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第1シリーズ 12話 「入学決定第一号!」
受験へ向けてほとんどの3年生は部活動を引退していたが、野球部の平山英吉(茂木昌則)だけは「俺から野球を取ったら何もない」とばかりに続けていた。その英吉の元に先輩の邦枝が高校のコーチを連れて視察にやってきた。英吉はスカウトされたと思い、進路が決まったと大喜び。3Bはさっそくお祭り騒ぎに。
しかし、学校を通さず直接生徒を勧誘する非礼と、なにより英吉の学力には見合わない高校であるため、金八(武田鉄矢)、服部(上条恒彦)らは素直に喜べない。天路(倍賞美津子)も英吉が左足首に古傷を抱えていることを指摘して、故障で部活動を続けられなくなった場合について考える。
先生達のそんな心配を突っぱねていた英吉だが、金八にスポーツで鍛えた正々堂々の精神を諭されると徐々に思い直す。結局推薦されることも決まり、英吉は「野球も勉強もやるよ」と言うのである。
みどころ談義
- ● 一般の人が持つ金八先生のイメージは、この回のようなものだと思うんですよ。
- ○ 「ザ・説教」というような展開だったね。
- ● 今までは一緒になって長ランを着てみたりディスコダンスを踊ってみたり、割と気持ちを分かってあげたうえで諭して励ますことが多かったのですが、この回は…。
- ○ やたらと平山をたしなめるんだよね。平山なりに考えて日東高校へ行くことを決断したとは露ほども思っていないようだし。スポーツ推薦に対する過剰なほどの敵視も気になるよね。
- ● どうしたんでしょう。
- ○ やはり今までの問題と受験問題では、問題の種類が違うのかな。受験で人生の全てが決まるワケではない、と金八は言うけれど、でも、全てではないにしても重要な部分がここである程度方向付けられてしまうから。だから厳しくいったのかな。金八もおそらく初めて受験生を担任しているんでしょう? ナーバスになるのは仕方ない。
- ● 騒ぎすぎてクラス全体に影響が出てしまったということもありますよね。
- ○ それだ。これから受験シーズンに突入するにあたって、一度全体を締める必要があったんだよ。
- ● だから敢えて厳しくいったんですか。金八先生は優しく諭す方が得意だし英吉にも通用するんですが、同時にクラス全体も見なければいけないから釘をさしたというような。受験というものは引きしめないとくぐり抜けられないある意味修羅場ですからねぇ。それなら納得です。
- ○ いち早く進路が決まりそうな生徒に、決まった後も気を抜かせないための動機づけをさせる。それによって一般受験組は集中できるし、感化されるところもあるという。
- ● なるほど〜。
- ○ …なーんちゃって(笑)。
- ● えっ!!
- ○ なんちゃってです。それはちょっと誉めすぎ。好意的に受け取りすぎ。だってさぁ、前半のやりとりを見る限り、スポーツ推薦はあまりオススメしない、という主張を絶対言ってるもん。周りの影響どうこうというのは二の次だと見た。
- ● そんな…。今の我々のやりとりはなんだったんですか。
- ○ まぁ、なんでもかんでも100%素晴らしい!ということはないから。今回の反スポーツ推薦というような内容はちょっとやりすぎ、政治的な主張が強すぎで、あまり惹きつけられなかったと。そんな回があってもいいんじゃない?
- ● そうですか…。僕は最後の方で金八先生が田沢先生の前で天路先生について熱く語るところなんか面白かったけどな。
- ○ もちろんそういう部分は楽しめたよ。「ハートがある」「美人」「グラマー」「思いやりがある」「成熟した女の魅力」とベタ褒めだもんね。それも田沢先生の前なのに我を忘れてベラベラ喋っちゃって。
- ● 興奮していましたよね。しかしたしかに天路先生が担任でもない英吉をあそこまで心配して親身になって考える姿はカッコよかったです。
- ○ 金八もそれに感化されちゃってね。いい夫婦だよなぁ。
- ● まだこの時点では結婚していないですよ。
- ○ あぁそうか。
- ○ 「ザ・説教」というような展開だったね。
小ネタ拾い読み
- 平山は「2年からレギュラーでキャッチャー、4番」。
- 先輩の格好が…ものすごいバンカラ。
- コーヒーを出した際、砂糖をいくつ入れるか金八に聞いた天路だが、「ひとつ」と答えたにも関わらず2杯入れている。
- 英吉の親父は江戸染めの職人。
- 金八の柔道の先生は「鬼熊」。
- 雪乃は左利き。