音楽・道楽
皿うどん・・・サラウンド
 テレビから発展させるならAVアンプを入れてサラウンドを楽しもう。普通のステレオ再生が左右の2本のスピーカーで行われるのに対して、サラウンドは左右や後ろにもスピーカーを置くことで、前後左右を音に囲ませてしまおうとするものだ。映画館では普通スクリーンの後ろに正面のスピーカーが隠れているほか、左右と後ろの壁にも見えないようにスピーカーが並んでいるのだ。これを家庭でも同じようにしようというのがサラウンドの発想だ。しかも、ソフトに入っているサラウンドは映画館と同じなのだからうれしい。そもそも映画は一つの作品だ。音響まで含めてそうなのだ。映画館用とDVD用に分けられるはずもない。映画監督が自分の作った作品がそのまま収められるDVDを放って置くわけがないのだ。あとは再生する側がどこまで追いかけていけるかということになる。
 それではサラウンドはどうしたら体験できるのか。実はサラウンドにはいくつかの方式があって、それによってスピーカーの数も違ってきたりする。それが絵に描いた例だ。
 となりの絵を見てみよう。ステレオによる2本のスピーカーから始まって、次は5.1チャンネルといわれるもの。「チャンネル」というのはスピーカーの数だと思っていい。5.1チャンネルなら、前にメイン2本、センターが1本、後ろに効果音用のものが2本ある。「.1」というのは低音を再生するためのサブウーファーと呼ばれるものを指す。ハリウッドの迫力いっぱいの映画を楽しむにはこの「.1」があった方が楽しい。これがサラウンドの基本形といってもいい。センターはセリフ用という感じだ。ホームシアターでは中央に画面が来るのでステレオ再生の邪魔になりやすいのだ。だったらこの際最初からまん中にスピーカーを置こうというわけ(絵の中では左にひとつだけあるのがサブ・ウーファー。人間の耳は低音の方向性に鈍感なので置き場所は前でなくてもいい)。

 絵を見てわかるようにこれで音に囲まれることができる。サラウンドとは単にスピーカーを増やしただけではなく、それぞれのスピーカーで音の出るタイミングや音の中身を管理したものである。映画などでは前後左右に音が流れていくし、音楽ではコンサートホールにいるかのように背後のスピーカーが残響音を模倣して出したりする。小さな部屋で見ても違った空間を疑似体験できるのがサラウンドだ。

 もっと効果音をリアルにしようということで、さらに後ろのスピーカーを2本増やして7.1チャンネルというものが最近出てきた(中央)。サラウンド用のスピーカーを横と後ろに置く。これでさらに音に囲まれてしまう。これはジョージ・ルーカス監督が制作するルーカスフィルムが映画再生のために提唱するTHXという方式に従ったもの。数年前の映画は先の5.1チャンネル方式が主流だったが、今後はこの方式が多くなると思われる。最新式なのでこれまでの5.1チャンネルの映画も7.1チャンネルに変換して再生できる。

 さらに、もう一つはヤマハ独自の企画だが、前にももう2本追加しようとするものもある。後ろを2本増やしても、耳は後ろ向きにはついていない。だったら、後ろを一本ぐらいにして、前に2本足してはどうかというのがヤマハの言い分である。ヤマハは以前から日本のサラウンドの中心を走ってきたメーカーだ。説得力がある。もちろん、ヤマハもきちんと他のサラウンド方式を使い分けられるから心配はない。むしろ、サラウンドをしゃぶりつくそうというのなら今はヤマハの右に出るものはいない。サラウンドは映画用だと思われているが、ヤマハは世界各地のコンサートホールから残響音のデータを集め、普通のCDの再生でもコンサートホールにいるような雰囲気にしようと試みている。しかも、それは非常によくできたもので評価も高い。取り囲むスピーカーが我が家にコンサートホールを演出するのだ。ヤマハファンの多くはこうした楽しさに惹かれている。ヤマハ式ならスピーカーは8.1チャンネルになる(ただし、ヤマハも8.1チャンネルは最高級機のみとなった。普及価格帯のAVアンプは前のスピーカーが2本少ない6.1チャンネルとなる)。

