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第28話 相撲取りに惚れられたのは加代
三年前、加代は飢えに耐えかねて自殺しようとした青年与作を助けた。その加代と与作が三年ぶりに再会、与作は大栄山という十両力士に出世していた。 それからというもの、与作から加代あてにたくさんの贈り物が届けられるようになった。 加代は贈り物として送られた大量の大根を売りさばこうと目論むが、そこへお妙という与作の知り合いが現れる。お妙は加代に与作からの愛を受け入れるようお願いした。 その頃江戸では、花相撲の話題でもちきりであり、また相次ぐ一家心中の話題ももちきりだった。 主水は心中した者が握っていたものを手がかりに両替商相模屋を怪しいと睨む。 花相撲の勧進元である相模屋徳右衛門は寺社方役人小野寺・親方荒熊喜平次と結託していた。 相模屋一味は、花相撲での横綱松の富士の五番勝負を賭けの対象として、横綱が負ける方に賭ける者に金を貸し付け、八百長で横綱を勝たせボロ儲けしようと企んでいた。 例の一家心中も、相模屋の取り立てから逃げ出そうとした一家を皆殺しにした相模屋の報復だった。 しかしここに来て、松の富士が稽古中に怪我をするハプニングが起きた。 これでは相模屋一味の儲けがパーになる。しかし松の富士の対戦相手はすでに八百長を了承しており、ただ一人打倒横綱に燃える大栄山だけが、一味の心配の種になった。 荒熊は大栄山に八百長を持ちかけるが、応援してくれる加代の思いを踏みにじることが出来ない大栄山にその言い付けを断われた。 誘いを断った大栄山に対する処置を検討する相模屋一味の会話を立ち聞きしたお妙が一味に殺され、それを与作に伝えようとする加代。しかし荒熊部屋のガードが堅く、まるで大栄山に何者も近付けないようにしている雰囲気だった。 そして迎えた花相撲の日。 八百長を望む親方の言い付けを破り、大栄山は松の富士に勝利する。 控え室に戻った大栄山は、荒熊らにメッタ刺しにされてしまった。 駆けつけた加代に三年間貯めた金を託し与作は息絶えた。 夜のアジト。 与作を殺された加代は、今度ばかりは自分も殺しに加わろうとする。 しかし主水は、殺しに手を染めるなと加代を説得した。 加代は、荒熊を吊り殺す勇次と相模屋に電撃を加える順之助をサポート、その殺しを見届ける。
【主水の一言その1】
「やめろ!手が血で汚れてねぇのはお前ぇ一人だけなんだ。一度手ぇ汚しちまったらよ、二度と後戻りは利かねぇぞ。手前ぇの感情だけで突っ走ってみろ、ロクな仕事にはならねぇぞ。そうだろ、みんな。俺たちはな、別に世のため人のためにやってるわけじゃねぇんだ。所詮はよ、一両貰って人様の命頂戴するせこーい商売じゃねぇか。お前ぇだけはな、三途の川ニッコリ笑って渡ってほしいんだ。心配ぇするな、仇はちゃんととってやる。」 【主水の一言その2】 「そんなことはございませんでしょう、この一両はあなた様が八百長相撲で儲けられた…」 【キャスト】
中村主水/藤田まこと 秀/三田村邦彦 加代/鮎川いずみ 西順之助/ひかる一平 筆頭同心田中/山内敏男 荒熊喜平次/早川雄三 大栄山与作/栩野幸和 相模屋徳右衛門/牧冬吉 お妙/川本美和 小野寺/白川浩二郎 番頭佐吉/河野実 和助/利倉亮 和助の女房/増田智子 和助の子供/滝竜太 使いの者/伊藤克美 りつ/白木万理 せん/菅井きん 勇次/中条きよし
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