Amazonはメモ帳まで売っていたのですね。
Moleskine社のメモ帳には種類ごとに色の違う帯がついていて、製品の能書きや「ヘミングウェイ様御用達!」みたいな宣伝文が書いてあるのですが、上記の三冊パックに引用されているのは大プリニウスでした。きっとメモ魔だったのだろうなという感じの人ですし、Nulla dies sine linea.——線(行)の無い日は無い⇒一行も書かない日はない(毎日書くよ)という言葉もおあつらえ向きとはいえ、まさか二千年後にメモ帳を売るために引っ張り出されようとは、当人は夢にも思わなかったでしょうに。
博物誌の35巻に出ている言葉のようですが、もとはどういう文脈だったのかしら。今度図書館に行ったときに覚えていたらついでに調べてみよう、とメモしておこう。
ラテン語関連のメールマガジンが今年の八月から発行されていたようです。知らなかったー。
(当たり前のことながら)ラテン文字しか使わない言語はいいなぁ。古典ギリシャ語だと表示状態が不安ですし——と思ったら、ギリシャ語のメールマガジンも発行されていました。やはり表示には苦労しておられるご様子。
まぐまぐの紹介文を読むと現代ギリシャ語ものみたいに見えるのですが、バックナンバーを確かめると、もともとはコイネーが主体だったようです。
出ます。
長生きして老眼になったら、ワイド版が欲しくなるのかな。今はまだ、場所を取らない普通の文庫が嬉しいですけど。
著者はグノーシス関連の研究をしておられる方です。そっち方面の本も来週発売。
コイネーなのが難だとはいえ、「別冊解答付き
」というのはいいなー。独習者に不親切な入門書が多過ぎますもの。
速度もゆっくりで淡々としていて、いかにも教材用という感じですね。同じシリーズでも、思い入れたっぷりの『CDエクスプレス 古典ギリシア語』とはえらい違い。私の先生のラテン語も歌うような跳ねるような調子だったので、古典語って長短高低が激しいものなんだと思い込んでいましたけれど、考えてみれば韻文を朗誦するみたいに力を入れて会話をするのは大変、というか変です。
吹き込みはミヒャエル・シュタインさんとウーテ・シュミットさん。ドイツ語圏の方のようで、特にシュミットさんのほうは、日本語を母語としている人のラテン語とは少し違って聞こえます。アクセントがつくはずの音節が(しかもここを高く読めとテキストに書いてあるのに)高く発音されていなかったりするのが、散文とはいえちょっと気になりました。
【2004/11/22 追記】
ご質問をいただいて、書き方がまずかったかと反省したのですが、日本で聞くラテン語とは違うと言っても、例えばoは「お」でも心持ち「う」が混じっているかなといった程度で、カタカナで書いたら一緒です。veni, vidi, viciをヴィーニー・ヴァイディー・ヴァイシーと発音しているといったレベルではありませんので大丈夫。
思ったより難物です。少なくとも私には。ラテン語訳で味をしめ、今度は古典ギリシャ語版を使って、読解力がついたかのような錯覚を楽しむつもりだったのに(<寂しい遊び)、逆に身の程を思い知るはめに。話の筋を知っていながらこの体たらくではなぁ。訳の出来栄えを云々なんて、とうていできません。
とはいえ原作が子供用であるせいか、構文は古典作品よりは易しめです。母音連続を避けて語順がえらく弄ってあるとか、先行詞がとんでもなく後に出てきたり消えたり同化したりで関係代名詞まわりがごたつくとか、主文の定動詞が何だったのか忘れるくらい間接話法の不定詞だの分詞だのが延々と続くということはありません。それでも、この物語の重要単語τὸ σάρον(箒)ですら辞書で確認する始末では……。もっと語彙を増やさないと。
固有名詞はHarry→Ἅρειοςという音写系のほか、Nimbus Two Thousand(ちょー速く飛ぶ箒)→Ὑπερνεφελὸς Δισχιλιοστόςとか、Quidditch(架空の空中球技)→ἡ ἰκαροσφαιρικήとか、何やら趣深く訳し変えてあるものもあります。ひょっとして、現代ギリシャ語訳版(未見)に合わせてあるのでしょうか。ちなみにラテン語訳ではどちらもそのまま(Nimbus MM, Ludus Quidditch)です。
今日、発売のはずなのに。出先と近所で、3軒本屋さんをまわりましたがどこにも置いてありませんでした。入荷していないだけなのか、延期になったのか、はたまた大人気で飛ぶように売り切れてしまったのか<それは無い。