 オーディオマニアを名乗る崇高な人たちは今でもスピーカーを増やすのは邪道だという人が多い。映画なら先にも書いたとおり監督の思うとおりの再現に近くなるだろうが、CDは2チャンネル用に作られている。だから、スピーカーを増やすのは制作者の意図に反する邪道なのだ。これも一理ある。でも、これは体験してみるとわかる。サラウンドは気持ちをワクワクさせる。オーディオがそもそも疑似体験の世界なら、サラウンドはそうした世界をよりリアルに見せる演出と言える。自分の感性に合うのなら2チャンネルでも、多チャンネルでもいいではないか。音楽も映画も楽しいのに越したことはない。サラウンドを使うことで世界有数のコンサートホールの響きを感じこるとができる。2本のスピーカーでこれを再現するのは非常に難しい。それこそ部屋の改築が必要になるだろう。映画では頭の上を飛行機が通過し、銃撃戦の中に自分が立っているような不思議な気分が味わえる。
 最近よく見かける縦長のスピーカー。これはBOSE製の新機種。スクリーンや大画面にあうように縦は1mを越えるが、スピーカー本体の幅は名刺サイズというから驚く。この幅ならリビングても邪魔にならない。しかも、独自の技術でこの細さにかかわらず、低音にも強い。  いくつものスピーカーを使うサラウンド。実はスピーカーは前後左右の音のつながりを考えると全て同一のものが望ましい。これは5.1チャンネルのセットパック。安いものだと4〜5万円からある。この写真はスピーカーだけのセットだが、さらにサラウンドをコントロールするアンプやDVDの機能を付けて10万円程度のセットもあるから、時代は進んだものだ。

 家族の集うリビングには野暮なスピーカーは置きたくない。これなら棚の上に置いても気にならないかも。扱いもSONYだから安心。  このサイズなら大きなスクリーンを張っても音が負けない。YAMAHAの最新スピーカー。田舎の古い映画館なら音では勝てるか。


 音楽に包まれる。効果音の中にいる。音楽ファン、映画ファンならうれしくなるような言葉だ。それが実現できるという。しかし、一方では条件がある。そう、そんなにたくさんのスピーカーがいるのか。どこに置いたらいいのか。当たり前のことだが、このことを考えるとちょっと難しくなる。リビングで贅沢に楽しみたい、と書いた。だが、その肝心のリビングにいくつものスピーカーを置くとなるとどうか。小型でよいといっても、アンプからは配線もしなければならない。メインのスピーカーはテレビの横に置けばまだよいが、他にも横や後ろにも置かなくてはならない。サラウンド最大の問題点はここにある。概して日本のスピーカーはオシャレじゃない。メインのスピーカーだって、置くのをためらわれるご家庭もあるだろう。女性の目にはこれは厳しいかもしれない。

 しかし、サラウンドの夢に目覚めたら、あとはアタックあるのみ。四角いばかりがスピーカーかと思っていたら、このごろはオシャレなスピーカーも出てきた。色もカラフルである。マニアでなければ、無理に音質にこだわるよりもデザインにこだわってもいい。場所がなければ壁に取り付けるようなスピーカーもあるし、一見しただけではスピーカーとは思えないようなものもある。女性の目にも負けないものも探せばたくさんあるのだ。あとはやる気次第というところか。コンサートホールを模した音楽もさることながら、やはり映画はサラウンドがないと淋しい。派手なハリウッド物よりも、情緒あふれる映画が好きという方でも意味がある。部屋を包む雨の音や虫の声、押し寄せる波や揺れる木々のざわめき、自分を包み込むように流れるバックグラウンドミュージックが、あなたを映画の世界の中に引き込んでくれるだろう。映画ファンを口にするなら、もうやるしかないと、思うのだが。

 言わずもがなの「STAR WARS EPISODE1」(20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン)。
DVDは本編の他に6時間に及ぶおまけ付き。超お買い得品。しかし、やはり魅力は本編そのものにある。
  ストーリーはオーソドックスでCGも旧三作とのバランスのためか一見すると子供っぽい感じにも・・・。しかし、本来のCGはこの世界をまとめるために使われていると言える。細かく映し出される空想の世界なのだ。
 実はこの映画は新宿の映画館で見た。しかし、その時は何か物足りない感じを受けて、ちょっとがっかりしたものだ。それがDVDで見るとびっくり。楽しい。子役の演技も素晴らしい。高速で走り回るポッドレースは必見である。なぜだろう。たぶん、映画館は「STAR WARS」の作り込まれた世界を表現するには箱が大きすぎるのだ。プライベートシアターは自分のために音響のセッティングができる。だから、音の細かい演出や流れまでよく聞こえるのだろう。映画館では音量は大きいが、実体感やスピード感が鈍る。この映画こそプライベートシアターで見たい。ちなみにこの映画のサラウンドはサラウンドEX方式という最新のもの。もちろん、対応していない映画館の方が多い。その意味でも本当の音を楽しめるのはホームシアターなのかもしれない。

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