初心者のための、
ステレオをセッティングチェックリスト


 初級

     1,スピーカーは視聴位置から等距離に置く
   
2,きちんと三角形になっているか
   3,スピーカーの向きは等しくなっているか
   4,チェックCDで音をチェックしよう

 中級 
   5,環境チェック① スピーカーの間に何があるか考えよう
     6,環境チェック② 音楽をバランスよく聴けているか
      7,環境チェック③ 部屋を見回そう。視聴位置は本当にそれでよいだろうか。

 上級
      8,ケーブルのチェック
      9,電源のチェック

   特別編 アクセサリーを使うなら。。。
     10,スピーカーの足はしっかりと
     11,市販のケーブルに変えるなら

   おまけ:サラウンド用スピーカー配置例



初級

1,スピーカーは視聴位置から等距離に置く。

 案外ものぐさしているのが、これです。本文でも繰り返し触れています。きちんとメジャーを用意してしっかりと等距離になっているか確認しましょう。これがステレオ立体化の基本中の基本ですが、現実生活の中では一番守れないのが、これなのです。立体感を実感したい人は高さもデコボコではダメです。高音を出すツィーター部分(スピーカーの小さい方)が耳の高さになるくらいが目安とされていますが、小型スピーカーの場合はいろいろ試してみましょう。
  参考:ステレオイメージ


2,きちんと三角形が出てきているか。

 自分の視聴位置と、左右のスピーカーの位置が三角形であることに注意しましょう。視聴位置から等距離においたつもりでも、自分が中心から外れていると、いびつな三角形になります。図3の場合がそうです。左右が遠く、遠近が近くなります。スピーカーの間もちゃんと計って中央の位置も確認しておきましょう(音の定位は多少いびつな三角形でも中央にきます。でも、きちんとセッティングすると、さらによくなるのです)。

set1 set2 set3
図1 正三角形の関係
 日本の狭い住宅事情では、正三角形にするとわりとスピーカーが近くに寄ってきて、目の前にあるような設置になることが多い。スピーカーの間を広くとった場合は、角度をやや内振りにしていくと、中央の音も薄まらない。

図2 二等辺三角形の関係
 おそらくほとんどの人はこの形か。六畳間は長方形だし、見た感じのバランスもよくなることが多い。

図3 ゆがんだ二等辺三角形
 確かに等距離だけど、人間が中央からずれている。ただし、四角い部屋は定在波という音のにごりを作りやすい。スピーカーを傾けて設置しながら、きちんとした二等辺三角形を作ると、定在波の問題も解消できる。超上級者向け。


 三角形は一般には図1のような正三角形とか、図2のような二等辺三角形がよいとされてます。ただ、そうでなければいけないということはありません。左右のスピーカーの間を広くとって、角度を思いっきり内側に向けるようなセッティングでも成功すると音の広がりが大きく、中央の音象もしっかりした再生ができます。


3,スピーカーの向きは等しくなっているか

 スピーカーは正面向きが基本ではすが、場合によっては内側に向けてしまう方がよい場合もあります。うちに向くほど中央の音像がしっかりとする傾向にあり、その代わり音の広がりがなくなります。音そのものはスピーカーから放射状に広がるように出ていますので、正面向きでもたいていはきちんと聞えます。左右の間が広い場合やスピーカーの間に障害物があるようなときは、スピーカーから線を延ばすようなイメージで、左右の音が自分の位置で重なるように角度をつけてみましょう。ただ、これもスピーカーの性能や個性、部屋の響きなどと関係しますので、少しずつ実験してみるのが正解だと思います。

 やってみると傾きを左右あわせるのはなかなか難しいものです。人間の目はけっこう傾いていることが多いので、見た目で等しいものは、わりと歪んでいることが多いからです。見た目は光の加減でも変わります。壁は真っ直ぐですが、家具は本当に真っ直ぐ置かれているかわかりません。壁にくっつけてあるようでもすき間があって、多くの家具は多少なりとも曲がって置かれています。壁などからの距離をしっかり測ってスピーカーも2カ所、3カ所と定めてチェックするのがよいみたいです。


4,チェックCDで音をチェックしよう

 セッティングの音チェックにはモノラル録音で楽器の少ないものか、ボーカルもので中央の声の位置などが確かめられるものがよいでしょう。雑誌などで録音のよい、音楽チェックに適したCDを何枚か持っているとよいかと思います。中にはオーディオチェック用の特別なCDもあります。

