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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第7シリーズ 4話 「金八遂に大激怒!」

文化祭の時期が近づく。3年B組だけがまだ演目を決められないでいた。そんなある晩、金八(武田鉄矢)は千田校長(木場勝己)の命令で給食費を滞納する狩野伸太郎(濱田岳)の家を尋ねるのだが、両親(伸介・田口浩正、亜弥・阿知波悟美)は忙しく取り付く島もない。帰り道に寄った食堂で、金八はガラの悪い男達から「丸山という生徒を知らないか」と聞かれて不審に思う。

金八の元ではなかなか出し物を決められなかった3Bだが、人気のある小田切(深江卓次)・シルビア(マリエム・マサリ)両先生にソーラン節を勧められるとあっさりOK。懐かしい半纏を見て心躍る金八は卒業生との「引渡式」を企画する。しかし3Bの礼儀のなさに卒業生は憤り、お年寄りの作った半纏が粗末に扱われたことに田中センター長(堀内正美)も猛抗議する。

金八は不道徳な生徒に対してついに激怒。厳しい口調で叱責し、「私が出て行きます」と生徒を置き去りにして教室を後にする。しばらくして思い直した金八は3Bへ戻るが、そこには既に生徒の姿はないのである。

04年11月5日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 福澤克雄

視聴率: 14.1%

DVD: 第2巻

参考文献・挿入歌

 みどころ&勝手な解説
● 先生がガクッと…座り込んでしまいました。
○ 衝撃的なラストだった。
● かわいそう過ぎますよ〜。
○ 金八先生は混乱していたね。チグハグだったというか。
● そうですか? 僕は金八先生の魂のこもった説教は実に正論だったと思うし、不真面目な多くの生徒に対してすごくムカムカしながら見ていましたけど。
○ いやいや、その後のシーン。あれだけ厳しく叱りつけて生徒を突き放した金八が、本田先生の一言でわりとすぐに心変わりして教室に取って返すという。あの場面だけでも感情のコントロールや気持ちの整理が出来ていないと感じたなぁ。
● そういえばそうですね…
○ ハンテンの一件もそうだよね。大西さんやデラの気持ちを考えろ!という前に、一言でもそういう話をきちんとしたことがあったのか。卒業生やご老人達を集めてちゃんとした引渡式をやって、そこで説明すればよかったんだよ。しなかったということは、金八もどうせ伝わらないと思い込んでいた部分はあったはずよね。
● ああ…生徒との距離が離れていってる。
○ もっと言えば、ソーラン節に決める時も小田切先生と英語のシルビアさんに丸投げだからね。
● 丸投げ…うーん、たしかに。いくら今までのやり方が生徒に通用しないからといって、放り投げる金八先生の姿というのはあまり見たくありませんでした。
○ 「扱いに困って放り出したけど、あまりにも目に余るんで怒ったら、やっぱり聞いてくれなくて、ガーン。」というのが第4話の金八先生の内容でした。おわり。
● そんな乱暴に言わないで下さいよ〜。
○ だよね。面白い要素はたくさんありました。まずA組とC組の練習の見事さね。コーラスもタップも既にほぼ完成されていた。
● あはは。状況説明はあのくらい極端にやってくれた方が面白いですよね。揃いすぎているから個人がクローズアップされずに「A組!」「C組!」と団体の結束の見事さだけが妙に印象に残りました。
○ そうそう。それがよかったんだよね。B組だけがバラバラだという状況がうまく強調されていてよく分かった。
● あとは伸太郎の家が立派だったのが意外でしたね。
○ 「狩野鉄骨工業」だったかな? 大豪邸。
● 金八先生も間違っていましたもんね。向かいの潰れかけたボロ家だと思い込んでいたようで。まぁ我々も2話の感想の中では貧乏な姿を予想していたんですが。
○ 見事に外れてしまったね。で、金八先生だけど、貧乏な家を想像してそのとおり貧乏な家を見つけて、イケると思ったんだよね、最初は。過去にそういう問題をいくつも見てきて解決してきてクラスをまとめる糸口にしてきたから、今回も…という気持ちがあったのではないかな。
● なるほど、それなのに実際は豪邸に住んでいたんで、目論みが外れてしまったんだ。
○ さらにスナックについて行ったらそこが量太の家で、なんやかんややっているうちに伸太郎の母親に巻かれてしまうという。
● 店名「猫ちゃん」って(笑)。1話で大森巡査が言っていたのはこのことだったんですね。
○ 金八は一応受け持ってから半年は経っている設定なのに、生徒の家のことを知らないとは!なんてね。このあたりの軽い雰囲気は面白かった。そしてこの後シリアスなことが起こって落差でへこまされるんだろうなとも。
