
| 2002年10月秋葉原の旅 ③ この冬話題の新製品を見る |
| こうして秋葉原の旅は最初の出だしから気分のよい体験で始まりました。実はこの旅は結婚式を挟んで前一日、後一日という行き帰りに秋葉原に行くという日程でした。「エンゼルポケット」はごく小さなお店でしたが、あとは時間の限り豪華な試聴室のあるところを何軒かまわることにします。そこでお目当ての最新機器も聴くことができました。 実際によれたお店は「ヤマギワ電気」「ダイナミックオーディオ5555」「ダイナミックオーディオ サウンドパーク」「アバック1号店・2号店」「テレオン」といったところでしょうか。 「ヤマギワ電気」は表通りに面していてビルも大きく目立っています。蛍光灯や照明器具が有名なのかもしれません。このビルの5階の奥にオーディオ専用機が並ぶスペースがあります。最初はちょっと入りにくいですが、興味のある人は奥まで行きましょう。ここではさまざまな高級機の組合わせがそのまま展示してあります。普通試聴室というのは各社のスピーカーがいっぱい置いてあって、それをあらかじめ決められたアンプやプレーヤーで切り替えながら聴いていくという方法です。こちらはまずあらかじめおすすめの組合わせとして提案されたものが並んでいます。もちろん、一番奥にはスピーカーを切り替えて聴ける普通の試聴室もあります。いろんな形で聴けるわけですね。ただ、いろいろな組合わせで聴ける代わりに、空間を仕切ることが難しくなっています。大きなフロアに全部が並べてあります。あちらで音がすれば、こちらで音がするというふうになるわけです。これは仕方のないところでしょう。 この「ヤマギワ電気」でお目当ての商品をさっそく見つけました。探していたのはエソテリックというブランドの「DV−50」という商品です。これはCDやDVDをはじめ、DVD−Audio、SACDのマルチチャンネル再生に対応した初の高級価格帯の商品です。つまり、これ1台でほとんど全てのディスクが再生可能なわけです。これまでの商品はDVD−AudioとSACDの対応で各社が分かれていました。ビデオのVHSとベータの関係と同じです。どちらも最新の規格でありながら、どちらか一方しか対応していないところがほとんどだったわけです。両方を楽しみたかったら、2台の機械をそろえないと再生することができませんでした。そして、なぜ高級機になかったかというと、DVDという映像機器がこれまで嫌われてきたからです。オーディオの高級機になればなるほど、それは専用機としての価値を高めて研ぎすまされて進化してきたものです。映像機械は扱う信号の種類が増え、さらにいまだ発展途上でさまざまな電気ノイズの問題が解決されていません。高級CDプレーヤーはそうしたノイズ源をことごとく切り離して、価値を高めてきたのに、今さら映像機器と同居することなど考えられない状況があるのです。10万円以下の価格帯では去年こうした何でも再生できるマルチプレーヤーが登場しヒット商品となりましたが、高級機になるとこうした商品は見られなくなるのです。マニアと呼ばれる人は買いません。 しかし、やはり純粋にオーディオのクオリティだけを求めている人も限られています。僕もそうですが、音楽好きには映画も好きだという人がたくさんいるのです。音楽も聴きたいし、映画も見たい。でも、やっぱりそれなりのクォリティで楽しみたい。一般的に見ればプレーヤーだけで10万円(実売は現在6万円ほど)といえばかなり高額な感じですが、趣味の世界に暮らす人には満足がいかないのです。DVDの高級機は現在実売で25万円クラス。CDでもそれぐらいの機械になります。そうした機械を使っている人が10万円の、しかも専用機ではないマルチプレーヤーに乗り換えることにはやっぱり抵抗感があるわけです。だから、多くの人はずっと待ってました。CDもグレードを落としたくない、DVDの映像もきれいな方がいい、DVD−AudioもSACDも最新の規格として満足のいく再生をしてほしい。そういうレベルの機械がほしい。しかし、デジタルの技術は日進月歩。ノイズ対策についてはまだまだ十分ではないですが、高級機のレベルでようやく期待のマルチプレーヤーが登場してくるのが今年の秋なのです。 エソテリックの「DV−50」はその初陣を飾るものでありながら、前評判の高い機械です。他にもラックスというメーカーからこうした商品の登場が決定していますし、他のメーカーでも企画があるようです。「DV−50」はすでに予約がいっぱいの機種ということで、お目にかかれるのかと心配していましたが、各お店も目玉商品ということでしょうか、しっかり確保してありました。「ヤマギワ電気」では一番奥の試聴室でこれを聴くことができました。ドキドキ、ワクワクの一瞬です。持参したJAZZとボーカルもののCDをかけてもらいます。スピーカーはJBLのS143でした。