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第1シリーズ 3話 「君は裸のビーナス」
最近遅刻が多く、授業に身が入らない梶浦裕二(野村義男)。一目惚れした女子高生の様子を眺めてから登校してくるためだった。梶浦は寝ても覚めてもその女子高生のことばかり考えているのだ。金八は自分も遅刻覚悟で梶浦を尾行し、その理由を知る。
ある日、梶浦が実家の銭湯で番台の手伝いをしていると、例の女子高生が客としてやってくる。服を脱ぐ様子を目撃してしまう梶浦。次の日から登校時に彼女の姿が見えなくなるとパニックに陥り、裸を見てしまったから罰が当たったのだとか、金八が彼女を襲ったのではないかとまで想像してしまう。
金八は情報通である池内シカ(都家かつ江)の力を借りて、彼女は都合で1週間ほど親戚の家から高校へ通っていただけだったと知る。梶浦は彼女の無事が分かると安心し、それ以上の詮索を止める。金八は昔の思い出話や下ネタを交えながら、そんな梶浦を励ますのである。
みどころ談義
- ● 野村ヨッちゃんのデレデレ顔は高校生に一目惚れするという梶浦役にピッタリですね。
- ○ 見事にハマってるよ。
- ● このころは中学生に色恋事はまだ早く、むしろタブーとされた時代ですよね。
- ○ でも金八は、国語の教科書に万葉集の恋の詩が載っていることに着目するんだよ。それを踏まえて「恋愛」と「中学生らしさ」は相反するものではないと教える。筋は通ってるんだ。
- ● この回の途中で、朝の牛乳配達に精を出す宮沢保と、それをあたたかく出迎える浅井雪乃というシーンが挿入されていることを考えると、次回から始まる「十五歳の母」シリーズへの軽い布石として恋を扱ってみた回、という解釈もできそうです。
- ○ そうそう。金八の授業を自分の境遇と照らし合わせて思う梶浦。ところがその一方で、実は雪乃と保も同じように感じ入りながら聞いていると。
- ● 小ネタ的面白シーンとしては、金八のドラキュラ姿が挙げられます。梶浦の妄想の中で登場する、長髪で眉がキッと釣り上がった白塗りの金八吸血鬼は、本物の吸血鬼以上の迫力と恐怖感をもって、見るものを圧倒します(笑)。
- ○ 金八が妄想する梶浦に「溜まってんだろ?今晩カイとけよ。」と男らしいアドバイスをするシーンもある(笑)。
- ● それを憧れの悦子先生に聞かれてしまい、照れるシーンも(笑)。
- ○ 梶浦が隠れている看板は「焼肉食べ放題」だけど、金八が隠れる看板は「金髪マナ板ショウ」。
- ● シモばっかりじゃないですか!
- ○ それがいいんだよ。この時期の中学生が性的なことにまるで関心がなかったら、そっちの方が大問題だって。
- ● なるほど〜。
- ○ その割に金八は田沢先生にハムエッグを焼こうかと聞かれた時、「ハムなんかとんでもないです。周りのセロファンだけで結構でございますから。シールでも何でも。」と意識しすぎて焦っちゃってるんだよね。ただ食事の好みを聞かれただけなのに。
- ● 滑稽ですよね。滑稽といえば、金八の面白セリフが結構目立ってましたよ、この回は。茶化す星野に「だまらっしゃいニキビ仮面!」と言ったり、自分のことを「あだ名は、昔バケモノ、今エイリアンっつってなあ。」と言って笑ったり。
- ○ エンジンかかってきたなぁ(笑)。
- ● それから後半に「メンメンメンメン泣くなよ、お前は〜」という金八のセリフがあるんですが、これ、「メソメソ」の読み違いなんじゃないかという気がしてます。
- ○ よく気がついたもんだ。
- ● あと気づいたのはですね、梶浦の父親役が芦屋雁之助なんですけど、ちょい役なのに贅沢な配役だと思いませんか?
- ○ 「銭湯→裸→裸の大将」という連想ゲーム的な発想?
- ● いくらなんでも(笑)。
- ○ 見事にハマってるよ。