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◆ 第6シリーズ 4話 「ヨキ父とヨキ教師」
信太宏文(辻本祐樹)は工場で働く妙子の娘・エリカ(中村侑希子)と懇意になり、せがまれて学校まで一緒に連れて行く。ところが工場の従業員たちは誘拐と勘違いして大騒ぎ。ノブタは校庭で従業員や大森巡査(鈴木正幸)に捕まり叱責される。
3Bではチュー(中尾明慶)が火災報知機の非常ベルをを鳴らしてしまい、パニックに陥った山田哲郎(太田佑一)が机の上に乗って暴れだす。それを面白がる今井儀(斉藤祥太)、儀を止めようとする前多平八郎(田中琢磨)、哲郎を助けようとする長谷川賢(加藤成亮)らで3Bは大混乱。金八(武田鉄矢)は賢に「最近相談しづらい」と言われ、見透かされたような気分になる。
抗がん剤による治療が本格的に始まり、副作用で髪の毛が抜け始めた幸作(佐野泰臣)は、外隔遮断といわれる不安定な精神状態になる。本「種まく子供たち」を投げつけ、これ以上嘘をつかないでくれと訴える幸作に、金八は真正面から全てを説明。命懸けで作られた本は命懸けで読むのが礼儀だと諭すとともに、病気の気の部分は一緒に背負うと約束し、妻・里美の例を挙げ年齢の順序を超えて先に死ぬなと必死に訴える。
病院を出ると、金八らとともに幸作を見舞った兼末健次郎(風間俊介)が「夜まさに明けなんとし、ますます暗し」と言って金八を励ますのだった。
- みどころ談義
- ● 金八先生、気迫の言葉! 自暴自棄になる幸作に、過去最大級の鼻水をたらしながらの熱弁でした。
- ○ いやぁ、ホントすごい量の鼻水だったなぁ…って、そうではなく(笑)。まっすぐな金八先生の思いに圧倒されたね。里美先生の話も出てきて…思わず涙ぐんじゃった。本を投げ捨てた幸作に言った「命懸けで作られた本は命懸けで読むのが礼儀だ」って言葉にもハッとさせられたなぁ。
- ● はじめに病名を聞かされたときはあんなにうろたえていた金八先生なんですけど、今はこうも真剣に幸作を励まそうとしている。どちらも同じ人なのに、意識が180度変わりましたね。
- ○ 親というものは、子のこととなるとそれだけ必死になるんだということじゃないかな。はじめにショックで泣き崩れたのも、今必死になって生きろと説得しているのも、どちらも子を思う親の気持ちだよ。
- ● なるほど…。そういえば、兼末健次郎がついに幸作のいる無菌室へ入りましたね。幸作からメールの返信がないので、心配になって面会に来たのだと思いますが。
- ○ だから健次郎も金八先生の言葉をずっと聞いていたんだよね。健次郎もお姉さんが早くに亡くなっているから、「死ぬ順番を守れ」「親より後に死ぬのが親孝行だ」なんて部分は心に響いたんじゃないかな。
- ● 健次郎はラストで「夜まさに明けなんとし…」なんて言って金八先生を励ましてました。あの問題児だったワル健次郎がここまでしっかりとした高校生になったのかと思うと感慨深いです。
- ○ それから今回はオープニングの、各家庭の現状を朝食で表現したところがオシャレだったな。
- ● そうですね。坂本家は幸作が不在なものの乙女が家庭的な温かい手料理を作って。池内家(成迫)も、会話こそ少ないんですが池内先生の手料理でした。
- ○ 今井儀の家は荒れ放題で兄の不良仲間の溜まり場のようになっていて、儀はスナック菓子の残りを口に放り込む。鶴本家では上品な洋食なんだけど、直はわりと作法を無視して豪快に喰らっている。
- ● そして信太家では母親が出て行って朝食作りに四苦八苦する中、工場で働く妙子さんが煮っ転がしを差し入れる、と。それぞれの状況がうまく反映されていましたね。
- ○ ノブタの家も大変だけど、儀の家もとんでもないことになってるな。背後に不穏な臭いのする生徒が少なくないけど、金八先生はいつ気づいてやれるんだろうか。
- ○ いやぁ、ホントすごい量の鼻水だったなぁ…って、そうではなく(笑)。まっすぐな金八先生の思いに圧倒されたね。里美先生の話も出てきて…思わず涙ぐんじゃった。本を投げ捨てた幸作に言った「命懸けで作られた本は命懸けで読むのが礼儀だ」って言葉にもハッとさせられたなぁ。
- 小ネタ/周辺状況
- ◆ 金八の家に新聞を配達しているのは、3Bの長澤一寿?
- ◆ 土手の登校シーン、画面の端の方で江里子とシンバがゴルゴ松本のギャグ「命!」のポーズを取ってふざけあっている。実はこの回の後半で金八が「命懸け」ということを幸作に諭すシーンがあり、そこへ繋がるものと思われる。今回のシリーズではこのように布石ともいえないようなちょっとした布石が各所に散りばめられており、注意して見てみると非常に面白い。
- ◆ 少女エリカの父親は「お空にいる」ようだ。
- ◆ 桜中文化祭へ地域の人々も参加したいと要請しているが、校長は渋い顔だ。
- ◆ 非常ベル鳴らしは儀のけしかけと判明。金に困る儀がクラスメイトの財布を盗む為に、周囲の注意をそらそうと計画した策略。ただ儀も兄に強要されて仕方なくやっているだけで、「もうこんなの嫌だ」と漏らしている。
- ◆ 文化祭の出し物を決めるHRの最中、コボが手から花を出す。マジシャンの才あり。
- ◆ スガッチはお爺さんに太鼓を教わった模様。
- ◆ 金八は無菌室にて、ビニール幕の外側へ移動してから幸作へ訴えかける。マスクを取ることで金八の表情を出したかった? それとも「病は共有できない」ということの表現?
- ◆ 直が本屋で見ている本は「トランスジェンダーの時代」。性同一性障害について語られた本であり、直もこの状態にあるものと思われる。
- ◆ 病院から帰る金八一行と合流した遠藤は、おでん屋台にて「幸作ハゲちゃった」とデリカシーの欠片もない発言。見えないようにすかさず蹴りを入れたのは健次郎。
- ◆ 土手の登校シーン、画面の端の方で江里子とシンバがゴルゴ松本のギャグ「命!」のポーズを取ってふざけあっている。実はこの回の後半で金八が「命懸け」ということを幸作に諭すシーンがあり、そこへ繋がるものと思われる。今回のシリーズではこのように布石ともいえないようなちょっとした布石が各所に散りばめられており、注意して見てみると非常に面白い。
- 参考文献/挿入歌/BGM
- ◇ 【音楽】 Right Now (SR-71)
- ◇ 【音楽】 Lifetime Respect (三木道三)
- ◇ 【書籍】 トランスジェンダーの時代—性同一性障害の現在 (虎井まさ衛著、十月舎)
- ◇ 【書籍】 種まく子供たち—小児ガンを体験した七人の物語 (佐藤律子編、ポプラ社)
- ◇ 【書籍】 岩波ことわざ辞典 (時田昌瑞著、岩波書店)
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- ◇ 【音楽】 Lifetime Respect (三木道三)