ホーム > 放送年表/鑑賞ガイド > 第1シリーズ18話
第1シリーズ 18話 「十五歳の母出産 その2」
浅井雪乃(杉田かおる)の陣痛がいよいよ激しくなってきた。宮沢保(鶴見辰吾)は何もしてやれない代わりに受験を絶対に頑張ると誓う。一方、浅井家は病院へ顔を出そうともしない。ソワソワと落ち着かない金八(武田鉄矢)に、池内シカ(都家かつ江)は「合格第一号はお雪ちゃんに決まりだよ」と声を掛ける。
翌日、ついに赤ん坊が生まれた。元気な男の子だった。そのころ受験生たちは面接試験の真っ最中。中学三年間で一番楽しかったことは何かと質問された保は、「素晴らしい担任の先生に巡り会えたこと、それと、クラス全員の友情を感じることが出来たことです。」と答えていた。
雪乃と面会した金八は、子供の名前には「歩」がいいのではないかと伝える。その帰り道、天路(倍賞美津子)から雪乃が出産間際に「お母さん」と叫んだことを聞かされると、もう一度浅井家へ行ってみようと思い立つ。ところがやはり雪乃の父は金八たちを一蹴。「悲しいな」と悲嘆に暮れる天路を金八はそっと抱き寄せる。
入試の合格者が発表され、保は見事合格、しかし神保文子(山口仁子)らはまさかの不合格。金八は気にやむ生徒たちを励まし見送ってやると、その背中に「頑張れよ」と呟くのだった。
みどころ談義
- ● 生まれました!
- ○ いやいや良かったね。やっぱり杉田さんの演技力。本当の出産シーンのように錯覚してしまったよね。さすが天才子役!
- ● 「助けて、お母さん」にはヤラレました。考えてみれば、肉親も側にいない、保もいない、という中で出産したんですよ。いくら天路先生が付きっきりだったといっても辛かったでしょうね。
- ○ 浅井家の薄情さといったらないね。父親は雪乃を恥としか思っていなくて、世間を見返すには息子を東大に合格させることが全てだと思っている。ああいう状況では母親も顔色を窺いながら動かざるを得ない。
- ● 最低の家ですよ。宮沢家が理解あるだけに余計に辛い。
- ○ でも…父親のいうことにももっともな部分はあるんだよなぁ。「問題はどうやって育てるかだ」。だからといって雪乃を放っといていいはずはないけれど。
- ● そういわれてみれば、たしかに雪乃が出産して保が高校に合格すればそれで一件落着、ということではないですもんね。これからが勝負だと。
- ○ 金八は、雪乃の兄・洋一が東大に合格すれば雪解けが来るはずだと考えているんだよね。
- ● あぁ…。
- ○ 3Bの生徒も神保文子が不合格、岡村一男が補欠という結果。優等生が必ずしも結果を出すとは限らないということを金八は身をもって知ったと思うんだけれど、それでも洋一の合格を信じずにはいられないというのが切ない。
- ● もう一つ気づいたんことがあるんですが、この回からオープニングの最後のカットが「課外授業」の風景に変更されました。今までは正門を通った金八がファンキーにジャンプする場面だったんですが。
- ○ 課外授業は名シーンの一つだから当然オープニングに使われて何の問題もないんだけど、実はロケ地の中学の方から「出産の回でウチの学校の映像を使うのは、誤解を生むからくれぐれも止めてくれ」と要求があったという噂もあるよ。
- ● そうだったんですか…。世間は世知辛いなぁ。
- ○ いやいや良かったね。やっぱり杉田さんの演技力。本当の出産シーンのように錯覚してしまったよね。さすが天才子役!
小ネタ拾い読み
- 歩の体重は3050g、身長は50.5cm。なかなかの健康児。
- 弥市、前回金八から借りたマフラーを腹巻にしていた。
- 子供の名前を「歩」と提案した金八だが、もし女の子だった場合はひらがなの「あゆみ」がいいと思っていた。
- 保が合格し文子が不合格となった成林高校の倍率は7倍。
- 文子の「このままじゃ悔しくて、線路に飛び込む気もしません」は、前回の教頭先生の言葉に続いて、今後の事件への前フリ。