタービュー、未使用のカットなどが特典として含まれているものも多い(「スターウォーズ エピソード1」は特典映像が6時間におよぶ)。それでいて値段もDVDそのものの制作費が安いためにビデオの三分の一ぐらいになるからビックリする。これで普及しないはずがない。そして、そこまで映画が日常に入ってきた今、せっかくならいつものテレビで見るよりも、大きなスクリーンで、音響もできるだけ映画館に近いもので楽しみたいという欲求が高まるのも、至極当然のことなのだと思う。 |
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| スクリーンを張ると光が飛ぶので、見づらくなりますが、これがスクリーンを張ったところ。大型のスピーカーも小さく見える? 大きさはこれでも80インチ。天井までのポールを立てて、そこから吊る方式。これなら借家でも工事をする必要はない。 |
| ホームシアターにも幅があるらしい。先に「大きなスクリーンに、音響もできるだけ映画館に近いもの」と書いた。もう少し手頃なところからいこう。最近は14インチのテレビは小型にはいるらしい。少し前なら平均は14インチだったが、今は20インチを越えるようだ。30インチに近くなると画面もかなり大きい。6〜8畳ぐらいのリビングで見るには十分な大きさと言える。できれば、まずは音の方を変えてみてはどうだろう。テレビのスピーカーもよくなったが、やはり単品のスピーカーにはおよばない。しかも、サラウンドがない。これではつまらない。テレビドラマと変わらない。ここに小さなスピーカーとサラウンド対応のAVアンプというやつを入れてみるのだ。スピーカーの数とセッティングの問題さえクリアできるのなら、ホームシアターのはじまりである。ステレオは左右の音を使って立体的に聴かせる工夫だったが、サラウンドはさらにスピーカーを実際にも横や後ろに増やすことで映画館と同じように前後左右から音に囲まれる環境を実現しようとするものだ。実はDVDにはすでに映画館で上映されたものとほぼ同じサラウンド情報が入っている。AVアンプを導入すればそれが家庭でも再生できる準備はできているのだ。リビングで家族そろって、いつもと違う本格的な映画を楽しむなんて、ちょっとオシャレで贅沢でははないか。DVDで発売される新作ものならどれも映画館同様のサラウンドが入っているのが当たり前だ。普通にテレビ放送される映画でも基本的なサラウンド感は楽しめるが、WOWOWでは本格的な5.1チャンネルのサラウンをそのままで放送しているものがある。映画だけではなく、ドラマも、スポーツ中継もサラウンド化すれば楽しみは倍増なこと請け合いだ。こんなとろから始めるのもいい。手軽にサラウンド音響を楽しめるようになってきたというのがホームシアターを普及させてきた二つ目の要素なのだ。小型のスピーカーセット(スピーカー5台に、低音再生用のサブウーファーというものがつく)なら10万円未満でもあるし、AVアンプも5万円前後から手頃なものがある。ミニコンポのようにスピーカーもアンプも全部セットになって10万円ほどになっているものもある。見た目は小さくても最近の小さなスピーカーは鳴らしてみたら結構な迫力がある。今までテレビのスピーカーを使っていた人ならちょっとビックリするぐらいの音質だろう。 |
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| これはサイド(横)のスピーカー。効果音担当。あれれ、なんかヘン?。そう、このスピーカーは上を向いている。普通にリスナーに向けると音が直接届くためスピーカーの存在がわかりすぎてしまう。上を向けて音を拡散することで、自然に近い効果音を演出している。 | これも効果音担当のバック(後ろ)のスピーカー。耳は後ろ向きでないからこちらそのままリスナーの方に向いている。これで前後左右から実際に音に囲まれる環境になる。 |
| どうせならもっと映画館に近づきたいという人は、より本格的に考えることもできる。スクリーンを張ろう。映写機を置くのだ。映写機といっても昔よく見たフィルム用のものじゃない。最近の映写機はテレビやビデオと同じ映像端子がついているから、それをそのまま接続するだけでいい。それでテレビもビデオも、もちろんホームビデオで撮影した子供の運動会の記録だって大画面で見ることができる。テレビゲームだって可能だ。こうした映写機(プロジェクター)を導入すれば本格的なホームシアターと言っても恥ずかしくない。恥ずかしくないどころかご近所に自慢できる。プロジェクターは本当に手軽になった。これがホームシアターの普及につながる第三の要素だろう。 |
| まだ小学生の頃、学校の体育館で映写機を回して大きなスクリーンに映る映画を見るとドキドキしたものだ。映画館ではこの映写機が小窓の奥に隠れている。学校では映写機の後ろに先生が立って操作していた。あの機械から映画が出てくるんだなぁ、あの機械が欲しいなぁとよく思ったものだ。先生の後ろ姿は教壇よりカッコよかった。あれは学校にある特別なもの、特別な日に見る特別な映画用のものだとなんとなく思っていた。あれから年をとった分だけ、時代も進んだ。今は映画もサラウンドもプロジェクターも、それほど遠くないところまで降りてきた。僕はすでにはまっている。映画は大画面だ。テレビとは異なる世界なのだ。映画館にはなれないことを承知で試してみてもいい。60インチを越えるとテレビではない。そう思わせるだけになってきたと思う。もちろん、とことんやろうと思えば昔ながらの古い映画館には負けないだけのものができあがる。スピルバーグはすでに編集に手間がかかって、画像も時間とともに画質の落ちるフィルムでの制作をやめて、デジタルカメラで映画を撮っている。最新の映画館もフィルムを使った映写機から、デジタル画像を写す映写機が導入されてきた。つまり、DVDに入っているデジタル情報はそっくりそのままもともとの映画の情報に限りなく近づいてきたのである。あとは再生側の問題だ。テレビで観るか、スクリーンで観るか。それはあなた次第なのだ。 |
韓国映画は力がある。映画のストーリーそのものは奇をてらったものではないが、最後までしっかり見せてくれる。これは脚本の勝利なのだろうか。日本映画が本当に淋しく見える。 特殊効果は音響を含め進んでいるとは思えないが、アクション映画ではないので、気にならない。むしろ、雨の中の口づけシーンは、サラウンドをかけると本当に雨の中にいるような感じが伝わり、二人だけの世界を見事に演出する。このシーンのために買ってもよいと思わせる。 |