人称代名詞は次のように変化します。
人称代名詞には呼格形、三人称単数主格形、三人称両数形はありません。また一人称単数斜格(主格以外の形)は、前接辞になった時には語頭のεが無くなります(表の各セルの右側の形)。
人称代名詞のうち、(斜格(主格以外の格)の単数形)は前接辞で、直前の言葉にアクセントを奪われて無アクセントとなることがあります。
ただし、次の場合には単数斜格もアクセントを保ち、一人称についてはεのついた形(変化表の各セルの左側の形)を用います。
ギリシャ語では、主語の数と人称ごとに定動詞の形が変りますので、主語が例えば「私(一人称単数)」であるのか「あなた(二人称単数)」なのかということは、わざわざ人称代名詞の主格形を添えなくても分かります。主格形(主語になる形)の人称代名詞は、特に使う必要がないのです。
逆に言えば、わざわざ人称代名詞の主格が使われている場合は、「(他ならぬ)私が」「(まさに)あなたが」と主語が強調されていることになります。そのため、主格形は単数の場合でも、斜格(主格以外の格)のように前接辞となることはありません。
アッティカ方言の散文では、三人称にはもっぱら指示代名詞や強意代名詞の斜格で表され、人称代名詞の三人称は間接再帰以外にはほとんど使われません。
人称代名詞の属格が所有の意味(「私の〜」「あなたの〜」)で使われた場合は、所有されている名詞とその冠詞の組み合わせの外(述語的位置)に置かれます。
【例】