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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第6シリーズ 9話 「子に捨てられた親」

今井儀(斉藤祥太)が学校を欠席した。金八(武田鉄矢)の要請を受けた遠藤先生(山崎銀之丞)が儀の家へ向かうと、両親は惣菜屋を営んでおり、子供たちは路地奥のアパートに別居しているということであった。遠藤が部屋に入ると、そこには兄に殴られて顔の腫れあがった儀がいた。ただならぬ部屋の汚さに驚いた遠藤は、儀とともに掃除をはじめる。

3年B組では三者面談が開始。その席で笠井美由紀(高松いく)は16歳になったら結婚すると宣言して金八を驚かせる。成迫政則(東新良和)は働きながら学びたいと申し出るが、奨学金を勧められると「自分にはその資格はない」と声を荒げて否定する。鶴本直(上戸彩)はアメリカの高校へ行くと宣言。金八がなぜアメリカなんだと問うと、直は「私は厄介者だから」と答えるのだった。

儀の現状を知った金八は、親に見捨てられたという儀の言葉を確かめるため、両親が経営する惣菜屋に向かう。しかし親は一心不乱に働いているだけで、決して儀を見捨てたわけではなかった。金八の提案で、この晩は父親が儀の部屋に赴き、一つ屋根の下で一夜をともにすることになる。

自分たちの幸せを後回しにして必死に働きながら、息子とすれ違ってしまい、「私たちのどこが悪かったのか」と涙を流す儀の両親—。金八は乙女(星野真里)の前で「自分達より幸せになって欲しい。親が子に願うのはこの一つだ。」と言うのだった。

01年12月6日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 加藤新

視聴率: 13.6%

DVD: 第4巻

小説本: 第20集

参考文献・挿入歌

 みどころ談義
● 前回ボコボコにされてしまった儀のその後、というお話が中心の回でした。
○ ちょうど三者面談の時期。初期の金八シリーズでは必ず笑えるやり取りがある行事だったんだけど、今回はそういうのはなし。さすがに「マッ金隠し高校!」なんて冗談言えるような空気じゃないもんな(笑)。
● 美由紀、政則、直…。やっぱり何らかの暗い影をひきずりながらの面談なんですよね。一寿だけは陽気にツール・ド・フランスの夢を語ってくれたんですが、ここにもひったくり犯の話題が出てきて。そのひったくり犯というのが儀なんですけど。
○ 儀の家に遠藤先生が訪ねて行ったでしょ。金八先生じゃなく遠藤先生、というのが珍しいよね。
● ところが、アツい遠藤先生の持つ強引さ、図々しさがうまく儀にハマるんですよ。儀も誰かが来てくれたことが嬉しかったんでしょうね。
○ 遠藤先生は正義感も見せてくれたよ。不良三人組との格闘があんな軽傷で済むとは、相当のツワモノ! 空手の腕なんか、普段が軽薄だからてっきりハッタリだと思ってたんだけど(笑)、そうじゃなかった。そういえば金八先生も、昔は柔道技で不良をなぎ倒したものだったなぁ。
● それ第1シリーズの「学ラン長ラン大混ラン」の回ですよね(笑)。金八先生は意外な強さでワル退治をしたんでした。儀は、小鳥を大事に飼っていたり、ゴミ分別の意識があったり、根っからのワルではないようですよね。
○ そうだね。引ったくりも命令どおり嫌々してたわけだし、今回だって素直に掃除をやるじゃない。いい子なんだよ。ただちょっとダダこねるようにふて腐れて、親との間に壁を作ってるんだな。あれだけボコボコにされて「甘えてる」と言うのは気の毒だけど、もう少ししっかりしなきゃ。
● 今は親子がお互いに捨てられたと思い込んでるような状態になっちゃってますけど、必死に働いて、それで子どもに嫌われちゃ、親も立つ瀬がないですよ。
○ 今回のことがきっかけで、溝が埋まってけばいいよね。
● それから、気になるのが美由紀です! 小林先生へのアピールがどんどんエスカレートしてますね。ホラー度が増してきたように思います。
○ 妄想だと思うけど、結婚宣言だもんなぁ。「人のラブラブ邪魔するヤツは、犬に食われて死ねばいい」なんて、金八のことわざブームをうまいことあげつらって。忠告も全く耳に入らない感じで、完全にわが道を行ってるね。
● まさに恋は盲目ですよ。ストーカー的な恐怖感。これほどまでに強く思い入れる理由は果たして何なんでしょう?
○ 幸作の方は、辛い無菌室で何よりの励ましになった正子ちゃんに初めて出会ったね。
● 正子ちゃんは義足のハンデを負いながら、見ず知らずの幸作にあんな優しい手紙を送っていたなんて! 強い子ですねぇ。
○ なぜポジティブでいられるんだろう。こっちも理由を知りたいね。そこに幸作が病魔に打ち勝つ鍵があるような気がするな。
 小ネタ/周辺状況
◆ 廊下での会話によると、雪絵ちゃんはダイエットに成功したらしい…。
◆ 三者面談にて。下田江里子は家でブーブー言うくせに、面談では猫をかぶっていた模様。鶴本直のアメリカ行きには、ジャズシンガーである母も乗り気。
◆ ちなみに、一寿が閉じた「私立中高受験ガイド」で、しおりが挟んであったページは足立学園(受験ロケ地)であった。
◆ 幸作は、大好きな柳町の手焼きせんべいを差し入れされご満悦。
◆ 金八と乙女が居酒屋に寄ると、先客としてノブタの父と工場の従業員がおり、再婚の相談をしていた。金八の姿を見ると、見つからないようにこっそり店を出る。
◆ 金八、唐突に集団就職列車の話をし始める。だがこれは儀の両親の話であった。
◆ 「居酒屋しんちゃん」で乙女が注文したものは、肉じゃが、焼きおにぎり、刺身少し。
 参考文献/挿入歌/BGM
◇ 【書籍】 トランスジェンダーの時代—性同一性障害の現在 (虎井まさ衛著、十月舎)
◇ 【書籍】 ある性転換者の幸福論 (虎井まさ衛著、十月舎)
◇ 【書籍】 ある性転換者の記録 (虎井まさ衛、宇佐美恵子著、青弓社)
◇ 【音楽】 What's Going On (?)
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