 視聴位置で聞いてみて、音がどちらかに偏っていれば、当然どこかがズレていると考えられます。いびつな三角形のときは、音が中央にあっても、響きの感じが左右で違います。音が偏っていたら、距離だけでなく、左右の位置、傾きも合わせて確認するとよいでしょう。

 中央の音像だけだと、こうしたズレもあまり気にならないのですが、本当に左右がそろうと、音の雑味が消えて、明瞭度がパッと上がる不思議な現象があります。ボーカルだと歌う口の大きさがとても小さくなって感じられます。音の陰影が浮き上がって立体度がはっきりと増します。このポイントを見つけるのがセッティングの作業なのです。
 ここまでのは項目は、このあとの項目をチェックするたびに何度もやりなおす基本パターンと言えます。


中級
5,環境チェック① スピーカーの間に何があるか考えよう


 ここまでチェックしてくると、立体的とはいえないまでも楽器もかなり明確となり、ボーカルの口元の位置がしっかり安定して、口元が小さく感じられると思います。もし、それでも音があいまいで、BGMみたいに漠然と流れている時はスピーカーの間に何があるか考えてみましょう(CDがポップスやロックなどの電子楽器系の場合はもともと平面的な録音になっている場合が多いです)。ミニコンポの場合は本体が中央にあるうえ、スピーカーの距離も狭すぎることが多いようです。スピーカーの間にステレオ装置があったり、テレビがある場合は要注意なのです。音像が中央でまとまるはずが、その物体に反射されてまとまらなくなる場合が多いのです。スピーカーの間隔もある程度開けないと、音の中心と、響きの部分が分離しませんので、1カ所から音が聞えるような再生になります。

 できれば、スピーカーの間のものを取り去りたいところですが、普通はそれほどの余裕はありません。そういう場合は、最低でもスピーカーの面を中央の物体より前に出しまいしょう。テレビはプラスチックの大きな箱で、中も空洞です。こういうものは中央の音を跳ね返すだけでなく、音の振動に共振してスピーカーからの音をさらににごしてしまうのです。テレビの放熱に注意しながら、音の反射や共振を押さえるようにサイドに布をかぶせてしまう人もいます。


6,環境チェック② 音楽をバランスよく聴けているか

 だいたいの感覚がつかめたら、音のバランスを確認しましょう。スピーカーは壁や床に近いほど低音が増して聞こえる傾向にあります。これは壁や床の共振を利用して音を増幅させる方法です。しかし、先の話でもわかるようにこの方法はともすると音をにごして、明瞭度を下げたり、音を詰まらせたりすることもあります。神経質になるのもどうかと思いますが、空間にゆとりがあるほどスピーカー本来の音が出やすいと思ってよいのです。できれば、スピーカーは周囲の壁から離し、適度に床からも持ち上げたいところです。スピーカーを内側に向けると壁の反射が少しやわらぎます。実はこれがオーディオ好きがあこがれる最初の夢になるかもしれません。

 このときもう一度高さにも気をつけてみましょう。耳に入る音像の位置が低すぎたり、高すぎたりすると、案外気分が悪いものです。低音を気にするよりこちらを考える方が案外音のバランスはよいかもしれません。自分が座ったときに目の前にステージが広がるようにしたいところです。スピーカースタンドは各種あるので、最初から専用スタンドなどを買わずに、自宅で高さの確認をしてから、求める音のバランスを考慮してスピーカースタンドを買う方がよいでしょう(スピーカースタンドの高さが足りない場合は、そのしたらさらにしっかりした土台を置くという方法もあります)。


7,環境チェック③ 部屋を見回そう。視聴位置は本当にそれでよいだろうか。

 部屋の使い方は、案外いろいろとあるもの。ときどき部屋の模様替えを考えてみるのもよいことです。僕も部屋の配置換えはよくやりました。視聴位置を考えるのも大事なことなんです。

 ここまでいろいろやってもどうしても左右に音が傾いたりする場合は、置き場所そのものを再チェックしてみましょう。オーディオマニアになると、ステレオが1番で、生活が2番なりますから、その部屋の音響的なバランスが一番よいところにスピーカーがあります。しかし、普通はそうではありません。どうしても部屋の偏った位置にセットされてしまいます。十分に空間があれば影響は少ないのですが、少なからず壁や窓の影響を受けます。家具もソファ系のものは音をよく吸います。我が家では木造の古い賃貸で、右スピーカーの方だけ畳が手前に沈んでいたことや天上がボコボコの薄い合板でそのために天井裏に響いて、バランスを悪くしていたことに長く気がつきませんでした。これまでのことをやっても立体的にならない場合は、最後にこうしたところをチェックしてみましょう。


