
| オーディオのまか不思議 |
オーディオの世界にはまか不思議なことがたくさんある。それは幽霊の話に似ている。本当か嘘か。現実か錯覚か。あるいはそれは心の話か・・・。 |
|
前回はスピーカーと床や壁との関係で書いた。それで音も変化させることができるのだと。もう少し複雑になってくると床や壁の材質が気になってくる。畳に置くとどうなるか。昔の畳はい草を編み込んで作られている。最近は畳も科学素材でマットのようになってきた。どちらにしてもそれは空気を含んでいて、やわらかい弾力がある。日本人のお尻にあわせてある。で、そこにスピーカーを置くとどうなるか。そう、スピーカーの振動を利用して低音をかせごうとしているわけだから、やわらかい畳では音がふくらんでモワモワとやわらかくなる。本来の低音も振動と一緒に吸収されて逃げちゃったりする。ドラムのタイトなリズムや金管楽器の伸びる高音が聴きたいのなら、これは具合がよくない。音がどうもはっきりしないのだ。では、板張りのフローリングならどうか。構造にもよるが、畳に比べれば低音はしまり、高音は伸びてくる。土台はまずしっかりガッチリとした方がいいようだ。 |
| (?_?)エ?、前回と写真が同じ・・・よく見てますな。しかし、注目してもらいたいのはその足の部分。写真ではわかりにくいが床は畳である。このスピーカーを畳の上に置くと、低温が床に伝わって、ボコボコ・モコモコとした音になる。その影響で高域も詰まって聞こえる。直置きではまったくよくない。 スピーカーの本体は縦に並ぶ三つの丸い部分である。下から低域用、中域用、高域用になる。本来ならこの部分しかいらない。しかし、この三つとも宙を飛ばない以上、箱にくっつけなくてはいけない。 |
音は振動である。中学ぐらいで習ったか。音とは物の振動を鼓膜の振動で受け取ることである。そうすると理想の音を出すスピーカーは本来ならスピーカーそれ自身で全ての音をまかなえるのがよい。スピーカーを入れている箱なら責任も持てるが、床やら壁やらの振動まで利用するとしたらどんな音になるかはメーカーも保障はできない。ミニコンポのスピーカーは最初からその理想はあきらめている。その割り切りの上で、小型だけど、それなりのバランスで音が出せるようにセッティングを工夫してもらってそれを補おうとするわけである。あるいは最初から低音と高音に味付けをして、無理矢理メリハリをつけてしまうのである。縦型のスピーカーは箱を大きくすることでとりあえず低音を出してしまおうとする。あとのバランスは床から持ち上げたりしてまた考える。出ない音を作ってもらうより、まずは出しておいて調整してもらう。簡単に言えばそうなる。音が出せないことを個性的な味付けでごまかしている物はあとから直すことは難しい。高価な物は概して基本のレベルをあげた上で個性を楽しんでいる。理想のスピーカーがない以上はどんなスピーカーでもこのジレンマの中にある。もちろん、こうしたことをとことん考えて外部の影響を全く無視しようとする超高級なスピーカーもある。だが、スピーカーが宙を飛ぶことはあり得ない。どうしても何かにくっつく以上は、振動の問題は残り続ける。振動は音である。よい音なら「響き」といわれ、悪い音なら本来の音をにごす「雑音」になる。 |
| ここまでの話をなるほどと感心して読んできたあなた。自分のスピーカーのセッティングを気になりだしたあなた。あなたはすでにオーディオのまか不思議にはまってきています。考えてみれば、製品というものはそれ自身で完成しているのが普通です。特に家電製品というものはそうです。しかし、ステレオは違うのです。買って、置くその瞬間から音作りが始まっているのです。「スピーカースタンド」を紹介しました。カタログを見ると専用をうたったものがきちんと乗っています。でも、安いスピーカーのものはたいていは飾り専用です。「スピーカースタンド」一つとってもものすごくたくさんの種類が実はあるのです。気に入った音のスピーカーを買う。部屋に置いて音楽を聴いてみる。高さ、壁との距離、置き場所の材質を考える。もう少し音に工夫できるかもしれない。スピーカースタンドを探す。さまざまな高さ、材質、デザインのスタンドたち。生活の中の音楽をどう演出するか・・・そう思うあなた。あなたはすでにオーディオのまか不思議にはまってきているのです。 | ちょっと見にくいが、左が名作「ベン・ハー」(ワーナーホームビデオ)、右が「グラディエーター」(ソニーピクチャーズエンターテイメント)である。 「ベン・ハー」はフィルムの傷の修正の他、音響もサラウンドに変更された最新仕様で復刻された。人海戦術をくししたスペクタクル映画。一方の「グラディエーター」は全編CGを駆使した最先端の映画。サラウンドももちろん最新仕様で、映画館ですら対応しているところは少ない。個人的には「グラディエーター」のCGの見事さや洗練さは認めるものの、壮大さや人間の迫力という点では「ベン・ハー」に分があると思う。あなたはいかが。 |