強意代名詞(pronomen intensitivum)は次のように第一・第二変化をします。ただし、中性単数主格・対格の語尾のνはありません。
女性形の単数・複数の主格形(、)は、指示代名詞の女性形の単数・複数の主格形(、)と紛らわしいので注意が必要です。
強意代名詞は冠詞がつくと、次のように母音が融音して一まとめにされることがあります。
は、次のような意味で使われます。
名詞、代名詞、動詞が含意している人称主語(例:「あなたは言う」の「あなた」)などに、性・数・格を一致させたをそえると、「〜自身」「まさに〜」「ほかならぬ〜」と名詞や代名詞が強調されます。
この時は名詞と冠詞の組み合わせの外(述語的位置)に置かれます。
【例】
純粋に形容詞として使われて名詞を修飾する場合は、は「同じ〜」という意味になります。
この時は修飾している名詞とその冠詞の間(属性的位置)に置かれます。
【例】
また、ほかの形容詞と同様、冠詞をつけて名詞として使うことができます(→形容詞の名詞化)。
【例】
強意代名詞の斜格(主格以外の形。属格、与格、対格)は、三人称の人称代名詞として使うことができます。
【例】
三人称の人称代名詞は別にあるのですが、アッティカ方言ではほとんど使われず、もっぱら強意代名詞の斜格や指示代名詞で代用されます。
またこの用法の属格(「彼の」「彼女の」「それの」)は、所有代名詞の代用として使われます。
最終更新日: 2002年8月3日 連絡先: suzuri@mbb.nifty.com