上級
8,ケーブルのチェック

 ここまでチェックできていれば接続が間違っているということはないと思いますが、たまにはチェックしてみるといいようです。特にスピーカーケーブルは接続口がねじ式なので自然とゆるんでいく場合があります。市販の太いケーブルを使っている人は特に注意しましょう。最近は接続端子に塗って信号の伝導率を高めたり、端子の汚れ取りや酸化を防止を目的としたアクセサリーもあります。チェックついでに塗ってみるとよいかもしれません。

 ケーブルはできるだけお互いに混ざり合わないように接続していく方がノイズを拾わなくてよいとされます。我が家もそうですが、オーディオだけじゃなく、映像を映すビジュアル機器も接続するようになると配線もかなり増えてきます。せめて、ケーブル同士がからみ合わないようにはしておきましょう。特に電源ケーブルと他の信号ケーブルは混ざり合わない方がいいようです。(「ノイズ」といってもいろいろありります。ケーブルは電気信号の流れとともにアンテナ上になりますので、「パチパチ」とか「プーン」「ジー」という明確なノイズがでる場合もありますが、実はそれほどはっきりしないノイズが隠れていることがよくあるのです。セッティングが整い、使用する機械もよくなってきますと音がどんどん明瞭になってきます。普段当たり前だと思って聴いている音はかなりノイズに埋もれているものなのです。最初のセッティングで注意しておくとあとで困りません。)


9,電源のチェック

 多くの家庭では壁のコンセントは1カ所に2口止まりでしょう。いくつかの機械をつなげるときはタップを使います。コンセントはできればオーディオだけにまとめて使いたいところです。どうせタップを使うのでしたら他の電気機器もタップを使って他のコンセントから分けて分散してみましょう。テレビやパソコンなどの電子機器は電気にも高周波ノイズを乗せるので要注意です。こうした機械を同室で使うのなら、ぜひコンセントは使い分けたいところです

 コンセントをオーディオ用にしたら2口の振り分け方は、デジタル系とアナログ系に分けるのが普通です。CDやDVDなどを一つにに、アンプはもう片方を使います。CDやDVDの方をタップで1つにまとめます。アンプは出力が大きく、音の最終の出口でもありますから、新鮮な電気を直接コンセントからとりましょう。

 もし、アンプの方もタップを使う場合は電気の入り口方向から見て、電力を必要とするアンプを手前に、CDやDVDを後にするのがよいようです。せっかくここまでしたらアンプなどのサービスコンセントは絶対に使ってはいけません。

 もう一つできれば、電源の極性をあわせておきましょう。コンセントにもプラスとマイナスがあって、全ての機械でそろえておくと電気の流れがスムーズになり、機械の性能がより発揮されやすくなります。セッティングをきちんとしていれば、この違いは非常にはっきりとでますので、ここまでやったなら最後にこれだけはしておきましょう。コンセントのプラスとマイナスを確認するには、工具屋さんで検電ドライバーを買ってくれば簡単にわかります。問題は機械側のプラスとマイナスです。機器の方もある程度のグレードになるとコンセントに印がついていますが、そうでないものの方が多いでしょう。基本的には印がついていれば、そちらがマイナスです。説明書に書かれていないか確認してみましょう。もしよくわからない場合は、一つ一つ差し込みをひっくり返しながら聴いて耳で確認していきます。順番に変化を確認して、変化の少ないものはまた後回しにして、わかりやすいものから整えていくといいでしょう。極性があっていないと、音が詰まったような、にごったような音になる場合が多いものです。場合によってはこちらの方が音の密度があるような感じがしてよい場合もありますから、あとは好みで選んでもかまいません。ひとつひとつの変化は微妙に思えても、全部をチェックすると効果は大きいものです。こうした繰り返しチェックのときは、面倒でもCDの聴く曲を決めて、それを繰り返して聞くのがよいと思います。
 参考:検電ドライバー

 ここまできたら、もう一度1、2、3、4と繰り返して行くだけです。電源の極性までしっかりあわせて、左右のスピーカーの位置がピタッとそろうとたいていのスピーカーの音は変身します。これをしないですぐにアクセサリーに走るのは、もったいないことです。検電ドライバーを買っても1000円でおつりがくるくらいですので、まずはこうしたところをやってみましょう。