Amazonはまだ「予約受付中」のままですね。
【2004/10/26 追記】
Amazonには入荷したようです。直接町の本屋さんで買ったほうが早いと思って、予約しなかったんですよ。しまったなー。今からAmazonに発注したら手に入るのは一月後……。町中のもっと大きな書店に探しに行こうかな。
別件検索中に遭遇。自分用メモ。
マリリンさんの朗読はやはり英語っぽいです。優しそうなやわらかい声。
子供向け学習教材。Amazonで予約受付中。
現代語教材の紹介文が使い回されているので、やや違和感があります。「ネイティブスピーカーの模範発声
」って、バチカンのお坊さんの吹き込みのことなのでしょうか。ラテン語のほか「古代ヘブライ語」などの教材もあるのに、「ギリシア語」は、「ギリシャ共和国・キプロス共和国の公用語
」のほう。仲間はずれだなんて、古典ギリシャ語は寂しいなぁ。でも「学術用語としてもよく使用されて
」いるのですよね……?
検索していたらこんなサイトも引っ掛かりました。
ラテン語のテープ起こし・翻訳・通訳が商売になろうとは。
どうやら無事に出たようですね。
ちょっと前までAmazon.co.jpのトップページに、「ハリー・ポッター、発売当日にお届け」という宣伝が出ていたので、昨日今日には届くものと思っていたのですが、それは原書と日本語訳限定だったらしく、古典ギリシャ語訳についてはまだ発送通知メールも届きません。まぁいいや、企画倒れにさえならなければ。
朽木ゆり子『パルテノン・スキャンダル』(新潮社)に気になる記述がありました。
その後、ハミルトンはイギリス人旅行家であり後にケンブリッジ大学の鉱物学者となるエドワード・ダニエル・クラークとともにエジプト国内を旅行し、一八〇一年九月にアレクサンドリアに入った。そしてふたりは、ある人物から情報を得て、倉庫のマットの下に隠してあったロゼッタ・ストーンを発見し、押収する。(87頁)
もしかしてこのクラークさん、クラーク写本(Codex Clarkianus)、バーネット版Platonis OperaのB写本(cod. Bodleianus)を見つけたあのEdward Daniel Clarkeなのでしょうか。ひょっとすると有名な話なのかも知れませんが、私は寡聞にして存じません。B写本も1801年に発見されていますし、こちらのクラークさんも専門は鉱物学だったようです。彼の旅行記、読んでみようかなぁ。
その後のギリシャ思想の物語。予約開始になっています。
明後日の夜中の2:35から放映されるようです。
こんな時間、起きていられない。
古典語とは縁もゆかりも無い写真集とはいえ、一人で楽しむのはあまりにもったいなかったので。
ヒトラーの御用映画監督だったリーフェンシュタールが、還暦を過ぎてからアフリカの僻地に行って撮った写真集なのですが、そこのヌバの人々というのがギリシャの壷絵のように躍動感に溢れていて、気高くて美しいのです。死者追悼の鎗投げ大会とか、何十キロも歩いて各村合同のレスリング大会に出かける村人たちとか、そこでの優勝を期待されて専門の訓練を積む若者たちとか——こういう写真を見ていると、時代も違いますしヌバとは何の関連も無いと分かっていても、『黒いアテナ』ってもっと黒かったのかも、という気になってしまいました。
Amazonで予約できるようになっています。
本屋さんに並んだら見てみる予定。
西洋古典叢書第III期のディオニュシオス/デメトリオス『修辞学論集』ももう買えます。
引退後独り暮らしをしている古典語の先生が、同居者を募集しているという記事。
「うちで暮らして子供にホラティウスとか教えて!」という応募があるようですが、たしかにこれはおいしい。イタリア語さえ分かるなら、私が一緒に暮らしたいくらい。でも月500ユーロはとても払えないなと、記事を見なおすと、"....said Mr Angelozzi, who offered to pay 500 euros (£337) a month."。もしかして、貰えるの? そんな。Angelozziお爺ちゃま、ご自分を安売りし過ぎです。
記事後半のイタリアの高齢者問題まで読み進んで、ちょっと暗い気分に。……明日お婆ちゃんに電話してみよう。
こういう機会でもないと読まないだろうと思って、何冊かオリンピック本に手を出したところ……。
