■鳥羽離宮散策2
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院政の地の石碑

 上の写真は、「白河法皇 鳥羽法皇 院政之地」と記された石碑です。鳥羽天皇陵の前にあります。以前行った時には写真のように猫ちゃんの大群(写真に写っている倍ほどの猫がいました)がいたのですが、暑い盛りに行った時には1匹も見かけませんでした。

安楽寿院

安楽寿院  三尊石仏

 安楽寿院は、鳥羽上皇の御願によって東殿に建てられた御堂です。二基の塔、九体阿弥陀堂、不動堂などが附設されていました。
 現在の安楽寿院の本像は、鳥羽上皇の遺骨を葬った三重塔の本尊と推定される、美しい阿弥陀如来です。

冠石  五輪塔

 安楽寿院の周辺には、石造物が残されていますので紹介します。
 本堂のそばの小屋の中に、三尊石仏が2つ安置されてい釈迦三尊、左が薬師三尊です。これらの石仏は享保年間(1716〜1735)、成菩提院跡から掘り出され、安楽寿院の境内に祀られたました。もとは3体並んで祀られていましたが、1番破損が少ない阿弥陀三尊は、京都国立博物館で保管されています。凝灰岩でできており、ぼろぼろ摩滅していますが、藤原時代の貴重な遺仏です。
 鳥羽天皇陵前にある冠石は、鳥羽上皇が法皇になられた時に、冠を納めた所と伝えれています。
 老人ホームの前には、大きな五輪塔があります。如法経塚ともいい、鳥羽上皇が如法経を納めたと伝えれていますが、弘安10年(1287)2月の銘があり、鎌倉時代の物であることがわかります。

北向不動

北向不動

 安楽寿院の西にある北向山不動院は、北向不動と呼ばれ王城守護のために北向きに安置されています。寺伝によると大治5年(1130)に鳥羽上皇の勅願によって建てられたと伝えています。境内には鳥羽上皇遺愛の松があります。

【参考文献】
山中章・山田邦和共著『日本の古代遺跡 京都2』(保育社 1992)
『京都市の地名』(平凡社)
長宗繁一・鈴木久男「鳥羽殿」(『平安京提要』角川書店 1994)
竹村俊則『昭和京都名所図絵 6洛南』(駸々堂 1986)
杉山信三『よみがえった平安京』(人文書院 1993)
川勝政太郎『京都の石造美術』(木耳社 1977)
京都市歴史資料館制作「京都の歴史年表解説シート 鳥羽離宮」(京都市歴史資料館のWEBサイトでダウンロードできます)

安楽寿院WEBサイト(本尊の阿弥陀如来におまいりすることができます)

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