音楽・道楽
道楽は続くよ、どこまでも 〜 その1 〜
 これまでいくつかに分けて書いてきた話しも、実は去年の秋に手持ちぶさたで書いたものを少しずつ載せてきたものです。あれ以来、久しくオーディオ熱が復活し、この半年ほどの間にみるみる我が家のシステムは変化を遂げてしまいました。ひとくちに趣味といっても、これまでオーディオ以外にも面白そうなことはいろいろとやってきました。ステレオもある程度のグレードまで機械をそろえていきますとあまりやることもなくなって、それなりに満足していた時期もありました。でも、どういうわけかまたいつの間にか、ちょこちょこと気になって飽きずに戻ってくるというのは結局オーディオだけなんですね、僕の場合。中学生の時に興味を持って以来、やめては戻り、やめては戻りして、今に至っております。僕のフトコロ具合からすると今使用している機械よりも高価なものというのは、夢の夢という感じです。そう思うと、ちょっと悲しい現実もあります。でも、いろんな形で、この道楽は続いていくんだろうなという気持ちはあります。「音楽・道楽」をはじめるきっかけとなったのは、金銭的に余裕のない現状でも機械を買い換えずに音のグレードアップにつながるいくつかのアクセサリーに出会ったことでもありました。「音楽・道楽」は今回で最終回の予定ですが、最後に今の新しくなったシステムについてもう少しご紹介して幕を閉じたいと思います。道楽なので、ちょっと詳しく、趣味に走った話を書きます。興味のない方はここでお別れということで・・・ m(__)m

 おなじみになったスピーカーはDS−8000Nでした。スピーカーまわりにはいくつかのアクセサリーを加えて、音も変化させました。まず、一番チャレンジしたのは高価なスピーカーケーブルに変更したことです。去年の暮れからオーディオ熱が復活したきっかけはアンプの電源ケーブルを付け替えたことに始まりました。あまりにも音が変わったので感激して、全てのケーブルを見直しました。僕は低音に味のある感じが好きなようで、電源ケーブルの基本にはハーモニクスのX.CD−15SMというものを選びました。このケーブルにすると音楽が伸びやかで、低音をだらしない甘さにせずに、ゆとりのあるスケール感が出てくるようになりました。音楽が弾んで楽しくなります。そこにもう一つ登場したのがワイヤーワールドというメーカーでした。このメーカーのケーブルは音のバランスに目立ったところはないのですが、全体に音に影ができて、何とも言えない立体感が浮かび上がってくるケーブルです。

