
| 七転八倒の顛末は・・・・ |
| 前回に引っ越し先を決めた報告を書きました。新しくきれいで広いマンションを捨て、古くて狭いがまとまりのよい一軒家をとった・・・。しかし、問題はそこからさらにふくらむのでした。まず、入居の問題。2月1日には入れないと連絡があったのです。前の入居者が2月5日にならないと退去しない。さらに家の修復・掃除などのために実際に入れるのは10日以降とのことです。それは困った。さっそく会社との相談です。辞令の出ている2月3日の月曜日には出社してほしいが、その日は引っ越し完了できない。引っ越しの日にちを遅らせることはできないから、それまで別なところで過ごすしかない。そこで会社が管理している部屋があるのでそちらで10日ほど住まないかということになりました。荷物は会社の倉庫に預ければ、引っ越し屋さんに払う費用も少なくて済みます。これでなんとか日を延ばそうという話になりました。かなり強引な話ですが、とにかく苦肉の策です。 しかし、しかし。今回の引っ越しはこれだけでは済まなかったのです。1月31日に荷物を出して、以前の家を引き払い、現地に到着しました。荷物は会社の人もビックリな量です。僕は四国の人ではないので、実家に荷物を分けるということもなく、すべての荷物を持って移動しております。すでに遊牧民状態なのです。年々とこの荷物が増えていきます。さらに引っ越し屋さん泣かせなのは本の量もそこそこに多いこと。大きくかさばる荷物はスピーカーくらいですが、小さい箱ほど本が入っているので重い。それが我が家の引っ越しです。荷物を入れるのに用意していてくれたのは使われなくなって朽ち果てつつある社員寮でした。4畳半と6畳、それと4畳半ぐらいの台所がついています。暮らすには困る空家も荷物を入れておくには差し支えないです。荷物は見事にいっぱいになりました。前は3LDKに居たわけですから、仕方がないです。新しいところでも一室は物置き決定でしょう。新居を見るにも2月5日までは見れません。仕事もあります。結局新居を確認しにいけたのは2月8日土曜日となりました。 とにかく8畳あればステレオが置ける。スクリーンが張れる。周囲の家もない。その確認をしなければっっっ。2月8日朝9時半をまわったところです。鍵は前日にもらっていました。おそるおそる新居に足を踏み入れます。一番に確認するのはもちろん間取り。今回の騒動はここで待ち受けていました。見るとそこには肝心の8畳がない。6畳しかない。それも微妙な間取りで実際には変形の6畳です。今回の騒動はここで一気に問題が爆発しました。入居2日前になって部屋が使えないことが発覚したのです。これからは大騒ぎです。不動産屋さんに連絡をすると、畳入れ替えの時にわかっていたけれども廊下も使えるから荷物を置けるだろうと連絡しなかった、ガマンして入居してほしいと言われます。これは弱りました。でも、そうも言われると納得もいかない。ちょっとカチンときました。向こうもカチンときたんでしょう。入居2日前です。現物を見ないで決めたそちらが悪いと向こうは言います。こちらも6畳を8畳と言って契約だなんて話が違うと突っぱねます。こういう場合はどちらも謝りません。謝った方が契約違反です。それでどちらも謝らないのはわかっているので、現実的にどうするかという話にならざるを得ないのですね、世の中は。で、どうしたか。僕もカッカッときていますので、もう後に引く気もありません。新しいところを探してもらいたいとお願いしまた。新しいところなんてありません。選びに選んだんです。向こうも強気です。新しいところをと言うのなら条件を曲げてもらわないと困る。8畳付きの一軒家を探すから、今度はそこに入ってほしい。こちらもギリギリの状態です。もう音楽をどうこう言える立場でもありません。ヘッドフォン生活になっても8畳ならスクリーンは張れます。最近はサラウンド再生ができるヘッドフォンというやつも出てきています。もう帰る家も引き払っています。こちらもそれで手を打ちました。さっそく探してもらいます。 こうしてドタバタの末の2日後。会社の方には週末まで荷物を預かってもらうことにして、再び新しい家が決まりました。不動産屋が見つけてきたのは洋室が8畳と6畳の二間、さらに和室6畳とダイニングキッチンまで付く一軒家。しかも、これがまたまっさらと言えるほどの新築そのもの。誰が見ても唖然とするような白亜の借家なのでした。 そう、誰がこんな借家があると想像できるでしょう。壁一面が真っ白の新築中の新築。東向きの壁はいたるところに大きな窓が並んでいます。高台にはないので、眺めが絶景とは言えませんが、周囲の家は平屋が多く、二階の窓から見ればずいぶんと見渡しがききます。目に入るマンションもかなり遠くにあるだけです。2階には8畳の洋室とダイニングキッチンが、1階には6畳の和室と洋室があります。ダイニングキッチンも縦長ですが、広さは10畳近くあるでしょう。床も畳もツヤツヤピカピカでまっさら状態。深夜電気温水器付きで、お風呂もユニットバスにしてはかなり広々としています。キッチンもきれいなままで油染みもありません。作りとしては廊下を中央に部屋が左右に分かれてしまうのですが、いたるところに収納スペースも作られていて、床はすべてバリアフリー。本当にシャレタ作りの一軒家です。 普通、借家というのは借家用に作られるものです。アパートでも、コーポでも、マンションでも他人が住むことを前提に作られているのです。しかし、ここは明らかに違います。ここは家族が住むために普通に建てられた家です。大家さんがすぐ隣で、実はこちらの玄関から大家さんの玄関までは簡易的にですが波板の屋根が続いています。そうです。年老いた大家さんは明らかにお子さんのために、この家を建てたのです。一緒に暮らそうと思って建てた家に違いがありません。事情はわかりません。結局、入居はせずに、遊ばせてもおけないから仕方なく貸家になった。そんなふうにしか考えようがありません。住宅展示場にでもあっておかしくないような新築の家が、借家として目の前に出てきたのです。不動産屋さんは胸を張ります。ここしかあり得ないと。誰が見たってこんな借り得なところはない。自信と勝ち誇ったようなオーラに満ちています。これまでの事情が事情です。僕ももう断れません。家賃もこの白亜の家が、前回見たマンションと同じ6万円という超格安価格なのです。普通ならあり得ない条件です。四国の田舎とはいえ、ここなら子持ちの家族で入るのが普通です。家賃が10万円と言われても誰も不思議に思わないでしょう。本当なら迷います。こんなきれいすぎる家は明らかに分不相応です。借家用に造られている家は壁が白なんてことはありません。壁紙もそうですが、家の造りそのものが修理や修復を前提に考えられています。ここでは家の造りもきれいすぎて傷でも付けたら大変なことになりそうです。台所の油汚れなんて要注意です。掃除嫌いの僕はこういうきれいなところはかえって苦手なんです。しかし、不動産屋さんの放つオーラは有無を言わせない力がありました。ここ以外にはないと言っています。わかりました。ここを借りましょう。実はいくつかの問題点があるのですが、それをおいて、まず借りましょう。ここで決めましょうと不動産屋さんにうなづく僕なのでした。 |