● この後はしゅうの話題になるんでしたよね。
○ しゅうを追っていたあの恐いお兄さん、甲本雅裕さんだよね。ついこの間NHKの「新選組!」で松原忠司という実直な隊士を演じていた役者さんだから、ちょっとビックリ。100%正反対の役だということもビックリの理由だけれど、これだけの役者さんを使うということは今後も重要な役割を果たすということだよね。
● しゅうの情報は相変わらず小出しです。
○ 「殺す時はボクがやる」という不穏な台詞があったけれど、よく分からないまままだまだもったいぶりそうな気配。
● …で、最初でも触れたソーラン節にまつわる対決に繋がっていくわけです。ここからちょっと話が強引になるような気もしますが。
○ おやおや。聞きましょうか。
● いや、ソーラン節があっさり決まったのは、生徒に人気のある小田切先生とシルビア先生の提案(この2人がいたということは英語の時間か)にクラスの中心たるお調子者グループが乗っかったということだから納得がいくんですけどね。でもその後の引渡式! チュー達の怒った理由がちょっと弱くなかったですか?
○ 「礼儀がなってない」ということだったよね。実際は伸太郎が頭に乗せただけだった。もっと皆で丸めて投げ合って遊ぶとか、「ダサイ」の大合唱ぐらい極端なデフォルメがあってもよかった気はするね。だってチューも中学時代は結構タメ口で話していたんだから。
● この程度の理由で見知らぬ卒業生に怒られて先生からも叱られたんじゃ、「金八先生は一方的に昔の教え子の肩を持つ」と生徒たちは思いますよねぇ。
○ センター長もあのヒステリーはないよね(笑)。
● でしょう?
○ 確かにドタバタがすぎた感はあった。でもこう考えてみたらどうかな。その辺の強引さ、違和感は、意図的に仕組まれたことなんじゃないのかなって。
● 金八先生が一方的に昔の教え子の肩を持っているように、わざと見せているということですか。
○ そうそう。最後の方でデラやチューの昔の思い出VTRが出たよね。あれなんて完全に金八の側に立った見せ方でしょ。なんとなく強引な話の展開というのもね、金八先生がうまくいかなくて掴めなくて混乱してる状況を表そうという狙いを感じるな。
● そこまで考えているかな〜。
○ まぁいずれにしても金八は混乱して、大変なことになっていると。
● 確かに最後の大激怒も、このコーナーの最初には正論だといったんですけど、もう一度見てみると、そこに持っていくまでは因縁をつけるかのように強引に自分のペースに持っていってるようにも思えますね。
○ 精神的にボロボロになった金八つぁん、どうなるのか早く知りたいなぁ。
● 次回予告もなかったですし、気になりますね。
○ 最後に気付いたことを喋っていいかな。
● どうぞ!
○ 拡声器を通して喋る車掌、あれはクラスのワイワイガヤガヤの象徴でもあるんだとやっと気づいたよ。なんで拡声器が出てくるのかずっと気になっていたけれど、孝太郎のゲーム機のようにちゃんと意味があったんだ。
● なるほど。じゃあクラスが礼儀や敬意を理解してまとまったら、拡声器はなくなる。
○ …ような気がするなぁ。
 小ネタ拾い読み
◆ケアセンターの送迎ワゴン車の名前を、車掌は「極楽3号」と呼ぶ。
◆しゅうがバッグを背負う時に肩当ての部分を胸元に持ってきてるのは、ロゴがよく見えるようにというプーマ社への気遣い?
◆文化祭、3Aの出し物は合唱、3Cはタップダンス。プロはだし。
◆伸太郎は豪邸住まい、舞子も負けず劣らずデカイ家に住んでいる。
◆伸太郎の父も母も「アチャー」が口癖らしい。
◆シルビア先生はセネガル出身。セネガルの公用語はフランス語なのに英語教師? 量太も「マドモアゼル」と言っているし。
 過去の金八シリーズでは
■ソーラン節
…3Bの伝統と言ってはいるが、実際は第5シリーズから始まったもの。参考とする「南中ソーラン節」が日本民謡民舞大賞で奨励賞を獲得し注目されたのが93年のことだったので、初期のシリーズで取りあげられなかったのは当然ではあるのだが。
■卒業生の協力
…第1シリーズでは桜中OGで看護婦の戸田光子が、浅井雪乃に付き添う天路先生の代わりに一日だけ養護の先生に。第6シリーズでは第5シリーズ時の生徒たちがいろいろと応援に駆けつけた。
 読者様からメールをいただきました
◇ラストシーンで伸太郎の机だけが乱れていました。今後の展開を暗示していると思います。また、その前の保健室のシーンで時計が1時30分を指していましたが、生徒が全員帰ってしまうには時間が早い気がしませんか?(K.Sさん)

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