まずは、上の写真をご覧いただきたい。
写真に写っている2羽の鳥は、国の特別天然記念物「タンチョウ」である。
しかし、この写真を撮影した場所は、北海道の釧路湿原や霧多布湿原ではない。
わが岡山県を流れる三大河川のひとつ、高梁川の中州なのだ。
ご存知の方も多いかもしれないが、ここ高梁川の総社市美袋(みなぎ)地区では約10年前から県自然保護センターが中心になってタンチョウの野外行動調査が行われている。(2004年12月現在、幼鳥5羽、亜成鳥4羽)
では、なぜ岡山にタンチョウなのか・・・?
現在、環境省のレッドデータブックで「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されているタンチョウも、18世紀半ばまでは岡山(備前の国)に渡ってきていたという記録が残っており、19世紀ごろの井原市の書物にも現・小田川の支流にタンチョウが飛来していた姿が描かれているという。
さらに、驚くべきことに、昭和48(1973)年12月には岡山市内の沼地に1羽のタンチョウが飛来し、当時のニュースでも大きく報道されているのだ。(同年と翌年、福井県敦賀市などでも確認) さらに昭和62年と平成6年にも岡山市で飛来が確認。
平成14年3月、岡山県が発表した「岡山県におけるタンチョウ将来構想」に対して、あくまで岡山に飛来したタンチョウは渡り鳥で、そこに元々住んでいたものではなく移入種という見方から反対意見もある。
ここは川原から約100mの所には交通量が多い国道が川に平行して走っており、電線も多い。さらにタヌキやイタチといった卵や幼鳥の天敵となりうる野生動物も生息していて危険も多い。しかしながらここにはタンチョウが暮らしを営むための湧き水や草むらなど比較的整った環境がある。種の保存という意味では北海道から離れた場所である程度の個体数を保っておくことも確かに必要なのではないだろうか。
そして、タンチョウがいることによって、地元の人々による自然環境の維持する心が芽生え、下草刈りやゴミ拾いといった環境学習の場にもなる。僕自身は少し静かに見守っていきたいと考えている。
2004.12.7掲載
2005.2.6更新
|