形容詞の最上級はすべて第一・第二変化をします。
比較級でという語尾をとる形容詞は、語幹にという語尾をつけて最上級をつくります。形容詞の大半がこれに含まれます。
比較級でという語尾をとって第三変化する形容詞も、最上級の時にはという語尾になって、第一・第二変化をします。
大半の形容詞(比較級のときにという語尾をとるもの)は、最上級では語幹にという語尾をつけます。これは「−ος、−α、−ον」型の第一・第二変化形容詞の変化をしますので、たとえば(「正しい」)の最上級ですと、次のようになります。
ただし、第一・第二変化形容詞のうち、男性単数主格形の語尾−οςの前の音節(つまりpaenultima)が短音節になっている単語(paenultimaが短母音で後ろに二つ以上子音がついていない単語)の場合は、−οςのοをωに変えます。たとえば(「価値ある」)の最上級ですと、次のようになります。
οがωになるという以外にも、比較級や最上級を作るときに少し語幹が変化する形容詞もあります(→補足)。ある形容詞がどのような比較級・最上級になるのかは辞書で確認するしかありません。しかし語幹はどのように変わっても、語尾の変化自体は上の表と同じです。
比較級のときにという語尾をとる言葉の場合は、という語尾を語根につけて最上級をつくります。これは「−ος、−η、−ον」型の第一・第二変化形容詞の変化をしますので、たとえば「恥ずべき」の最上級ですと、次のようになります。
よく使う形容詞のなかには、似たような意味の言葉がまとめられて、不規則な比較級や最上級をつくるものがあります。(→「不規則な比較級・最上級」)
三つ以上のもののなかで程度が一番高いことを表すには、次の二通りの書き方があります。
「〜の中で一番……」という比較の対象を複数属格形で表します。
最上級が修飾している言葉(例文では「ソクラテス」)は、文章の必要に応じた格になります(例文では男性単数主格形)。また形容詞の最上級は、その最上級に修飾されている名詞と性・数・格を一致させます。
最上級の代わりに、英語のmostにあたるという副詞を使って、+原級」によって表すこともできます。形容詞(原級)は修飾されている名詞(例文では「ソクラテス」)と性・数・格を一致させます。
劣等比較には、「最も少なく、最も劣った」を使い、「+原級」で表します。
最上級が単独で(比較の対象なしに)使われて、「極めて〜」「この上なく〜」「非常に〜」といった強調の意味になることがあります。
最上級の前に、またはという語が置かれている場合は、その最上級は「できるだけ〜」という意味になります。最上級の形容詞は、修飾されている名詞の性・数・格と一致させます。
最終更新日: 2002年1月5日 連絡先: suzuri@mbb.nifty.com