第7回 形容詞の使い方

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[要点]
  1. 性・数・格の一致
  2. 形容詞の位置
    1. 属性的位置
    2. 述語的位置
  3. 形容詞の名詞化

性・数・格の一致

 形容詞をつけて名詞を修飾する場合は、修飾する形容詞と修飾される名詞は性・数・格が一致しなければなりません。

 ただし、性・数・格が一致しているからと言って、必ず同じ語尾がつくとは限りません。

形容詞の位置

属性的位置

 ho sophos anerのように、冠詞(ho)と名詞(aner「男」)の間に、形容詞(sophos「知恵のある」)が挟まっている場合、形容詞は属性的位置(attributive position、限定的位置)にあるといい、「知恵のある男」という意味になります。

 たいていはこのような位置をとりますが、ho aner ho sophosaner ho sophosという語順になることもあります。

【参考】 どれも属性的な位置であり、「知恵のある男」という意味ですが、若干意味合いが異なります。

述語的位置

 ho aner sophossophos ho anerのように冠詞(ho)と名詞(aner「男」)の組み合わせの外に形容詞(sophos「知恵のある」)が置かれている場合、その形容詞は述語的位置(predicative position、限定的位置)にあるといい、「(その)男は知恵がある」という意味になります。

 ギリシャ語では「〜である」にあたる言葉(英語の be のような繋辞的動詞 copulative verb)は省略されることが多く、形容詞が述語的な位置にある語群に終止符をつければ、それだけで(動詞がなくても)独立した文章になります。

形容詞の名詞化

 ギリシャ語では何でも冠詞をつければ名詞になります。たとえば、sophos「知恵のある」という形容詞の男性単数形に、同じく男性単数の冠詞(ho)をつければho sophos(「知恵のある人」「知者」)という男性名詞になります。

 形容詞から作られた名詞は、もとの形容詞の変化を引き継ぎます。たとえば、sophosは第一・第二変化する形容詞で、男性形は第二変化をしますので、ho sophosという名詞も第二変化をします。

【参考】 どの性でも数でも形容詞から名詞をつくることができますが、性や数に応じて一般的には次のような意味の差が生じます。

 また、ギリシャ語は名詞と形容詞の区別が曖昧で、形容詞がそのまま(冠詞をつけずに)名詞として使われることもよくあります。

【例】

最終更新日: 2001年11月2日   連絡先: suzuri@mbb.nifty.com