ホーム > 放送年表/鑑賞ガイド > 第2シリーズ14話
第2シリーズ 14話 「東京は理社に弱い」
年が明けた。入試が近づき、少しでもいい点数を取りたい者たちは、入試科目ではない社会や理科の授業中に内職に励む。山本まどか(福家美峰)は国井先生(茅島成美)に注意を受け謝るが、国井はおさまらない。「不正を正すのは私の職務」と授業そっちのけで息巻くと、見かねた加藤優(直江喜一)が「ケツの穴の小さいこと言いなさんな、オバハン!」と一喝。ショックを受けた国井は退出し、根がマジメなまどかは責任を感じて泣き出してしまう。
まどかは貧血を起こし早退することに。内職をした者が複数いる中まどかだけが槍玉に挙げられ、納得のいかない女子は男子に抗議する。平尾久之(藤田秀世)は小川正(庄野たけし)もやったと責任から逃れようとし、他の男子は生理じゃないかとさえからかい始める始末。まどかを家へ送っていた金八(武田鉄矢)は、まどかの気持ちを理解してやった上で、「焦っちゃいけない。取り乱したらマイナスになるだけ」と声を掛ける。
3Bに戻った金八に、正は自分のルール違反を謝りつつ、どうして内職してはいけないのか説明を求める。当面必要なのは英国数の3教科なのではないかと。金八は「目を盗みながらでは身に入らない」「勉強は試験のためにあるんじゃない」「いずれ役に立たない教科はない」と説明し、共通一次で東京の学生は理社が弱いというデータが出ていることを明らかにすると生徒らは一応の納得を見せる。しかし言葉では分かっていても現実は…。
家で落ち着いたまどかは国井に詫びの電話を入れ、心から謝る。何かと気苦労が耐えない金八は、内申書の記入に頭を悩ませながらも「俺がめげたら生徒はどうなるんだ」と気合を入れなおすのだった。
みどころ談義
- ● 優等生も神経質になる時期なんだなぁ。
- ○ 几帳面でマジメなまどかや正が波乱を呼ぶとは。でもまぁ内職が良いのか悪いのかというのは表層的な話なんだよね…なんていきなり語りだしちゃうけど(笑)。やめなさいと言ってやめさせて済む問題じゃない。高校受験への合理性を考えると体育の福田先生や美術の悦子先生のように黙認すればいいことになるけれど、それとは違った視点から見ることも大事だと金八は思うから頭を悩ますわけで。
- ● 難しい話ですねぇ。
- ○ うん。この回はとても難しい話題を真剣に扱っているんだと思う。もう少し物語性があってもよかったのにと思うほど。
- ● この頃はまだ高校受験が3教科だった時代。理科や社会を軽視する生徒を「勉強とは試験だけではない」と金八先生は納得させようとします。
- ○ 「勉強とは試験だけではない」という言葉は上林先生も言っていて、各クラスに徹底させたことでもあるんだよね。でも、そのことを分かりやすく伝えようとしても、「高校でついていけなくなるぞ」とか「共通一次で不利になる」とか、結局は勉強のための勉強だというようにしか説明できない矛盾というか、そういうものを感じた。
- ● 純一あたりは説教されてもなお内職を続けようという勢いだし、ラストのみんなが寒いなか塾へ向かうシーンなんて「現実は甘くない」ことを象徴してます。
- ○ そう考えると、この「東京は理社に弱い」というタイトルは意味深だね。理科も社会も大事なのにと憂いているようにも取れるし、受験的な視点から弱点を指摘しているようにも取れるという。
- ● その両方の間で揺れる回だったのかもしれないですね。
- ○ 几帳面でマジメなまどかや正が波乱を呼ぶとは。でもまぁ内職が良いのか悪いのかというのは表層的な話なんだよね…なんていきなり語りだしちゃうけど(笑)。やめなさいと言ってやめさせて済む問題じゃない。高校受験への合理性を考えると体育の福田先生や美術の悦子先生のように黙認すればいいことになるけれど、それとは違った視点から見ることも大事だと金八は思うから頭を悩ますわけで。
その他の周辺状況・小ネタ
- 志望校訪問をしたのかと金八に問われはっきりと返事をしない椎野一に対し、「ちゃんと答えろ、甘ったれるな」とド迫力で注意する加藤。すると椎野「お母さんが頼んだら学校の中見せてくれました」。
- 服部先生のあだ名は「髭ダルマ」、上林先生は「宇宙人」。
- 楓中では登校してこない3年生が24人もいる。
- 自転車で子どもにぶつかりそうになり泣かせてしまった大森、住民から白い目で見られる災難。
- 増田園枝が話の流れと関係なく欠席している?
- 金八、「マッ金隠し高校」が気に入ったらしく今回も発言。
- お歳暮配達で偶然家にやってきた加藤に対し、まどかは素直に謝るが、加藤は「ハンコ下さい」と途中で遮る。