特別編 アクセサリーを使うなら。。。

10,スピーカーの足はしっかりと

 小型スピーカーを使っている場合は、どんな足を使っているかを確認しましょう。高さだけでなくその材質で音は変わります。高さは台の下にさらに台を置くことで修正できますが、、材質は変更できません。金属製なら音はしっかりとハキハキしますが硬い傾向となり、木製のものはふくよかでリッチな音ですがボケ気味の音になりがちです。たぶん、ほとんどの人で1番最初に必要になるのは、スピーカーの足です。大型スピーカーでも床との間に何かを挟んで少し持ち上げる方が、よい結果が出る場合が多いかと思います。

 ガタつきをとるためなら、台とスピーカーの間にはさむものを考えましょう。十円玉などはやはり音が硬質になります。ゴム系は柔らかくなります。スガワラ工業のブチルゴムを何重かに重ねてサランラップをまいたものもなどは手作りですが音にくせがなくけっこうよいと思います。床が畳などで台やスペーサーでは改善しきれない場合は面積の広いオーディオボードなどを一番下に敷いてしまうというのも方法です。
 参考:スピーカーの足 ブチルゴム


11,市販のケーブルに変えるなら

 たいていの方は製品に付属してきたケーブルを使っていますが、ケーブルを市販のものと変えるとステレオの能力もさらに発揮できます。市販品のケーブルに変える時は、雑誌などでケーブルの個性をよく確認してから買うのがポイントです。セッティングをしっかりして、その上で音のどんな部分が足りないと感じるかをよく考えてから、それに合うケーブルを探しましょう。付属品から市販品に買い換えれば、ほとんどの場合は音がよくなりますが、自分の好みが反映されているかがやはり大事なことだと思います。ただ、ケーブルはやはりケーブルなので、本体の機械そのもののレベルが低くければ投資の意味も考えどころです。変化を活字で表現するとどうしても極端な感じになりがちですので、使ってみても思ったより変わらなかったということもよくあります。これも価格などのバランス重視でよいのだと思います。

 こうした市販のケーブルの中には方向性が指定されている場合がありますので接続のときには注意しましょう。方向性とは電気の流れる方向を示したもので、CDやDVD側が入り口、アンプ、スピーカー側が出口になります。海外製のケーブルは表示が小さくて見落としやすいものが多いようです。特にスピーカーケーブルは要注意です。接続口になくても、ケーブル自身に表示か印刷してありますので、よく確認しましょう。

 場合によっては電源ケーブルの影響の方が音の変化が大きい場合があります。なぜ信号ケーブルより音を変える場合があるかはわかりません。電源ケーブルが取り外しできる場合は、考えてみてもよいと思います。

 こうしたケーブルを変えていて、おもしろいと思うのは、機械本体はなかなか買い換えることができないせいもあって、その個性というものが実際にはよくわかっていなかったということに気づくことです。雑誌で見るように機械を変えて直接比較ができないために、そもそもの基準がわからないのです。出てきた音をそのまま信じるしかないのです。お店や友達の家などで聞いて感心はするけれど、もう一度自宅で聞いても環境が何もかもが違うので、結局よくわからないままに「こんなものだろう」とすませてしまいがちです。しかし、ケーブルを実際に入れ替えて聴きますと良くも悪くもとたんに違いが出てきますので、そこではじめてこれで良いのか悪いのかと考えるようになるものです。安いケーブルでいいのです。いくつか聴いてみるうちに、雑誌の表現と自分の耳で聴いた音とが結びついてきます。こうしてはじめて自分のシステムにはこんな所があるといいなぁというところが見えてくるわけです。それと同時に機械の持つ個性や自分の音の好き嫌いが少しずつわかってきます。このメーカーのケーブルは好きだが、このメーカーのケーブルはあまり使う気になれないというものが出てくるからです。雑誌やネットで評判のものでも自分に合わないものはしばらく聴いていると嫌になって結局はずしてしまいます。それが音楽の生理的なところです。これが自分の基準でよいのはないでしょうか。

 ケーブルも好きなメーカーだけでまとめると、個性が重なってよりよくなる場合もあれば、重なりすぎてくどくど野暮ったくなる場合もあります。ですので、いくつかメーカーを分けて使う方がバランスがよいという人もいます。スピーカーケーブルは距離が必用な分だけお金もかかりますから、最初は安いものにして、自分が求める音をよく考えてから決めるとよいかもしれません。
 参考:「脇役の味」


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