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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第2シリーズ 7話 「3B学習発表会 その1」

朝のコーラスもだいぶ板につき大きな声で主張できるようになった3年B組。しかし来る学習発表会のクラス演目をまだ決められずにいた。気乗りしない生徒らは「かったるい」「受験があるのに時間を取られたくない」と言い、また椎野一(ひかる一平)はぼんやりと覇気がなく、金八の心配の種となっていた。

金八は班ごとに出し物の案を考えるように言うが、やはりまとまらない。困り果てた班の代表者たちは職員室の金八を訪ね、「何をやるにしても準備不足だ」と諦めてしまう。そんな生徒らに金八は「進学しない仲間のことを考えてみろ」と説教。迫田八重子(川上麻衣子)ら代表者の顔つきが変わり、その夜までの間に「雪の夜ばなし」の劇を演じることに意見がまとまる。

ところがその意識は3B全体には伝わりきらず、平尾久之(藤田秀世)は自分の配役が気に入らないと不満を言い、面白半分の男子は主役を演じたいと積極的な立見八千代(中村美奈子)を目立ちたがりとからかいだす始末。

ある朝の登校時、小室スミ江(海老井まゆみ)は後輩から「3年生を励ます会にするので2年生がイニシアチブを取る」と告げられる。面目を失いつつあることに気づいた3Bは、ようやく尻に火がつく。加藤優(直江喜一)だけは仕事を抱えていることもあり役から降りると言い出すが、そのとき八千代が立ち上がり、家の理髪店を継ぐため高校に進学しないことを告白。「今度の発表会が皆とやれる最後のこと。だから一生懸命だった」。心を打たれた3Bは一つにまとまり、優の気持ちも動く。

金八が「君たちは中学三年生なのか、受験生なのか、どっちだ」と問い掛けると、「中三らしく最後までやれる」と答える3B。生徒らは遅くまで練習に準備に一生懸命励み、金八もまた国語の授業を使って脚本の読み合わせを手助けするのだった。

80年11月14日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 大岡進

視聴率: 25.1%

DVD: 第3巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 金八名物、「なかなか決まらない文化祭の出し物」シリーズの元祖がこの回になります。
○ この後、定番の出来事になっていくんだよね。第5シリーズでは空手の型を披露しようとするけれどまとまらなくて、第6シリーズでは阿波踊り派と分裂するし、第7シリーズでは金八と生徒のソーラン勝負。他にも、第4シリーズでは合唱コンクールの練習を真面目に取り組もうとしない、なんて話もあった。
● 今回キーになるのは、進学せずに理容師になるという立見八千代ですね。
○ 来年の今ごろはもう一社会人として働いている八千代。学生最後の思い出作りに一生懸命だったんだけれど、それを皆は知らなくて。
● そんな同級生から「3年生だからこそやるの。皆もやってよ」とお願いされたら、生徒たちも考えさせられちゃいますよね。
○ 今このときの大切さを一番知っていたのが八千代なんだよね。そして金八もそこに念を押すような形で「中学三年生なのか、受験生なのか、どっちだ」と生徒に強く問い掛ける。
● 中3らしく最後までやれる、と団結した3Bを見て金八先生、「よっしゃ、3年ばっかりだこのクラスはぁ!」って、あの興奮した言い方がこの回のハイライトですね!
○ あれぞ金八節。素直に喜びに溢れた言い回しというか。つい真似したくなるセリフ口調(笑)。
● そして八千代の「進学せずに働く」ということが加藤優の心にも引っ掛かってくるんです。
○ 思わず八千代の働く様子を見にいってしまう…というのは少々クサかったけれど、でも、ああいう何かに興味を持って積極的になる加藤の姿は3Bに来てから初めてだったんじゃないかな。
● 加藤の気持ちに変化が出つつ、劇本番へと続いていくと。

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