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第1シリーズ 5話 「十五歳の母 その2」
雪乃の為にと池内家に牛乳を1本多く配達する宮沢保(鶴見辰吾)。訪問する金八(武田鉄矢)や左右田(財津一郎)にも冷たい態度を取る浅井家。噂が噂を呼び混乱する3年B組。
そんな中、雪乃の正式な検査結果が出る。妊娠7ヶ月。
保の個人ノートを見る金八。そこには、雪乃のこれまでの不遇と二人の純粋な愛情が記されていた。二人は何も間違ってはいない、なんとか力にならねばと思う金八。
雪乃は何度も流産しようとしたものの、そのたびに腹の中で生きようとする子供に心動かされ、出産を決意。雪乃が産むことを知った保もまた、転校せず桜中で堂々と学ぶことを決意する。そんな保に金八は、「一生懸命、ただただ頑張ってみる」と誓うのである。
みどころ談義
- ● うーん…。この回は言葉で説明するよりも、話の展開を固唾を飲んで追いかける方がいいですね。
- ○ 黙るしかない、というところかな。必見としか言い様がないね。
- ● 一応気づいたことを言いますと、最初、主題歌が流れ出すタイトルの前に保と雪乃の言葉が入る、というのはシリーズを通じて初めて。
- ○ その二人が持つ、なんというか、思春期特有の無邪気なまなざしや胸の痛みが、見るものを惹きつけてやまないんだよね。
- ● そうですね。
- ○ 周りの現実的な大人がなんとなく悪に見え、これから待つ運命の過酷さもよく分かっていない。そんな二人。
- ● でもこの二人、なんというか、その、しちゃってるわけですよねぇ。そんな風には見えないんですが。
- ○ 産むことを決意した雪乃に対して、ならばとシカ、天路、金八は産ませたい方向に傾く。ところが校長だけは最後まで厳しいことを言う。
- ● 「あなたが子育ての難しさのいい見本」。身を刺すようなキツイ言葉ですよ。
- ○ そういう言葉を投げかけて、雪乃に相当な覚悟を自覚させるんだけど、あまりにも壮絶だから、我々視聴者も身構える余裕がないんだよね。それで圧倒されちゃって、終わった後に言葉も出ないという。
- ● 座談会泣かせですね。
- ○ そうだね…。
- ● …あっ、そうそう。この回で、シリーズを通じて初めて「バカチン」が登場するんですよ。それも、すごいシーンで。
- ○ そうだったのか。どのあたりで?
- ● ラスト、保が金八を尋ねてきて、転校するのをやめると決意したシーンです。転校することは雪乃との約束を破ることになるから、周りからどう思われようと頑張れるだけ頑張る、と健気にも心に決めて、金八先生も「やるだけやってみる」と受け止めたシーンです。先生が分かってくれたと感じた保が感極まって泣き出した時、「泣く奴があるか、このバカチンが!」です!
- ○ うわ、そうだったかぁ。すっかり引き込まれて食い入るように見てたんで、チェックし忘れてたなぁ。それはグッとくるね。
- ● 金八先生も目に涙をためながら、でも笑って言うんですよ。僕ももらい泣きしそうでした。
- ○ 初めての「バカチン」は決して叱責の意味で使われたんじゃないんだね。
- ● そうです。とても温かい言葉でした。
- ○ 黙るしかない、というところかな。必見としか言い様がないね。