金八先生マニアックス

ホーム放送年表/鑑賞ガイド > 第2シリーズ2話

3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第2シリーズ 2話 「心を病む子供達(その2)」

再び若杉病院へ戻った金八(武田鉄矢)に、斉村(高野浩之)は、「母を押しつけがましく思っていた。自分で解決できないことを母のせいにしていた」と過去の自分を説明。そして、大検を受けて大学受験を目指すという新たな決意を語る。金八は帰りの車内で、「オレはあんなに悲しい子を決して作らん」と改めて誓う。

桜中に戻った金八は、職員会議にて思春期心身症について報告。目的なき勉強を改めなければと訴えると、上林先生(河津祐介)は「成績順というのは社会的常識。幻想を与えるようなウソをついてはいかん」と言う。金八は思春期心身症と8年間闘った若者の例を挙げ、「そういう生徒を出してはいかんのです」と再度力説する。

用務員の川村(三木弘子)に呼び止められる金八。金八が3年B組の生徒たちに配った福岡土産の梅が枝餅が、あろうことかゴミ箱に捨てられているというのだ。お土産が欲しい、じゃあ買ってこよう、その約束の結晶である饅頭を捨てるとは何事だ、と金八は激怒。「捨てるならなぜ家のゴミ箱に捨てなかった。それが礼儀、それが思いやりだ」と説教する。

学級委員が号令をかけられなくなるほどショックを受ける生徒たち。金八が教室を出ると、素直な者たちは金八のもとに駆け寄り口々に謝る。3Bでは、これ以上の追求をしないとの約束を取りつけてから白状した松浦悟(沖田浩之)に対し、迫田八重子(川上麻衣子)が抗議するのだった。

80年10月10日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 竹之下寛次

視聴率: 23.3%

DVD: 第1巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 博多駅のホームへ向かう階段の場面から、前回の続きということになります。
○ 金八先生に言わせると「乗り遅れ」で病院へ戻るんだけれど、でもこれ、「君に言った一言を思い出したので戻ってきた」と言うと斉村を恐縮させちゃうから、わざとマヌケに言ってるんだよね。ちょっとした気遣いがいいなぁ。
● あくまでも理由は「乗り遅れ」にしつつ、実はずっとその一言を思い出せなかったが帰りの駅で思い出した、と言うんですね。
○ そうそう。正直に話したことで、改めて斉村の昔のことやこれからのことを腹を割って話せて、気持ちに一区切りつけることができて、そのうえで無事帰京すると。
● さぁ、いよいよ桜中学に戻ってきましたよ!
○ 思春期内科に行ってきたことの報告会がまずあって。上林という新しい先生の、頑固な体制側でありながらどこか捉えどころのない感じが面白い。それに、この報告会のシーンは8分間もあるんだよ。
● 先生方のやり取りや金八先生の熱論が久しぶりに堪能できます(笑)。
○ そして、「金八」の華、3Bの生徒たち。
● お調子者の繁好、冷めた目線のガリ勉・久之、見るからに真面目そうな学級委員・美保子…個性派揃いの印象です。後にスーパーさくらのアッコさんになる明子もいますね。
○ でもなんと言っても目立つのは松浦悟でしょう! いかにも反抗期という雰囲気で。
● 悪いですよねぇ。下級生に挨拶を強要し、乾先生に絡み、そして、金八の言葉を逆手にとって取引してから白状するんですから。で、この取引が次回に影響してくるんですよね。
○ そういうことだね。欠席している梶井大吾とのエピソード。しかしこの場面でね、梅が枝餅を「捨てるならなぜ家のゴミ箱に捨てなかった!」という言い方を金八先生はするじゃない。これはものすごく衝撃的だったなぁ…。
● ちょっと変わった視点ですよね。
○ そう。普通は捨てるなと怒るんだよ。でもここでは金八先生、そんな幼稚園児に言うような当たり前の注意じゃなく、生徒たちがびっくりするような視点から、礼儀と思いやりを考えなさいと言う。饅頭というごくごくありふれたものを出発点に、こういうインパクトある言葉を投げかけるのがホント素晴らしくて。目から鱗。ずっと心に残っているシーンの一つだよ。
● なるほど…。舞台が学校に戻って、金八先生のお説教もあって、いよいよ新シリーズスタート、という気がしてきましたねぇ。
○ 今回は、生徒が梅が枝餅で遊んだり捨てたりするシーンと、斉村の母親が「子供を信じることだ」と言うシーンがすごく対照的で。金八の思いがどう生徒たちに伝わっていくのか、今後の展開がとても楽しみ。

小ネタ拾い読み


1話≪ - 放送年表 - ≫3話

金八先生マニアックス