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第5話 弁天小僧のかんざし
新富座の女形役者瀬川菊之丞と奥女中梅枝(うめがえ)が心中。師匠を失った菊之丞の一番弟子菊次郎は、湯島の陰間茶屋松葉屋の男娼に身を落していた。 松葉屋に簪を届けに来た秀は、頼れる筋を断たれた菊次郎の姿に世間の冷たさを感じる。 秀の簪を握りしめた遊び人清次が、他殺死体として発見された。 もちろんこの殺しは秀によるものではないのだが…。 南町奉行所はこの事件を仕事人同士の抗争と判断。主水の同僚橋本が秀の簪に目を付け、捜査の鉾先を飾り職人の中にいる仕事人に向ける。 そして覆面組も同様の捜査方針を立て行動を開始。覆面組とは切っても切れない関係にある秀も捜査の対象となった。 主水は夜の奉行所に忍び込み、例の簪を別の物にすり替え、秀のピンチを救う。 初瀬は、主水の秀に対する甘さを非難。仕事人を危険に陥れる秀を抹殺せよと主水に命令した。 元締の命を受けた主水は秀と会談、秀に三日以内の真相究明を課すことにした。 もしそれが果たせなかった場合、秀は主水によって粛正される。 秀は主水から手渡された例の簪を手に動き出した。その簪は、秀が菊之丞と梅枝に売ったものだった。 秀は菊次郎と接触し、簪を見せた時の菊次郎の表情の変化を見逃さなかった。 夢次は清次のヒモである女郎花巻を探し出した。 そして菊次郎が花巻に会いに女郎屋に現れた。花巻の本名は花枝(はなえ)、梅枝の妹だった。 梅枝が持っていたはずの簪を清次が持っていたことを疑問に思う菊次郎に、例の心中をネタに一儲けを企んだ清次が簪を持ち出したと答える花巻。 女郎屋を後にした菊次郎はある出来事を回想する。 清次は、強請の相手である油屋源右衛門に接近を試みて、源右衛門の仲間である橋本に斬殺された。 そして清次をおびき出したのは他ならぬ菊次郎だった。 源右衛門は勘定勝手方鳥井土佐守と組んで油の買い占めを行い、それをネタに清次が脅しをかけてきたと聞かされていた菊次郎。しかし、いつしか彼の中に、心中に対する疑念が沸き上がって来る。 この心中、油の買い占めを梅枝に察知された鳥井たちが、梅枝殺害を偽装するため、菊之丞を道連れにしたものだった。 橋本は覆面組の一員であり、例の簪がすり替えられたことから、仕事人がこの事件に関与しようとしていると見破り、それを逆手にとって仕事人たちを一網打尽にしようと企てる。 そして覆面組から二名の同心が秀の元に送り込まれた。これを返り討ちにした秀と夢次は、それぞれの捜査情報を交換する。 一方、菊次郎は再び女郎屋を訪ねるが、花巻は何者かに身請けされた後だった。 何かを直感した菊次郎は源右衛門の屋敷へ向かう。 そこで待っていたのは身請けされたはずの花巻の死体。 一味は事件の片鱗を知る花巻をも手にかけていた。 そんな源右衛門を前にして、菊次郎は言う。二代目菊之丞として再び舞台に立てるまで、スポンサーである源右衛門に従う、と。菊次郎を尾行していたお歌は、その言葉を耳にして屋敷から抜け出した。 自分らの悪事のために仕事人を罠にかけようとした源右衛門たちへの逆襲を決断する主水たち。 だが、ただひとり菊次郎を悪と認識できない秀が、待ったをかける。 菊次郎に会いに行った秀は、菊次郎から自分を含めた一味抹殺を依頼する決意を聞かされる。 そして主水たちは、花巻の名を騙った菊次郎からの依頼を引き受けた。 果たして、秀が菊次郎に下した闇の裁きは?
【主水の一言】
「橋本さん、実はですね、私がその仕事人なんです」 【秀の一言】 「幕は降りた。菊次郎はもうこの世には居ねぇ」 【次回予告】 権力争いのその果てに、罠にはまった仕事人。江戸城月見の宴、いま闇の仕事人狩りにとどめをさす時がきた。『必殺仕事人激突!』御期待ください。 【キャスト】
中村主水/藤田まこと 夢次/中村橋之助 せん/菅井きん りつ/白木万里 お歌/光本幸子 さだ/麻丘めぐみ 同心成川/目黒祐樹 初瀬/酒井和歌子 菊次郎/高汐巴 油屋源右衛門/上野山功一 同心橋本/岩尾正隆 花巻/栗田陽子 鳥井土佐守/柳原久仁夫 (役名表記なし)/野土晴久、坂本和子、白川明彦、中西宣夫、福山龍次、田中亜衣、宮崎真由美 秀/三田村邦彦
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