さて、期待の音です。第一印象はハキハキした明るめの音。でも、音の芯はしっかり出ているし、細かい音もよく再現されています。スピーカーがJBLというせいもあるのか、音もどんどん前に出てくる感じです。なかなかよくできたプレーヤーに感じました。ただ、ここでは空間が若干響きすぎるようで、時には甲高い硬さが出てくるようにも感じました。もう少し深みや陰影みたいなものがあってもいいように思います。低音も少し締まりすぎていて、あっさりとしているような。でも、これは組み合わせや使いこなしで変わるだろうと思います。雑誌などではシルバーのデザインが悪いという人もいますが、これも好みの問題で、僕はシルバー自体はあまり気になりませんでした。むしろ、ディスクを乗せるトレイが丸いのはどうかと。。。DVDプレーヤーですので映像を見たり、他の規格のディスクの音も聴きたかったのですが、残念ながらそうしたセッティングではなかったので、普通の2チャンネルステレオで聴いてきました。価格は高いですが、今のところは購入の第1候補にしてよいかなと思います。 |
| ④ 豪華視聴室で聴こう |
| さて、今回の旅は行く先々で気分も上々です。秋葉原のオーディオ専門店として有名なところは「ダイナミックオーディオ」です。ここは秋葉原内に専門店が何軒か散らばっていて、ちょっと面倒なのですが、さすがに専門店ならではでどこのお店も特徴があります。特に最近できた「5555」はビルの七階までのフロアをそれぞれの専門ルームに割り当てて、各フロアで独自の視聴室を構えているから驚きです。僕の今回のお目当ては先の通りDVDをはじめなんでも再生できるマルチプレーヤーですが、最高級のステレオシステムもここでは聴くことができます。 まず最上階の7階がもっとも高価な組み合わせ。スピーカーもアンプも、CDプレーヤーもどれをとっても100万を下りません。はっきり言うと、ケープルも何もかもが最高級品で1000万円を軽く越えるというオーディオセット。。。こうなると口をあんぐり開けてきくしかないと言うのが本当です。視聴室もそれにふさわしい豪華な雰囲気と広さが用意されていて、ソファに座ってゆっくりと聴くことがでます。でも、それにはかなりの図太さも必用で。。。僕はあまりにスゴイ機械でちょっと手で触れられませんでした、ハイ。一人で、店員さんもいなかったのに。。。高級機のオーラと言うものでしょうか。本当はもう少し音量を大きくしたかったんですけど。。。えーと、正直に言うと、機械がいろいろあって、どれで鳴らしているのか判断がつかなかったんです。CDプレーヤーとスピーカーはわかるんですけど、肝心のアンプが・・・。あれこれいじってみる勇気がなかったのです。 ここまで高価な装置で何が違うのか、、、と言われると、答えるのが難しいです。他にも書きましたがオーディオもあるラインを超えると急激な違いはなくなります。車と同じです。なぜ、フェラーリがあるのか。。。そう思ってもフェラーリを欲しいと思う人はいて、フェラーリにしかないものも確かにあるんですよね。オーディオも1000万円のシステムだから、東京ドームで使うのかというと、そうじゃありません。やっぱり家庭の中で使うわけです。楽器や音楽の再現性をとことんこだわるとこうした高級なシステムになるわけです。部品一つが万単位の値段らしいです。 6階は7階よりも価格は落ちますが、こちらも高級なシステムが聞けます。ここでは700万くらいのシステムで聞きました。7階が夢のシステムなら、こちらはお金持ちが現実に買うようなシステムです。雑誌などでも普通の上限はここまででしょう。一般人が夢に見るのも本当はここまでのシステムです。で、結局僕には一生かかっても買えないんですけど(当たれッッ 3億円)。。。 詳しい人のために書くと、CDプレーヤーがエソテリックの70番の組み合わせ。アンプ陣がゴールドムント(もちろんバイアンプ)、スピーカーがB&Wでした。オーディオファンなら誰もが一度は考えるだろう黄金の組み合わせといってもいいかもしれません。なめらかでストレート。自然な肩に力の入らない、それでいてしっかりと楽器がそこで演奏されているという存在感がある鳴り方です。えーと、言葉ではわからないので、知りたい人は実際に行くべきです。それしか言えません。 5階がミドルクラスのオーディオセット。ここが僕の範囲です。一台がせいぜい数十万。ボーナスを清水の舞台から飛び降りる気持ちで汗ばんだ手に握りしめながらやってくる場所です。もちろん、悪かろうはずかないんですな。普通ならまず不満のない音がここで体験できます。おもしろかったのはここでもエソテリックの最新CDプレーヤーのX−30が聞けたこと(エソテリックというブランドが何回も出てきますが、この旅の目的の会社ですので、すいません)。このCDプレーヤーと管球アンプの組み合わせで鳴らしてました。