和歌山ロードゴーイング●紀伊半島の大動脈・R４２●

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２■■■　紀伊半島の大動脈・Ｒ４２

▼和歌山市中心部から南に伸びる国道４２号線。このＲ４２は一体どこまで続いているんだろう？と思い、南紀の地図を取り出し調べてみる。てっきり三重に入ったあたりで終わっているか別の国道になるのかと思ったらとんでもない。紀伊半島に沿って一周し三重県は伊勢で一旦途切れる。そこから海を飛んで渥美半島に突如現れ、最終的に浜松までつながっているのだ。浜松といえば静岡県、愛知県よりもまだ東にある。

■■■そんなところまで達しているＲ４２、あんたはえらい。

▼Ｒ４２は紀北〜南紀を海沿いに結ぶ大動脈らしく、意外と交通量が多い。そのうえ特に中紀〜南紀は夜間、車のスピードが速いのだ。飛ばす飛ばす。えらく長いストレートが続く場所もいくつかある。そのせいか交通死亡事故も多く、「死に（４２）号線」という喜ばしくない称号を与えられている。トラックもかなり多く、アオってくる事もある。こっちはドライブ、相手は仕事なんだから、譲れる場所で先に行かせるのが得策。
▼そんなＲ４２だが、南紀辺りを流していると至る所に温泉の看板があり、温泉フリークにはまさに天国。一つ見逃しても数キロ走れば次の温泉が。有名な温泉街から小さな秘湯までいろいろあって、看板を見ていくだけでも楽しいものだ。中にはガイドブックにあまり載らない秘湯も・・・。また、海沿いを走ると独特の豪快な海岸美が目に入り、つい見とれてしまう。釣りファンの皆さんには海岸線の見た目の想像通り、絶好の磯釣りポイントも点在。渡船屋も多い。

▼余談になるが、紀伊半島の海沿いのほとんどを制覇するＲ４２ではあるが、紀伊長島町から東の海岸線はＲ２６０に譲り、いったん内陸に入る。このＲ２６０、典型的な３桁国道なのでドライブに自信のない方や、車に酔いやすい方が同乗している場合などは絶対にお勧めできない。よほどの用事がない限り国道だとアテにして走るとえらい目に遭う事必至。夜間に大型ダンプと出くわそうものなら、もううなだれるしかない。Ｒ４２を基本に紀伊半島一周ドライブを考えている方、御注意を。

■■■もしかすると車でバックした距離の自己記録を更新できるかもしれない。

▼つまりＲ２６０は忍耐とガッツが必要な困った国道のひとつだと軽くまとめておいて話をＲ４２に戻そう。最近ではコンビニが増えたので、特に店の閉まる夜間や子ども連れなどで心配されるトイレ休憩もしやすくなった。最新のナビでも追いつかないペースで増えており、和歌山県内のＲ４２では長くても１０数キロ走れば次のコンビニがあり、三重県に入ってもボツボツ点在しているので非常に助かる。
▼さて、このコンビニ、何でこんなところに有るのか分からないようなヘンピな場所にもあったりして大変重宝するものだ。夜間、民家の明かりもまばらで寒々とした辺境の国道に突如として浮かび上がるコンビニの看板。人恋しさと寂しさに打ちひしがれたドライバーにとって、コンビニの明かりがまさに「オアシス」という表現が決して言い過ぎとは言えないほどの神々しさを醸し出していることだってあるわけで、そんな場合にはついつい用事も無いのに立ち寄った挙句、不要なものまで買ってしまいがち。いつもは立ち読みすらしないワケの分からない雑誌、普段は視線すら避けてしまう１００％マズそうな肉片で構成されるホットフードetc・・・。
▼しかしながら！だ。ドライブに必要なのに絶対に売っていない物がひとつある。

■■■そう、ガソリンだ。

▼こればっかりはいくら「コンビニエンス」を標榜していても売ってはいない。コンビニのおかげで夜間のドライブは確かにしやすくなってはいるが、南紀〜三重南部のＲ４２沿いのガソスタは夜間、ほとんど開いていないので明るいうちに必ず満タンにしておくべきだ。その際、リッターいくらなんていう計算は地方にドライブに行く際は気にしない事。タンクが半分になった時点で入れても決して早すぎるということはない。高い単価で満タン分入れるより、半分で済むなら財布の被害も少ない。
▼Ｒ４２に限らず地方をドライブする際注意すべきは、この先うまい具合にガソスタがあるとは限らないという点、またガソスタはあっても曜日や時間などにより店が開いている確証が得られにくいという点、道に迷って予想以上にガソリンを消費する可能性がある点（通行止めで迂回が必要な場合も多い）、エアコン作動時は特に消費量が増える点。これらを頭に入れておく必要がある。なんといっても相手は正直、ほとんど田舎道である。

■■■油断は死を招く・・・いやいや屈辱のＪＡＦを招く事になる。

▼Ｒ４２は確かに和歌山ドライブには欠かせないが、特に街中に住んでおりナニ不自由なく生活を送っている人にとってみれば、たまたま今走っているところが開けていて賑やかであっても、ほんの数キロ走っただけで想像を絶する静けさが待っている恐怖を味わえるのだ。
▼最後になったが、このR４２は総延長４６９.７キロ、国道で第８位の長さを誇る。ついでに第１位はR４、総延長７４２.０キロだ。