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◆ 第6シリーズ 2話 「ボクの心の闇は深い」
長すぎるスカート丈について千田校長(木場勝己)から一方的に注意された鶴本直(上戸彩)は、次の日から学校を休むと宣言する。これを聞いた直の母親・成美(りりィ)は校長によるいじめだと教育委員会に抗議し、スカートが長いのは足の傷を隠すためだと告白する。
直が土手をジョギングしていると、一人ぽつんと川を眺める信太宏文(辻本祐樹)と遭遇。直はノブタからタコヤキを貰いながら話をし、男みたいだと言われると笑顔を見せる。ジョギング後シャワーを浴びる直だが、その足に傷はない。
入院中の幸作(佐野泰臣)は無菌室へ移り外界と遮断され、重大な病気なのではと不安に陥る。つとめて明るく振る舞う金八(武田鉄矢)。金八が家に戻ると遠藤先生(山崎銀之丞)が待っていた。遠藤は小児ガンと闘う家族を描いた本を見舞いとして手渡し、やがて来る告知のときに幸作にも渡してもらうよう願い出る。
そんな折、池内(吉行和子)から金八へ「成迫君がいなくなった」と連絡が入る。成迫政則(東新良和)は父姉の事件に苛まれ心が不安定になり、家を飛び出したのだ。政則は街を行く仲のよい親子をつい突き飛ばしてしまい、大森巡査(鈴木正幸)に保護されていた。金八は政則に「どんなに頑張っても親が子供にしてあげられる事には限度がある。だけど君には俺がついている。それだけは忘れて欲しくない」と話す。政則が見つかると池内は強く抱きしめる。
次の日金八は、授業で「踏まれた草にも花が咲く」ということわざをとりあげ、辛くても我慢すればきっといつか自分らしい花が咲くと説くのだった。
- みどころ談義
- ● 3Bの方は定期テストがあったり、文化祭の出し物を決める相談がはじまったりという時期なんですが…。今回も物語の中心になるのは直、政則、そして幸作なんですね。
- ○ 無菌室に入ってしまった幸作。不安な様子がたまらないよ。
- ● 中学時代の同級生が大勢お見舞いに来てくれたんですけどね。病室に入るのを止められちゃって。無菌室なので、お見舞いの花さえ渡すことができないというのが切ないですね。
- ○ 金八先生もね、幸作が気掛かりなぶんだけ3Bに手が回らないという感じなんだけども、幸作に弱気な姿は見せられないからつとめて明るく振舞うし、3Bをおろそかにすることもできない。こっちも大変だ。
- ● 政則がちょっとした事件を起こしますね。まぁ大森さんの計らいで事件にはならずに済みましたけど。今回のサブタイトルどおり「心の闇は深い」ようですね。状況が普通じゃないだけに無理からぬことですが…。
- ○ 池内先生の優しさが沁みたなぁ。あと金八先生が掛けた言葉も。政則は部屋で少年法関係の本を読んでいたじゃない。姉をあやめた少年たちと対峙していくような展開に今後なっていきそうな気がした。
- ● 直についてはどうですか。「オレ」発言といい、足に傷などなかったことといい、これはもう心は男性だ、ということだと思うんですが。仮にその通りだとしたら、これまた深〜い問題になりますよ。
- ○ タコヤキを食べるシーンがあったよね。第4シリーズにあったタコヤキお守りを思い出すなぁ。金八先生シリーズでは「タコヤキ」は友情の象徴。 直とノブタ、クラスでなんとなく浮いているもの同士、友情が始まっていくのかもしれない。
- ● 少しだけでも直の笑顔が見られて嬉しかったです。さて、なんとなく物語が見えてきましたね。
- ○ でも! ひとつだけどうにも分からないことがあるんだよなぁ。
- ● それはどのへんですか?
- ○ 3Bで長谷川賢が突然リコーダーを吹いて喝采を浴びたシーン! あれは何だったのだろう…。
- ● たしかにあれは唐突でした(笑)。
- ○ はじめの方で直がピアノでクラシックを弾いていたよね。だから、「趣味が合うじゃん!」と思う契機になったということなのかもしれないけど、何にしろちょっといきなりだったよなぁ。
- ● どうでしょうね〜。まだまだ謎は多い…。
- ○ 無菌室に入ってしまった幸作。不安な様子がたまらないよ。
- 小ネタ/周辺状況
- ◆ 中間テストで、森田香織が消しゴムの使いすぎで答案を破ってしまう。第5シリーズではヒルマンが同様に破った。
- ◆ その時香織は「死ぬ」と口走ってしまい、掃除当番の回数を増やされる。第5シリーズの名台詞「死ぬなんていう言葉をそう簡単に使うなよ」を受けて、罰則規定が設けられたのだと推測される。
- ◆ モヤモヤを吹っ切ろうと自宅でピアノを弾く直。第5シリーズの篤同様、裕福な家庭に育つ生徒は問題を抱えるとピアノを弾きたがる。
- ◆ タコヤキを食べる信太。タコヤキといえば真っ先に思い出されるのが、第4シリーズのタコヤキお守り。一足早く高校に合格した推薦入試組が、これから受験を控えるクラスメイトを励ます意味で作ったメッセージ入りの小さなきんちゃく風のお守りであった。
- ◆ ノブタは直にタコヤキを2個やると言う。なぜ2個?
- ◆ 金八の家を訪ねた遠藤先生は乙女に気がある様子を見せたが、第5シリーズ途中から遠藤は乙女に好意を持っていて、それを良しとしない金八はそっけない態度をとっている。乙女は第5シリーズ当時まだ高校生。遠藤の年齢設定がよく分からない。
- ◆ 文化祭の出し物を決めるにあたり揉める3B。恒例である。このとき隣のクラスからお囃子が聴こえてくると皆踊りだし、長谷川賢はなぜかリコーダーを吹き始める。曲は「運命」。
- ◆ 事件報道の幻覚を見た政則は、その時少年法の本を読んでいた。
- ◆ 金八は事件が起こる前、一度だけ成迫家に行ったことがある。そのとき政則は6年生。やんちゃで明るい子だったという。
- ◆ チュー、大森巡査にひったくり事件の犯人だと決めつけられてしまう。それを聞いた儀、ぬけぬけと「あいつならやりかねねぇよ」と発言。
- ◆ ラストの教室のシーンで、後ろの黒板に「プリント未提出 信太」の文字が。次回への布石?
- ◆ その時香織は「死ぬ」と口走ってしまい、掃除当番の回数を増やされる。第5シリーズの名台詞「死ぬなんていう言葉をそう簡単に使うなよ」を受けて、罰則規定が設けられたのだと推測される。
- 参考文献/挿入歌/BGM
- ◇ 【音楽】 エチュード集 Op.25-2 (ショパン)
- ◇ 【書籍】 種まく子供たち—小児ガンを体験した七人の物語 (佐藤律子編、ポプラ社)
- ◇ 【音楽】 交響曲第5番ハ短調 (ベートーベン)
- ◇ 【書籍】 少年法の新たな展開 (猪瀬慎一郎、森田明、佐伯仁志編、有斐閣)
- ◇ 【書籍】 岩波ことわざ辞典 (時田昌瑞著、岩波書店)
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- ◇ 【書籍】 種まく子供たち—小児ガンを体験した七人の物語 (佐藤律子編、ポプラ社)