管球アンプというのは真空管というものを使ったアンプのことです。近代アンプは全部がトランジスターといった機械の組み合わせで、ともすると機械らしい、固い冷たい音になりがちです。再現するのは楽器の音ですから、性能だけで語れないところもオーディオの世界にはあります。真空管を使うとトランジスターでは聞けないような肌触りのいい音になるので、機械としては昔からあるのですが、こちらの方が音楽を聴くのにあっているとこだわりのファンがやはりいるのです。問題は真空管はガラス製ですので壊れやすいということと、電球のように熱くなるので取り扱い注意、子供のいるお宅ではちょっと使えないこと、最新の電機部品と比べると高域・低域の伸び、ノイズなどの点ではやはり劣るというものです。この管球アンプと最新式のCDプレーヤーの組み合わせ。これは思ったよりよかったです。先に聴いたDV−50よりもなめらかで自然な感じ。でも、管球アンプの影響も強いので、X−30の音を聴いたかというとちょっと怪しい気もするわけですが。エソテリックというブランドからすると、ちょっと普通すぎて、おとなしいんじゃないかと思えました。 そして、4階は高級ビジュアルシステムの視聴室があります。ここでようやく映像が出てくるわけです。壁一面の大スクリーンとこれもハイエンド超高級品の組合わせです。ウィルソンオーディオというメーカーの最新スピーカーを使って5.1チャンネルのマルチチャンネルサラウンドを行い、プレーヤーとアンプをいろいろ交換できます。僕が見たのはクレルの「ショーケースと」いう最新のデジタルアンプとゴールドムントのDVDプレーヤーでした。きれいに引き締まった映像と、それにあったタイトで明確な音のセットで、映画「ロック」のサンフランシスコを劇走するシーンを見せてもらいました。何の言うこともありません。あきっぱなしの口のアゴがそろそろはずれそうです。こうしたアクション映画では音量もさることながら、音の歯切れのよさ、キビキビとした動きの再現がものをいいます。そのくせ音楽ソフトに変えればしっかりその音楽的な美しさを表現できる・・・もうお手上げ状態です。さすがゴールドムント。。。先のDV−50の倍の価格。性能ももう一段、二段上にある製品です。 3階は特別視聴室で、今回はJBLというスピーカーメーカーとマッキントッシュというアンプのメーカーの組み合わせをやっておりました。これはオーディオファンなら誰でも知っている定番な組み合わせ。最近流行の透明感や音像のぎゅっと引き締まったフォログラフィックサウンドとは違いますが、一音一音の有機的な濃さはまた魅力的です。うちの音はこちらに近いわけですが。。。この階は特定のテーマがなく、随時イベント的にシステムが変わるようです。 2階はオーディオ初級者のコース。ミニコンポから単品の専用機に乗り換えるときに最初の目標となるラインでしょう。僕は大学生の時のバイト代はみんなこのクラスの製品につぎ込まれました。そして、最後の1階はアクセサリー販売のコーナー。一般のお店では見られないオーディオ専門メーカーのケーブルやいろいろなアクセサリーが並べてあります。 足を伸ばして「テレオン」へ。こちらは「5555」に比べればこぢんまりしていますが、機械の方は一通りそろっています。ここでは店員さんからDV−50の説明を詳しく聞きました。先ほど僕も感じた音の固さ、低音の感じが評価を分けるようです。僕もクラシックにはきついだろうと思いますが、個人的にはJAZZしか聴かないので合格点を与えるわけです。「テレオン」ではその他の最新機器の情報までいただきました。やっぱり実際の音を聴くのがいいと思いますね。さらに秋葉原の端まで歩いてたどり着くのが「アバック」です。「アバック」は通販でも有名で、僕もここでよく買い物をしています。お店の方はあまり大きくないですが、最近はスクリーンをいくつも張って、プロジェクターの比較ができたりします。当日はちょうどヤマハのイベントをしてまして、最新のアンプについての詳しい説明を聞いてきました。 こうしてあちこちとまわりながらいろんな機械の音を聴いていくのは楽しいものです。音楽に耳を傾けていると時間もどんどん過ぎていきます。十分にとったと思った時間も、こうして過ぎていくのでした。 |
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| ウィルソンオーディオの「システム7」。すべてが最先端の技術で作られたスピーカー。音を出すスピーカー部以外はできるだけ音を出さない材質、設計で、見事に整った音を聴かせる。 | ゴールドムントのDVDトランスポート。これはディスクから信号を読みとるだけで、本当の再生にはD/Aコンバーターという別な機械が必用。すばらしい映像と音をこの機械がディスクから吸い上げる。 |