『オリンピックのルーツを訪ねて』は2004年7月刊行となっていますが、1988年4月に出ていた『古代オリンピックの旅』と同じもののようです。著者は哲学系で、西川亮氏はデモクリトス、後藤淳氏はヘラクレイトスの本を書いておられます。
先月出た岩波新書のは、史学系の方々が執筆。今回買ったオリンピック本のうちでは、お値段の点からしても一番満足できました。スワドリング『古代オリンピック』は絶版ですが、運よく図書館で入手。図版が多くて分かりやすい本でした。著者は古代のブロンズ像の製法などを研究している方だそうです。
ホメロスに出てくる頻出単語を頻度順にリストした語彙集。
純然たる単語集で、例文なし。一単語に訳語は一、二語で、まさに「しけ単」の雰囲気です。単語だけ暗記するという苦行に耐えられる人であれば、これをあげてからホメロスを読むのが効率的かも知れません。でも、私にはとても無理。好きな場面を暗唱したり訳したりして少しギリシャ語を覚えてから、記憶から漏れている頻出単語をチェックするのに使うと良さそうです。
【メモ】
Penguin ClassicsのClassics Triviaから。
Trojan Triviaならできるなかと思ったのですが、「Troyでアキレウスの母役を演じた英国の女優は誰?」とか、「ホメロスに触発された最近の映画はどれ?」とか、ホメロスを読んだだけでは解けない問題もあります。
アテネに行けず、BSも見られなかった人にも朗報。蜷川幸雄版「オイディプス王」がNHK教育で放送されるようです。
ピンダロスに言及している朝日新聞のコラム。8/10付け。たぶん16日までウェブ上で読めます。
ここのサイトには俺様ルールのとんでもないリンク規定があるので(以前よほど嫌な目に遭われたのでしょうか)、リンクはせずにURIを書いておくだけにします。# HTMLの意味なし。
叢書ウニベルシタス(法政大学出版局)のリクエスト復刊第四回の復刊候補に、カークの『ギリシア神話の本質』があがっています。——という以前に、絶版になっていたとは。
【自分用メモ: ご縁があれば】
ラテン語(については2頁分だけですが)、英語、ドイツ語ほかの回文やアナグラムを集めたサイト。
回文といえば、水谷智洋『古典ギリシア語初歩』(岩波書店)の命令法の練習問題に、νίψον ἀνομήματα μὴ μόναν ὄψιν.というのがありました。こういうのを自作できるくらいになれたら楽しいだろうな。
【2004/08/10 追記】
上記の回文の意味をお問い合わせいただいたのですが、一応教科書の練習問題ですので、私の口からはちょっと……。でも有名な回文ですから、検索すればすぐ見つかりますよ(紛らわしい書き方をしてしまいましたが、水谷氏が自作されたものではありません)。JPs Palindrome Collectionを熟読するのも吉。
※学生さんは自力で解読しましょう。
『テーバイ攻めの七将』は岩波文庫の去年の復刊分に入っていたのですね。見落としていましたが幸いまだ在庫がありました。やれやれ。ディオゲネス・ラエルティオスもまた買えるようになっています。
ついでに岩波書店の復刊リクエストページにもリンク。復刊ドットコムの高津春繁『ギリシア語文法』には投票したが、岩波にはまだ何も言っていないという方が居られましたら、だめでもともとですのでぜひ。
『ヒュパティア』2章に出てくる「Nisaeanの馬」の正体が分かりました。The Oxford Classical Dictionary(古本屋で買った年代もの)にはニーソスの項目しかないため、メガラ王ニーソスの名に因むメガラのニサイア港を指すものかと思ったのですが、これでは馬と繋がりません。話の筋には障らないしと、とりあえず「不明」と注記だけして流していたところ、先日ついに買ったPauly(もちろんkleine)を見て氷解。——そうか、ペルシャのΝισαιον πεδιονのことだったのか。はじめから希英辞典でΝισαιοςを引けば早かったのに、阿呆だなあ。
『ギリシア恋愛小曲集』は八月に出るそうなのに、Amazonにも楽天にもesbooksにもまだ上がっていません。The Oxford Dictionary Of Classical Myth And Religionは十月刊行予定なのに、もう予約受付可。……なぜ?