ワイヤーワールド
 ヘビのようにのたうつこのケーブルの太さ。このくらい太いケーブルだと、小さなスピーカーではつなぐことができない場合も多いと思う。ワイヤーワールドの「エクイノックス」というケーブル。オーディオにも「写実的」という言葉がある。もちろん、音楽は耳で聞くものだが、目で見えるように・・・という意味がある。この言葉の意味は、ワイヤーワールドのケーブルによってはじめて実感できた。音楽の影が立体感を作る。その分値段も高い・・・。3メートル左右2本分で、ミニコンポが楽に買えるくらい
 (>_<)ヽ ナケルゼェ
 オーディオの世界では音楽に特殊な色づけがなく、録音されたものをストレートに再現することをモニター調と言ったりします。「モニター」とは録音がうまくいったかどうか確認するためにスタジオなどで「試し聴き」をするときに使われる言葉です。スタジオの録音は全ての基礎になりますので、この時はできるだけ個性のない、どんなシステムで聴いてもバランスが崩れないように平均的で無理のない録音を求められます。スタジオでストレートに録音されたものを、自宅のオーディオでもストレートに再現したいときに「モニター調の再現」などというわけです。オーディオが好きな人はやっぱりどんな音でも完璧に鳴らしたいということを求めますので、「モニター調」の正確な再生ができる機械がまず喜ばれますし、各メーカーもこうしたものを作ろうとします。しかし、人間とは不思議なもので音の周波数を低音から高音まで同じ強さで再現していくと、高域の方に耳が引きつけられていきます。逆に高域の方に引っ張られた音は、人間の耳には伸びのよいきれいな音に聞こえたりします。最新のケーブルはこうしたことを意識してか機械的には低域から高域まできちんと平均的に再生されて、聴くと少し明るい華やかな感じで、パッと音楽がきれいに聞こえるケーブルがたくさん出てきました。これは音楽再生の基本レベルが上がったということで喜ばしいことです。しかし、僕の気に入ったワイヤーワールドのケーブルは明るさが出るのではなく、影ができるというのが特徴です。音がパッと目立たないかわりに、素朴でポッと楽器がそこにたたずんでいるという感じを出します。モニター調の音作りは、全てが色付けのないフラットさを求めるわけですが、ともすると妙にクールで味も素っ気もない音になることがよくあるのです。ここにオーディオの再生のおもしろさがあります。
Europeanvintage
 原音再生といいながら電気的に忠実な音を目指すと、音楽的なおもしろさがなぜか薄れてくることがあるのです。オーディオを趣味にする人にはモニター再生を求める人の一方で、もっと積極的にもともとの演奏にプラスして音楽の雰囲気を最大限にかもし出して、より音楽性を高めて聴こうとする方々も実はおられます。コンサートホールやライブハウスの演奏は、生ではありますが音楽がいつも完璧とはいきません。座る座席の位置によっても聞こえる楽器の距離が違いますので本当にその音楽の目指した表現が聴けるのは、実はごく一部の人たちだけなのです。さらに楽しむということを主体的に考えると、自分に心地よい聴き方、楽しみ方の演出を考えることもできます。例えばバイオリンの音色がすごく好きな人はバイオリンを中心にして聴く(実際にバイオリンと同じ材質の木で作られた音色のいいスピーカーも存在します)。逆に細かい楽器の音色ではなくオーケストラの壮大さに包まれて圧倒される表現の中で聴く。オーディオの再生というのは実はこうしたわがままを許してくれるわけです。ですから、生のコンサートホールで聴く演奏もよいけれども、自分の好みに調整されたステレオを通して聴く、自分なりの音楽もまた別な世界としての楽しみを確立できるのです。これはある意味で芸術を鑑賞する世界です。ある風景画があるとします。風景の美しさは生でそのものを見ることにも価値があります。しかし、風景をこころの目の表現として描かれた絵にはまた別な価値があるものです。絵になれば本物ではないかもしれません。しかし、それでも絵の世界はあり、同じ風景を書いても水彩であり、油絵であり、版画であり、表現の方法も無数にあれば、どれを好きになるかもまた無数にあるわけです。

 話が長くなりました。僕の耳には高音まで伸びるストレートで色づけのないモニター調の音よりも、ワイヤーワールドの影をつけてより立体的に生き生きと音楽を楽しませる音の方が心地よく聞こえたのです。実はこれまではモニター調の表現で代表的なS/AラボのHighEndHoseというケーブルを使っていました。これは本当にケーブルの個性がないという意味で、CDからの音をストレートに伝えてくれるよいケーブルです。しかし、僕にとってはどうも音楽が平板で楽しくないように思えたのです。個性のおもしろさを教えてくれたのがワイヤーワールドのケーブルでした。それでスピーカーとパワーアンプの電源をこのメーカーのケーブルにしてしまいました。
 上のワイヤーワールドのケーブルとセットで我が家の音を作ったもう一つの立役者。ワイヤーワールドと対照的に、こちらは白く、細い。中央に特殊なチューブが付いている。細さの理由は、このケーブルが一本の銅線を中心に作られているから。ケーブルを切ってみるとわかるが、普通こうしたケーブルはたくさんの細い線を束ねて作られている。線は一種類とは限らず、むしろ、さまざまな線を使うことで低音から高音まで幅広く伝えられるように工夫している。しかし、線の種類が増えればそれぞれの特徴も違い、音色のバラツキにもなる。これが音楽全体としてのバランスにも影響を与えるという。この白いケーブルは音楽的に吟味された一本の線を使うことで音楽の統一感を向上させる。JAZZはクラシックほどに多くの楽器を使わないので、低域から高域までの幅にこだわるよりも中域の音を濃く生き生きとさせたい。このケーブルはそうした要求に応えてくれる。TMDというメーカーの特殊なケーブルである。

