ホーム > 放送年表/鑑賞ガイド > 第1シリーズ11話
第1シリーズ 11話 「母に捧げるバラード」
沢村正治(田原俊彦)ら男子有志から海援隊という聞いたこともないフォークバンドのコンサートに誘われた金八(武田鉄矢)は、渋々ついていく。ところがいざ始まってみるとコンサートは大盛り上がり。中でも金八は「母に捧げるバラード」に感激する。興奮した金八はその帰り道、親のいない正治の前でつい母親の自慢話をしてしまうのだった。
帰宅した正治は、親代わりの姉に母の思い出話を尋ねるが、姉は忙しく、取り合ってもらえない。部屋を飛び出して金八の元へ向かう。正治を部屋に招き入れ、話を聞いてやった金八は、「お姉さんがちゃんと人生を教えているじゃないか」と言うのだった。
みどころ談義
- ● …あらすじが短いですね。というのも、放送時間の3分の1ぐらいがそのまま海援隊のライブなんですよ。3曲もほとんどそのまま流しています。画期的な構成です。
- ○ この回はお正月の放送だったでしょう。本当は放送予定がなかった週らしいよ。視聴率があまりに好調だったから、急遽追加された回だという。
- ● だからなんとなくお手軽な印象があるのでしょうか。
- ○ でもスゴイ回だよね。金八を海援隊に会いに行かせるという発想が素敵!
- ● なぜか金八先生も生徒たちも、2人が瓜二つで話し方もまんまコピーだということに突っ込んでこないんですよ! 梶浦が最初に「ちょっと似てるかも」とは言っているんですが、ちょっとどころなワケがないじゃないですか。
- ○ 金八が楽屋に行った時にも、武田さんは普通に1ファンに接するように対応していて可笑しいよね。「自分にソックリなことに気づけよ!」と日本中の人が思ったに違いない。
- ● コントですね。
- ○ ライブシーンでは曲だけでなくMCも取りあげるんだけれど、一応武田さんの言葉ということにはなってるものの、実質金八の成り立ちのようなものだから興味深かった。
- ● タバコのエピソードが面白かったです。
- ○ 大人ぶりたくて吸っていた、という話ね。
- ● あの社会科の先生という人が金八先生の原点だったんですね。タバコを見つけても「良いタバコ吸いよるね」とだけ言って、周りには秘密にしてやりつつ、会うたびに「一本持ってないか」とヒヤヒヤさせて自制を促す、などというやり方は金八先生に通じるものがありますよね。
- ○ 頭ごなしにしないで共感する部分も持ってやるという。後半に金八が正治から高級ブランデーを結局受け取るシーンがあるけれど、そこでも受け取ることを恩着せがましくしないで「一番嬉しい時に飲むよ」と言ってやっている。
- ● 武田さん=金八先生。
- ○ そうそう。ラストで金八は、「母に捧げるバラード」の歌詞を正治の境遇に置き換えて朗読してやったくらいだからね。
- ● なるほど…って、あれ? それ、ドラマの流れとしてはおかしくないですか?
- ○ どういうこと?
- ● だってほら、金八先生はライブに行く前まではその曲はもとより海援隊というバンドの存在自体知らなかったワケじゃないですか。
- ○ …そうだね。
- ● それなのに、たった一度ライブで見ただけの「母に捧げるバラード」の歌詞を暗記していて、しかも替え歌にしてしまえるほど自分のものにしてるということじゃないですか!
- ○ たしかに! 正治はなぜ同一人物説を唱えなかったのか。
- ● あ、金八先生は、一気に吸収してしまえるほど曲に深く感じ入ったんですよ、たぶん。
- ○ …苦しいなぁ。
- ○ この回はお正月の放送だったでしょう。本当は放送予定がなかった週らしいよ。視聴率があまりに好調だったから、急遽追加された回だという。
小ネタ拾い読み
- 悦子先生の晴れ着姿。
- 冒頭「浅井さんバンザーイ!」と見送る時、他のカメラが見切れてしまう。
- 金八は森進一は知っているが海援隊は知らなかった。フォーク嫌い、歌謡ショー嫌い。
- 沢村以外の同席メンバーは、池野国広、岡村一男、梶浦裕二、志岐誠、高倉勇、田中康一、星野清。
- 金八は武田さんに9人分のサインをお願いしている。
- 金八の年齢は「30に1つか2つ手前だ」。
- 悦子先生にマフラーを借りて嬉しそうな正治。