ローマ史の専門家が訳すのは初めてだそうです。
塩野七生とまではいかないにしろ、研究書というよりは娯楽読み物なのに、学者の訳文で嬉しいか?——と、初めて耳にした時は疑問でしたが、内容の解説を読むと、ギボンの抄訳に詳細な注をつけた一種の資料集であるようです。なるほど、それなら専門家にやって欲しい。
「地名や官職名などの固有名詞の表記についてもラテン語までさかのぼって検討」「皇帝在位表をはじめ,原綴り入り・解説つきの索引,地図,系図,年表などの付属資料が充実」というあたり、便利そう。官職名などは人よって本当に訳がまちまちで、何が標準的な訳語なのか分からず、Hypatiaを訳していて困っています。
# でもちょっと高いし。現物を確かめたいな……
以下の番組が放送されるそうです。# 情報感謝
うちは山際であるせいか、残念ながら地上波の番組すらまともに映らず、かつBSの設備も無いのですが、ご参考までに>BSを見られる方。
ギリシャ語やラテン語のごとき死語に、「聞く」「話す」「書く」は無用——という(私の師匠を激昂させた)極論を嘲笑うかのように。
とはいえ、「書く」はともかく、「聞く」「話す」は相手がいないことには。一人でやる方法が無くはないものの、ソロ活動は想像するだに侘しい。
『ヒュパティア』がらみでアレクサンドリアについて検索しているうちに遭遇。力作サイトで読みでがありました。英語からの重訳なので「電子テキスト」の欄には追加していませんが、デモステネスの日本語訳も試みられています。
一年ぶり(?)にリンク集の全面チェック。ネット落ちしている間に、Search ArgosとかExploring Plato's Dialoguesとか、そのほかあちこちリンク切れになっていました。greek funのパウサニアス『ギリシア案内記』の移転先を探すうち、ヘルソネス書房で壷絵の写真集を発見(遅い)。
57,700円……。クーラー購入資金を切り崩すか。でも、暑いしなぁ。オフライン仲間のどなたか、買ってみませんか? # そして私に見せて!
Happy Birthday To You, Greensleeves, Aloha Oe, My Bonnieそのほかいろいろな歌をラテン語で歌えるもよう。
好事家の冗談企画のようでもありますが、けっこういい学習材料かも。文法事項や単語だけを無闇に暗記するより、フレーズで覚えるほうが楽だし効果もある気がするのですが、メロディーつきなら更に楽しく覚えられそうです。ギリシャ語版があったらいいのに……。
アトリウム・ムジケー古楽合奏団のCDが5月末に再版されました。キタラやアウロスなど36の楽器を復元し、楽譜の断片から古代の音楽を再現——というのは無理にしても、それっぽい雰囲気に仕上がっているように思います。
長唄のような、支那の古琴のような、ジングシュピールの台詞のところのような。フリージャズや現代音楽を思わせるところもあり、何とも表現のしようがありませんが、あまりに耳にすることのないタイプの音なので面白く聞くことができました。
古銭の類にはまったく興味が無かったのに、ピュタゴラスがクロトンに移った頃の貨幣が南イタリア各地で出土しているといったような話を読むうち、古代ギリシャのコインを一枚持っていたくなりました。やはりお高いとはいえ、本を買わずに我慢すれば何とか買えなくもないお値段。
レプリカも、期待したよりはやや高価。このくらいのお値段なら、もう少し頑張って実際に古代の人が使っていたものが欲しいし、どうしようかな。
メモ: ローマのコイン
そろそろ出たはずなのに届かないなぁ、とチェックしたら10月に延期になっていました。いいよ、気長に待つよ。
別件検索中に遭遇。愛されているようです。
Harry Potter and the Philosopher's Stoneの古典ギリシャ語版、Harry Potter Ancient Greekが予約開始になっていました。さっそく予約注文しましたが、発売は6月。予約したのを忘れて二重に買いそう……。