ラジオウェィブカット レゾナンスチップ
 スピーカーの働きを助けてくれるもう一つのアクセサリー。ゴトウ音響が制作したRadiowavecut。これはスピーカーのケーブルと一緒に端子のところに着けるだけで高周波ノイズを除去してくれるというもの。オーディオの機器はこれまでの説明でもわかるようにたくさんのケーブルでつながれていて、そこを電気信号が流れている。そうするとこれらは簡易アンテナの役割も果たしてしまうわけ。各電気機器やパソコンなどから発生するよけいな電気信号(ノイズ)の影響を常に受けている。もちろん、ケーブルにはこうしたことを考慮してアンテナにならないような対策はとられているが、さらに強力にノイズを取り除こうというもの。使用すると高周波のノイズがとれるというよりは、中域の音に厚みが出てくるように聞こえる。高域のよけいな音がとれたせいか。  よく見るスピーカーの上に白い丸いものがある。スピーカーを千昌夫にする・・・幸運を呼ぶアクセサリー・・・ではない。パッと見ても何に効くかわからない丸いシール。これはレゾナンスチップというもの。よく見ると振動を効率よく空気に逃がすチップと粘着テープの二重構造となっている。スピーカーやその他の振動を受けやすいものに張るとよけいな振動がすみやかに空気に逃げるので音のにごりや雑味がとれるという。オーディオのアクセサリーはハッキリと効果のあるものから、気のせいではないかというものまである。こちらは「気のせい」系かも。。。ただ、僕の耳には音の雑味が減ったように聞こえるような。音の余韻がスッ消えていく感じがする。音楽の楽しみは主観の世界だから、気のせいでも大事かも。最近新型が発売された。もう少し、数を貼ってみようかと思ったり・・・。貼りものは外見が悪くなるのが玉にきず。

 もう一つスピーカーまわりの変化として加えたのは、名前も覚えにくい「ムジカライザー」というものです。どんな機械かというと、まずスピーカーは音の振動を発生するものだと説明しました。振動ですからスピーカー自体は出たり引っ込んだりして動いているわけです。音が出ているときにスピーカーにちょっと触ってみるとわかります。これをよく考えていきますと音の信号というのはアンプの方からスピーカーに一方通行でいくのかというと、そうでないことがわかります。振動は出たり入ったりの運動ですから、スピーカー側からもその都度、振動の跳ね返りがあって、それがまた信号に戻っていく。壁に当てたボールのように帰りは行きよりも力は弱くなるけれど、電気信号も当たれば戻ってくるのだと。本当は「行き」の信号だけがあればいいわけですが、どうしても戻りの信号が混ざるのでまたそこで音がにごるというのです。特に低音を出すスピーカーはサイズが大きくなります。我が家のスピーカーでいうと一番下の大きい丸いものが低音用で、一番上の小さいものが高音用です。ですから低音の跳ね返りは強く、高音の信号に悪さをしやすいといいます。昔からオーディオの世界では高級機になると低音と高音を分けて配線したり、あるいは徹底的に各スピーカーを分けて、右も左も高音も低音も全てのスピーカーを全部別々のアンプで鳴らすという方法まであります。我が家の場合はスピーカー部分は全部で6個あるわけですから、6台のアンプを使うということです。こうなると超マニアの世界です。こうしたシステムには高音・低音それぞれのスピーカーのバランスも調整しないといけませんから、さらに特別な装置も必要です。こういうことを簡単に実現できないかというのが、この「ムジカライザー」というものです。これも構造はよくわかりません。ただ、スピーカーからの跳ね返りの信号を取り除いて、行きの信号をにごさないようにしてくれるそうです。接続は今までのスピーカーケーブルとスピーカーの間に挟んで入れるだけです。特別なことは何もありません。電源すらいりません。それでこの効果というと、なるほど音がスッキリします。今までメインの歌手の声に重ねられているように聞こえていたコーラスが、はっきりと二人の声に分かれて聞こえました。ケーブルを変えて影ができて、楽器の立体感を増した上に、さらに楽器の形、歌をうたう口の輪郭がくっきりと浮かび上がります。それだけ今までは音に曇りがあったわけです。取り付けた最初は音が固く引きつったようにも感じましましたが、三日ほどで落ち着いたしっかりした音に戻りました。これはちょっと驚かされる効果でした。

ムジラカイザー これが「ムジカライザー」。実物は頼りないくらいに小さい。先の極太のケーブルをつなぐのは一苦労だった。端子は何とかつながるのだが、ケーブルが太く強いので、はねると抑えきれずに「ムジカライザー」の方が持ち上がってしまうから・・・。本当に頼りないやつである。しかし、効果の方は驚くばかり。写真で2台あるのは、右と左ではなく、我が家のスピーカーが低域用と中高域用の2つのケーブル端子がある特殊なものだから。よって「ムジカライザー」は左右で四台あるわけ。オーディオの世界では話題の新製品である。発売元はインフラノイズ。


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